北朝鮮核実験

   

北朝鮮の無謀な核武装は何を意味しているのだろうか。日本はどうしたらいいのだろうか。独裁者の不安。猜疑心の増大。窮鼠猫を噛む。北朝鮮のように、隣国から見たら、多分国際社会から見たらでも同じだろうが。手に負えないならず者国家という存在は、繰り返し登場する。イランでも、イラクでも、ソマリアのように政府が不安定で当時能力がなく、海賊ビジネスが横行すると言う事さえある。このような国際ルールを無視して、恥ずることのない国に対応策がないとするなら、国際社会というものが成立していないと言う事になる。北朝鮮が無謀を繰り返す。その都度、言われるのが制裁の強化である。制裁の強化が行われ少しでも、北朝鮮が態度を改めたかといえば、まるでその様子はない。むしろ、よりかたくなになり、より過激な冒険主義に向うだけの結果だ。この独裁者国家が原爆という、巨大な暴力を武器に、何をしようというのだろうか。

一番困っているだろう国家は、韓国であろう。そしてついで中国である。国境線を接している隣国が、巨大な暴力を持って、脅迫的国家運営をしようとしている。こうした野蛮が許される、国際社会であってはならないわけだが、それを抑止する方法がない。その不安を増したはずの、中・ロが強い制裁措置は避けた方が良いと考えている。国連の安全保障委員会での制裁決議は行うべきだが、外交努力が続けられる環境は残すべきだと言う事のようだ。中国は面子を失っている。ロシアは外交距離が遠ざかっている。アメリカ、日本が強い制裁決議を求めるから、仕方なく一定は譲歩する。あくまで、友好国である態度は残す。友好国であることで、安全保障を保とうという戦略。自殺したノ・ムヒョン大統領も太陽政策の失敗を、どう考えていたのだろうか。イ・ミョンバク大統領は日本以上に強硬な、北朝鮮戦略に転換し始めている。関係5カ国の対応も、それぞれの事情で隔たりが見える。

出来ないことを主張しても、始まらない。制裁強化がどれほどの意味があるのか、充分分析をすべきだろう。中国・ロシアの本音と、充分調整し、連携のとれた対応でなければ、制裁など気分的なものに終わる。中国・ロシアは日本以上に困っているはずである。困っているからこそ、降ろせない手は上げない。日・韓・米は強い国連決議というものに向いている。どんな効果があるのか。これも良く考えてみなければならない。現状、北朝鮮に対する国連からの警告は、効果を見せない。議長声明自体を謝罪しろという論理は、どこから来ているのだろうか。次は脱退すると言う事になるだろう。困った国に成ることで、存在を示そうという戦略。経済封鎖の結果、原爆の輸出という可能性もある。イラクに渡る。アルカイダにわたる。世界の崩壊に成りかねない。

日本に出来ることは、中国、ロシアとの調整ではないか。国連において、日本自らが強硬な制裁決議文を、作って提案する。そして、中国、ロシアを説得する。こうした構図は、何かをしているようで、勇ましいが、少しも状況を改善することにはならない。制裁強化は日本国内向けの、ガス抜き効果程度の事だ。次に主張されるのが、ミサイル防衛システムの強化であろう。しかし、前回のロケット騒動の時に充分分かったように、ミサイル防衛など不可能な戦略である。もし狂気の沙汰で、日本に原爆を打ち込む気に成れば、防衛など不可能である。それなら、日本も核武装して、いつでも打ち込めるようにする。あるいは先制攻撃で、北朝鮮を滅亡させてしまう。こうした発想が無意味であることは、イラクで充分に分かったはずだ。世界中から、核爆弾を廃止する。日本がアメリカ・中国・ロシアに対し核爆弾廃止を主張する。

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