314 水彩画 日曜展示
314 水彩画 日曜展示
720「海の話」
2025.8 中判全紙
721「海の話」
2025.8 中判全紙
722「海の話」
2025.8 中判全紙
立秋の日が過ぎて、風が秋になっている。実に心地よい。風が絵を通り抜けていく。行き詰まっていた海の絵がまた動き出している。秋の匂いに押されたのだ。明るい悲しみのような物が、絵に来る。情緒的な物では無い。夏の強い日差しがあまりに強すぎるせいだ。
海の色は刻々変わって行く。記憶の海。見ている海。本当のところ海を描いていると言うことでなくてもいい。ただ何を描いても海になる。あれほど恐ろしくて絵を描くどころでは無かった海が今は現われてくる。これは空だと言ってもみても良いのだが、やはり海だ。
いつも、緑の海と言うことは頭にある。草の海である。海というのはただ広がっているという形容詞だ。青色の感情でもかまわない。ただ、海があまりに自由なのだ。何を描いても良いと言ってくれている。具象でありながら抽象である。こう言う物を与えてくれたのは石垣の海である。