オバマ大統領就任
オバマ大統領はアメリカの衰退を見届ける大統領になるだろう。そのことはアメリカの不幸かもしれないが、世界には良いことになる可能性は、わずかにある。ともかく、お金がなくなれば戦争は出来ない。ヨーロッパ各国はアフガニスタンから撤退する可能性が出てきた。アメリカと日本でアフガニスタンの(占領でなく?)平和維持活動を継続は出来ない。タリバンの支配になろうが、ビルラディンが大手を振って闊歩しようが、どうにも手が打てない状況が待っている。こう言う事をどう考えるかだろう。オバマ氏の就任騒ぎを日本のメディアまで大喜びで伝えている。ライブ中継までする放送局もある。麻生氏に期待してもだめだから、せめてオバマ氏に期待したいということか。北朝鮮は原爆については、世界が廃棄するのに併せて廃棄したいので、核保有国間で廃棄を協議をしたいと主張している。是非ともそうしてほしいものだ。
イスラエルはオバマの就任に合わせるようにガザの戦闘を中止した。そうする必要がイスラエルにあったとすると、オバマ政権はどんな約束をイスラエルと交わしたのだろうか。今後もイスラエルを引き続き支援すると言う事と思われる。中東からのアメリカ引き上げを阻止するガザ侵攻ではないかとは、開戦の時から想像していた。幸いだったのは、ハマスの誘導にシリアやイランやエジプトのイスラム原理主義グループが、参戦しなかったことだ。これは本当に良かった。そうなれば、原爆の投下まで可能性はあった。今回の戦闘を見ると、残念ながら、現実の国際情勢では原爆の所有が抑止力になっていることを認めざる得ない。北朝鮮は既に核弾頭を所有していることを、状況証拠として見せた上で、施設の一部廃棄を見せた。ウランの売却などは協議に乗る。しかし、原爆は放棄しない。
世界経済は変化をする。世界が環境重視の産業に転換することを目指し始めた。しかし、それは拡大再生産ではなく、縮小経済の流れを作ると言う事を意味する。一部の肥大化したような世界の経済が、一定のレベルまで縮小し、世界人口も激減し、収まる所に収まる以外、人類の不時着は出来ない。グリーンニューディールとはそう言う事ではないだろうか。それは人間にとって不幸なことではなく、まともな生き方に人間が立ち戻る道のはずだ。競争を止めて、それぞれの充実に向かう。この世界の変革に対し、経済のバブル再生可能としか、考えられないのは、オバマにしても本質は同じことだ。それはグローバリズムという、強者のみ豊かさを享受する結果になる。どんなにきれいごとを主張しようと、アメリカという強者が、有利になる結論が待っている。
イスラエル人はナチに虐殺された不幸な民から、パレスチナ人を虐殺するナチ同等の暴虐の民になってしまった。ガザは強制収容所だ。ホロコーストが続く。人間はこれほど学習することの出来ないものであるのか。絶望的になる。国家の大儀の前に国民の命は、何の価値も意味も持てない。こうした不幸から、脱却するには、一国自立主義しかない。経済を縮小させ、各国が自国の領土の中で自立する経済を目指すことだ。たぶんその選択を、人間は自分達の意思では出来なくなっている。キューバや北朝鮮が、やむなく選択した道である。日本ができることも少ないが、先ず食糧の自給からだろう。貧しくなる道程は苦しいが、平等であれば、不幸にはならない。