小田原市・予算委員会の傍聴
7日10時より小田原市議会の予算委員会の2日目を傍聴した。午前中に帰るつもりだったが、午後も引き続いて、夫婦二人で見せていただいた。城下町ホールについて審議されるということだった。傍聴者は12名だった。いかにも建設会社の社員と思しき人が2名いた。この2名は窓側の後ろの隅に陣取り、予算案の一部を必死にノートにうつしている。どうも建設工事の入札に関係する人間で、工事予定箇所を書き写しているようだ。予算委員は14名。正面に小松市議が議長をしている。その左右に市会議員が並んで座っている。対する傍聴席の前3列ほどに市の市橋助役を始め部課長がずらっと座っていた。こちらも見覚えがある人がいた。
素通りで進められるのかと心配していたが、城下町ホールの予算案については、集中審議と言う事で、充分時間はとられた。田中利恵子氏が最初の質問者だった。次が木村信市氏、杉山三郎氏、関野隆司氏、今村洋一氏、細田常夫氏、谷神久雄氏、大野眞一氏、と順番に発言があった。発言内容は充実していた。青木、加藤、中野、小林、の各氏は発言しなかった。総務何とか委員会で充分審議してきたと言う事らしいのだが、充分審議していながら、これほど問題点を見落とすはずが無い。質問内容は的確ではあったが、ここまできて変更は無い。だから充分説明をしろ。こんな感じだった。
行政側の回答は、あくまで、この反対運動は誤解に基づいているというのだ。間違った情報を流すから、市民が皆誤解してしまった、3万2000の反対署名は誤解に基づいているので評価に値しない。行政も新聞広告を出して、誤解を解きたいとまで発言し、さかんに悔しがっていた。何度もやったくせに田舎芝居だ。明らかに虚偽の発言だ。私は市民課に直接ギャラリーについて聞きに行ったが、現在実施設計が進められている状況で、何も説明できないの繰り返しだった。更に、城下町ホール・ワークショップでは、行政を招待して、説明の機会を2度設けたが、2度とも出席を拒否した。説明する気などそもそもなかったのだ。説明責任を果たしていないと言う事については、もう変更できないのだから説明したとこで仕方が無い。と言う事のようだ。説明すればするほど、問題化してしまうという不安から、説明も出来なかった。
行政の伝統的な手法があり、市民への合意というものは、市議会でとれば良いという意識なのだろう。市議会を丸め込んだのだから、もういいじゃないか。市会議員の皆さんの格好が付かないのは困ったが。実は大切なところが抜け落ちていたのだ。問題は、基本計画に基づいた、基本設計になっているかどうか。行政はなっていると言い切る。これは両方を読めば誰にでも分かる事だ。明らかに基本計画を無視した設計だ。そもそも、設計者の山本理顕氏はこのコンペに応募するに当たり、基本計画の問題点を指摘し、音楽ホールでは利用されないから、イベントホールにして利用度の高い自分の設計思想で進めたい、と書いているのだ。これほど明確に基本計画を無視したと明言している。これで基本計画に基づいたと言うなら、どんな基本計画でもよかった。こんな単純な事に市議会は気付かなかった。
こうしたした審議会の意見など無視するのが、小田原市行政の手法なのだ。市民には色々好きな事を言わせておけ。後で自分たちがやりよいように勝手に進めるのだから、別段構わない。これが誤解だというなら、現に今やっているゴミの広域処理計画の進め方を確認して欲しい。久野には現在焼却場がある。そのため住民の大きな関心事だ。星野連合自治会長を始め久野の環境を考える会で、環境課広域ごみ処理担当を4月に訪ねた。11月には回答を出すと言いながら、一切を市民に伝えない事に決めたので、回答はしないという一方的な通告で終わっている。審議会を作れという要求も、審議会は作らないと言い切る。やるのは行政の勝手だという、市民不在の方法論が小田原市の行政手法に根付いている。どうせ、市民などは身勝手なエゴを言い立てるだけだ。100億近いお金がかかるかもしれない。これに対して、審議会すら作らないとは驚く。所がこの問題に行動している市会議員は今のところいない。市会議員も問題意識に欠けているのだ。