笹村 出 プロフィール

平成の終わりに、石垣島に引っ越しをした。小田原との2地域居住である。年の3分の1ぐらいが小田原で、3分の2が石垣島である。小田原にいるときは農業をしている。石垣に来ると絵を描いている。昭和の終わりに山北に引っ越し自給生活を始めたので、なんだか引っ越しの区切りがわかりやすい。今の暮らしは石垣の中心市街地の住宅地である。アトリエだけの家だ。歳をとっても暮らせるような場所に引っ越した。2地域居住があと5年できればと今は思っている。

「小さな田んぼのイネ作り」という本を農文教から最近出版した。私がイネ作りで知ったことをすべて書いた。(この後は前に書いた自己紹介だが、そのままに残しておく。)

小田原の箱根山麓の久野の、一番上の方の集落「舟原」という所に暮らしている。笹村農鶏園という自給農業を試行している。1町歩くらいの田畑を管理している。一人でやるというだけでなく、『あしがら農の会』という仲間で、協働でやっている所もある。田んぼをはじめとする農業全般が好きである。特に鶏が好きで、小さな子供の頃から鶏を飼っていた。犬好きでもあり、猫好きで、金魚もだいぶ飼った。その上植物も好きであり、原種の洋らん特にパフィオぺデュラムが好きだ。生き物が好きではあるが、知識が深い訳ではない。ただその周辺にいれば嬉しいという程度のものだ。鶏については、長年養鶏をやっていていてそのことをまとめた、「発酵利用の自然養鶏」という本を農文協から出させてもらっている。鶏の飼い方を書いたものは少ないので、飼育法として有効なものだと思う。好きなことばかりやっているのだが、絵を描くという事は、ほかのこととは自分の中では少し違う。何としてももう少しやりたいと思っている。

生まれたのは山梨県東八代郡境川村藤垈の向昌院である。1949年夏、曹洞宗のお寺の味噌蔵の上の、中二階に生まれた。その後東京で育ったが、藤垈の自然の中に、何度も戻っては暮らした。多分その体験が自分という人間を作ったと考えている。修業は全く足りないが、、寺院と関係していない僧侶である。僧名は笹村出雲(すいうん)という。1986年山北の山の中へ通いの開墾生活を始める。大島の噴火が見えた。最初はアトリエを作ろうということで1988年に移住した。興味半分でシャベル1本で自給生活に挑戦する。案外と簡単に達成出来る。はじめて安心して暮らせるようになる。自給農業をまとめてみようという気持ちになる。その過程を書きとめておこうということが、このブログの直接の意図である。自給農業で安心できれば、平和な国が出来ると考えている。自給農作業を毎日最後に記録している。この5年間の平均の年間作業時間が300時間程度である。

平和への道として、段ボールコンポストの普及に力を入れている。イラク派兵を反対することをきっかけに、「ピースカフェ―」という小さな通信を作っていた。参加者のブログの輪を作ろうということになり、設定までしてくれて始めた。今でも分からないときは教えてもらっている状態である。始めてみると、この公開日記という形が、自分には合っていたようである。ともかく毎日継続している。平和への道は安心して自給で暮らす事だと思う。その具体的なきっかけを作るのは、段ボールコンポストを始めてみることだと思っている。循環というものが、言葉ではなく体感できる。もう自給生活で25年が経過した。「100坪の土地で、1日1時間働けば、食の自給はできる。」この事をもっと楽に出来ないか、日々の工夫を楽しんでいる。自給体験をしてみたい人は、手作りした小屋があるので、そこに泊り体験も受け入れている。

 

あしがら農の会の仲間
水彩人 同人:事務所
出版物
発酵利用の自然養鶏」笹村出(著) 農山漁村文化協会(出版)
ニワトリとともに―自然養鶏家 笹村出 (農家になろう)」農山漁村文化協会(編集出版)
「小さな田んぼのイネ作り」笹村出著 農村漁村文化協会(出版)