2027年の希望と絶望
2025/12/29

世の中が明らかに悪い方向に進んでいる。来年は今年より悪くなる覚悟をするほかない。世界が19世紀に戻ってしまった。民主主義が希望だった時代が終わったと言うことなのだと思う。世界は少しづつだが、良くなって行くと思って生きてきた。
所が、そうではないと言うことが決定的になった。2025年だった。世界が逆行し始める2025年だった。そんな傍観者的な言い方しか出来ない自分が情けないが、日本の停滞の30年が直接の原因なのだろう。そこへ、世界で起きている様々な流れが、急流となって日本を巻き込み始めた。
高市総理大臣の登場で、ひどいことになるとは思ったが、それ以上に恐怖を感じるのは、高市氏を支持する若い人たちが75%も存在すると言うことにある。高市氏の根にあるものは武力主義である。力で、戦争で世界の紛争が解決できると考えて居る人だ。
若い人たちもきっとそういう考えの人が多いのだろう。戦争で解決できるものなど一つもない。その事実は世界の歴史が証明していると、私は認識して生きてきた。ベトナム戦争。ユーゴスラビア内戦。アフガン戦争。イラク戦争。パレスチナ戦争。どの戦争も問題の解決に成っているものはない。
戦争は次の争いの原因を作るばかりである。にもかかわらず。武力に依存しようというのが世界の流れになっている。だから日本もその流れに遅れてはならないと、原爆の保持まで主張する内閣が支持されている。武力には武力で対決しなければならないと言うことなのだろう。
戦争にはもう懲りたはずなのに、そして平和憲法を世界の唯一の希望として掲げたにもかかわらず、平和の旗を降ろそうとしている日本だ。何故、戦争などしたのか、何故戦前の人たちが、戦争に反対しなかったのか。そう考えていたが、まさに今が、戦争に反対しなければならないときなのだろう。
なるほど戦争反対が難しいと言うことを感じる。反対したところでどうにもならないという、諦めの気持ちで押しつぶされる。特に戦争にかり出される若い人とたちが、戦争をしたいという気持ちにされてしまっている。もうどうにもならないという気になる。
たぶん若い人たちは、まだ戦争が他人事なのだろう。しかし、高市氏を支持すると言うことは、戦争に行くと言うことだと、分かっているのだろうか。たぶん分かっていて支持しているように見えるから怖い。人殺しをすることを受け入れている若い人たちの状況の恐ろしさ。
人間の愚かしさと言いきれない怒りの底流を感じる。その怒りが中国に簡単に向けられた。怒りのエネルギーは渦巻いていた。その原因は希望がないと言うことにあるのだろうか。その社会の不満が、中国に方向付けられた。日本の社会はこんなにも単純なものだとあきれ果てる。
日本の社会が階級社会になったことは、日本人の責任である。悪いのは日本人だ。日本の社会を組み直すしかないはずだ。中国を仮想敵国にして怒りの矛先を向けたところで、何も解決など出来るはずもない。階級社会は能力主義、拝金主義が、生み出したものだ。
日本は戦後80年民主主義国家としてやってきたはずだ。自由に考え、自由に学んできたはずだった。平和教育も行われてきたはずだ。ところが、これほど単純に誘導されてしまう日本人になっていた。日本の平和主義が少しも学ばれていなかったと言うことが分かる。
戦後80年の民主主義の失敗をどう考えたら良いのだろうか。人間の度しがたい愚かさなのだろうか。80年前敗戦した戦争で、1000万人の人を殺してしまった日本人。何の反省もなく、また戦争に期待をしてしまう愚かさをどう考えれば良いのだろうか。
高市政権と戦争が結びついていないのであれば、まだ良いのだが。トランプ政権の独善主義を受け入れたアメリカ人を何という愚かなことかと思っていたわけだが、日本人がさらに愚かな人間であると、今思い知らされている。
トランプ批判は天に吐いたつばだった。日本人の視野の狭さは信じがたいほどである。日本を平和な豊かな国にするためには、敵を作ることは何の意味もない。何故、台湾併合の戦争が、日本の安全保障になるのかの意味が分からない。
武力で台湾が併合されることは、最低の中国の行為だと思う。しかし、それと日本の安全保障とは別問題である。中国がどれほど武力主義の国になろうとも、日本が軍事力を使用し、その戦争に巻き込まれる存立危機状況とは言うことは出来ない。
日本が攻撃を受けるときには確かに存立危機状況である。ウクライナにロシアが侵攻しても、日本の存立危機とは言わない。近いからと言って、台湾も同じことである。韓国の大統領であればそんな発言はしない。何故高市氏がそんな発言をしてしまったかを考えるべきだ。
トランプに言われて発言したことだ。欺されたのだ。日本と中国がもめれば、アメリカは関税戦争で中国に勝てると考えたのだ。高市氏は以前から軍国主義者である。極右的は発言をして、自民党指示の岩盤層を取り戻そうとしているのだ。
中国との対立が深まれば、トランプが要求する日本の軍事予算倍増も国民が受け入れるという戦略である。まさかこんな単純に日本国民が誘導されるとは思わなかった。キューピー人形である。押されたならば、ピーピー鳴いている。
軍事予算で日本経済はますます借金まみれになり、苦しくなる。経済が苦しくなればなるほど、戦争への道が近づいて行く。戦争に向かって行く時代に、何をすれば良いのか。正直有効な方法は見えない。私としては、のぼたん農園をやるほかないと思っている。
それがどの程度有効なことなのかはわからない。しかし、他にやれることも思いつかない。自給生活の確立である。人間が一日1時間働けば、食糧自給は可能だと言うことを、実践して行きたいと思う。微かな希望であるが、私にはこれしか出来ることもない。
大きな日本の社会に起きている戦争への流れに対して、無力だとは思うが、私の平和活動は「のぼたん農園」の活動を継続する以外にやれることはない。それが大した力になるとは思えないが、自分に対する戒めのようなものだ。
平和への努力を捨ててはならないという気持ちだ。人間は自分の力で生きて行くことが出来る。人から何も奪わなくとも、自分なりの豊かさの中で生きて行けると言うことを伝えたい。昨日は下の溜め池に熱帯水連を入れた。春になれば花開いてくれることだろう。
自給農園は仲間達の共働でどこよりも豊かな、世界を見ることが出来るはずだ。豊かな暮らしを知ることが出来れば、人との競走の中で生きることの、むなしさを感じるはずである。余りに無力な活動ではあるが、自分にはこれ以外の平和活動が思いつかない。
昨日48人目の仲間が加わった。1人に伝えることに全力でありたい。人と平和な暮らしをわかり合うことは難しいことであるが、のぼたん農園の農作業の実践をとおして、人と競争しないでも良い。自分なりの歩みで良い。そして共働の大切さを知ることになる。
昨日はジャガイモとネギの苗を植えた。いつもは小田原でやっていたことだ。今年は石垣で試してみる。3人でやった。1人ではやれないことも、みんなでやれば何とか出来る。助けて貰いながら、また助けながら、平和の道を学んで行きたいと思う。