石垣島五穀栽培

ハダカムギ 種が鳥に食べられないようにネットを架けていた頃の写真。今は外している。堆肥を追肥して土寄せする予定でいる。初めてのことで、この時期に蒔くのが良いのかどうかも分かってはいない。ともかくやってみて結果を見なければ次のことは考えられない。
のぼたん農園では五穀栽培を始めた。その理由は昨年の夏の干ばつである。秋に収穫予定だったひこばえが水不足で不稔になった。かなり良い生育だったにもかかわらず、残念な結果だった。なるほどほど水不足でお米が採れない年が八重山ではあると言うことが分かった。
もしこれが、100年前のことであれば、お米を食べることが出来ず、五穀を食べてしのいだと言うことが分かった。八重山では五穀にクバが入っている。クバをどのようにして食べたかは分からないが、クバまで食べなければならない時代があった。と言うことだけは身に染みて理解した。
2月10日に種まきをした。種を蒔いてから4週間が過ぎている。ハダカムギは1週間目に芽が出た。タカキビはでているのかでていないのか判らない状態。トウモロコシはよく発芽してくれた。もちきびは4週目になって発芽してきたようだ。そのほか、あわ、ヒエも発芽していないように見える。
食糧自給は命がけのものである。今であってもその覚悟だけは持って取り組んで行きたいと思っている。確かに多くの人に、食糧自給は片手間のことである。収入にならないのだから、当然だと思うが、取り組む気持ちだけは本気でありたい。
自給農業を目指す以上、どこまでものぼたん農園で自給を確立しなければならない。自給農業を遊び半分では主張できない。のぼたん農園で出来たものだけで、食糧自給を出来なければならない。その真剣さがあって始めて自給農業を主張できる。そこで五穀栽培に取り組むことにした。
五穀栽培は前から取り組むべきだという意見はあった。確かにその通りだと思っていた。本島に沖縄雑穀生産組合まで作り、奔走されている中曽根直子さんという方がおられることもよく知っている。やりたいけれど、収穫後の処理が無理だと考えてきた。今もそう考えている。
実際にはのぼたん農園の参加者の多くは、自給に対してそんな深刻な気持ちはないと思う。食料はいくらでも売られている。世界から送られてきている。食べるものを自給しなければならないという考え方は、面白半分くらいにしか受け止められていない。しかし私は本気で食糧自給を考えている。
それは、38年前自給自足の生活に挑戦して以来のことだ。あのとき人間として自立できた。絵が売れないとしても、絵を描いて生きても良いのだと心の確立できた。絵を描くという意味が自分が生きるという意味とつながった。それから自給で生きてきた。それだけ自給農業は真剣なものだと考えて居る。
お米は何とか自分が食べる分は作れている。だから、五穀まで実際には作る必要はない。しかし、石垣島で暮らす以上、かつて五穀を栽培した意味を、実際に作ることで確認したいと考えるようになった。農業は頭でやるものではない。実際に作ってみなければ何も分からない。
実践があって、農業の意味を知ることが出来る。草を取らない農業。耕さない農業。無肥料無農薬。何でも良いが実際に収穫して、自給できてから主張して下さい。と言いたい。ネット情報だけで面白おかしくやる人間とは、一線を引きたいと考えて居る。
五穀栽培はハダカムギ、小麦、もちきび、たかきび、トウモロコシ、あわ、ヒエを、作っている。里芋や田いも、タロイモなどは作っている。カボチャも蒔いてみようかと考えて居る。五穀という枠を広く考えて、干ばつでお米が採れないときに、代替になる作物と考えて居る。
そうした意味ではサツマイモが一番だと思うが、イノシシが来るので作ることが出来ない。のぼたん農園は周りを柵で取り囲んでいるので、一応は入れないはずなのだが、サツマイモの匂いに、イノシシは敏感で、わずかの隙間でも入り込んでくる。
里芋系はそれなりに旨く作れる。田んぼの脇の畑は里芋を作るにはもってこいだ。6番田んぼは水が不確かなので、タイモを作っているが、時々水が涸れてもタイモなら大丈夫だ。タロイモも同じように出来そうだ。里芋系のものはいろいろの呼び名はあるが、里芋の中で、水が好きなものとそれほどでもないものがあるという違いくらいのようだ。
先日、かよさんが台湾山芋を持ってきてくれた。なかなか美味しいものだった。今度作るつもりだ。ムカゴから作るというので、今ムカゴから芽出しをしてくれている。山芋は美味しいものだから、今度上の畑に作りたいと思う。これも五穀に入れても良いだろう。
五穀で最初に発芽したのが、ハダカムギである。小麦と同じように発芽した。見たところ小麦よりも分ゲツが多く広がって出てきている。大麦の一種だから、旺盛な生育に見える。問題は穂が出てから鳥にやられるだろうから。ネットかけなど、どうすれば良いか検討しなければならない。
とおもろこしも、今の所良く出来ている。発芽は完全であった。2粒蒔きで、一本にしているところだ。草取りなど堀口さんが丁寧にやってくれているので、かなり好調な出だしである。ただし、この後虫が来そうで怖い。風邪に倒されるのではないかとヒヤヒヤしている。
いただいた種は保存に問題があることがあった気がしている。また、東北地方で作られた種を、石垣島で播種しても上手く行かないと言うこともあるかも知れない。今回蒔いて作りやすかったものをやれば良いかと思っている。トウモロコシと、ハダカムギと言うことになりそうだ。
トウモロコシの畑には風よけを立てたいと思う。そしてトンネルのネットを外せば良いかと考えて居る。トンネルを今日外してから、追肥をして、土寄せをしたい。今日よみがえり堆肥が来ることになっているのでちょうど良い。下の畑のそばに堆肥を置いて貰おう。
ハダカムギも堆肥を追肥に入れて、土寄せをしたいと思う。小麦は2反ぐらい蒔いてあるから、これも堆肥を入れて土寄せをしたい。全部は出来ないかも知れないが、出来る範囲で進めたいと思う。小麦は収穫までは無理だと考えて居る。緑肥でも仕方がないという気持ちだ。前回は鳥がすべてを食べてしまった。
上手く生育したところだけでも、ネットを架けて収穫まで持って行けるかと考えて居る。ハダカムギも鳥に食べられることは同じことになりそうだが、穂が出てからネットを張りたいと考えている。ハダカムギだけは収穫まで持ち込みたい。
ハダカムギは製粉しないでも使えるので、利用法が広い。まず麦茶は夏の長い石垣島では最善の飲み物ではないか。まとめてカマドで炒ってしまえば、一夏使える。と言うか、半年もある長い夏を麦茶で乗り越える。もちろんそのままごはんに混ぜて炊いて食べるのも良い。
小麦よりも利用方法が広い。ハダカムギは簡単に脱穀が出来る。脱穀してそのまま使えるという所が小麦より使いやすい。問題は石垣島で赤カビ病が出るかどうかである。赤カビ病は穂が変色するので分かる。変色した穂を取り除く必要がある。今年は穂の観察を十分にしたいと思う。
五穀栽培は収穫時の鳥の食害と収穫してどのように使えるところまで整えることが出来るかにかかっている。今年はそのあたりを考えて行きたい。八重山農林高校でも五穀栽培をしているので、そのあたりをどのように解決しているのかを、教えていただきたいと考えて居る。