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笹村 出-自給農業の記録-

石垣島の稲の苗代

   

二回目の苗代である。一番手前にプリンセスサリーがあり、順調に育っている。一番奥に「金のいぶき」が育っている。これは玄米から渡部さんが作っているものだ。1日だけ水道水に浸種して蒔いたそうだ。カビも生えたのだが、70%位が苗になっている。玄米の苗は初めての経験でびっくりした。

今年は4カ所で苗作りをすることになった。やっと石垣島での苗作りが確立できたと思っている。今回最初の苗代は2番田んぼではば1m幅で30mのもので行った。この苗代作りは自分の田んぼの苗作りでもあるので、自分のやり方で行った。12月始めに苗代作りをした。

2番目は1番田んぼで2月初めに圷さんが作った。3番目の苗代は少し遅れて渡部さんが4番田んぼで作った。苗代作りはそれぞれが行い。私は自分の苗作りを最初に行ったことになる。最後の苗代作りは3月に行うことになる。これは3番田んぼで堀口さんが行う。4回に分かれている。何時が適期なのかが分かる。

私が作った2番田んぼの苗代がまずまず納得行く苗なので、3回目での成功が繰り返されたので、4回目で完成したことになる。良く出来たという意味は、5週育苗で、5.5葉期で2分ゲツしている苗が出来たと言うことである。根元が太く、固い苗。苗代全体が、揃って成育していることである。

苗作りが稲作りで一番重要な技術だと考えて居る。少しやわらかい苗であったが、まずまず上手くいったので。もう一度整理して書き留めておく。固い苗になるためには、12月は種では少し日照が不足すると言うことかも知れない。最低気温は14度でこの点では問題がなかったはずだ。水温は18度以上だった。

12月初め苗代の2番田んぼには水が少ない状態だったが、通年通水でかなりぬかるんでいる状態。浅く水がある部分もあった。苗代予定地によみがえり堆肥を15キロほど入れた。適正量についてはまだ把握できない。だんだん減らしてきている。

そして、粗起こしというか、半分代掻きのような状態で10㎝ほどの深さでトラックターで細かく耕した。そして水尻を上げて湿潤土壌にした。1週間後に苗代部分を田面よりも5㎝高くして、田んぼに水を増やして、苗代の高さでひたひた水にして、2回目の代掻きをした。

そのまま1週間水没状態で置いた。種まきの当日の朝、水位を下げて、3回目の代掻きをトラックターでできる限り水平に代掻きをした。つまり3回深く細かく丁寧に耕したことになる。苗代はこのくらい土を練っても大丈夫なようだ。トラックターの水平が良くないので、余り綺麗に出来たわけではない。

その代掻きで苗代は少し崩れた。それで再度トンボで丁寧に、水位に併せて、ギリギリ水が来るように均した。表面はコテで均したように平らにした。水たまりはどこにも出来ないようにわずかな山形にした。柔らかな深い代掻き土壌が完成した。

この柔らかな土壌とは、種を蒔いて種が半分沈むくらいの微妙な柔らかさである。それくらい柔らかな代掻きから時間の経過していない土壌で蒔くと、土をかぶせないでもいい。苗代が出来たならば、すぐには種に入る。1m毎にダンポールを置いておき播種面積の印にする。後で防風ネットでトンネルを作る時に使う。1m間隔に70グラムの種籾を蒔いた。

種まきは70グラムずつに分けておき、浸種しておいた種籾を、早朝から新聞紙に広げて半乾きにしてから、牛乳パックを切り開いた箱に入れて置いた。1人1人に1m区画に撒いて貰った。濡れたままだと固まって種籾が落ちてしまう。

種籾を海水選した結果そのくらいになったかと思う。つまり、1㎡70グラム蒔きで2,1キロの種籾を蒔いたことになる。2,1キロで1反2セの田んぼの苗である。十分な量の苗が出来た。基本は2本植えで行った。補植が終わりかなりの苗が余った。余るぐらいないとやはり不安だ。

出来た苗の「ひこまる」は7畝に2本植えで植えて、1キロの種籾を海水選した物でちょうど良かった。補植用の苗はかなり余った。良い苗だったので、1本植えの方が良いのだが、1本植えだと強い風で干からびてしまう率が高い。2本植えでも補植はかなり必要になる。

水の管理は、かなりこまめに行った。発芽してきたらひたひた水にした。成長に合わせて水位を上げた。最終的には2~3㎝ぐらいの水位だった。このくらいでも水があると雑草は生えにくい。苗取りの時にも雑草はほぼなかった。苗取りの時にも苗代の土は軟らかく、簡単に苗取りができた。

1番田んぼでの苗作りは、私がやったのではないので、正確には分からない。肥料は入れない。水から4㎝高くして苗代は作った。黒紫米を蒔いた。2mほどの苗代である。高い苗代では水が足りなくて困るだろうと思ったが、雨が何度も降ったので救われたと思う。

しかし、水がかぶらない苗代の上に、土は盛り上げただけだから、雑草が稲と一緒にでている。その結果3葉期の葉から緑が薄くなっている。黄色の苗である。黄色の苗が良いという人も居るから、(私はそうは思わないが)特に何も言わないが、肥料がなければ3葉期以上の苗は出来ないと思う。

これ以上置いておくと弱りそうなので、今月中には植えた方が良いのではないかとだけ話した。毎年こんな状態なのだが、私が苗代を作る時に見れば良いのにと思うが、仕方がない。この苗がどうなるのかと言うことを、見せて貰っている。重要な比較対象になっている。

4番田んぼの苗代は、苗代作りの時に代掻きがもう一つうまく行かなかった。そこでトンボでかなりの土を運んで苗代を作った。苗代自体はとても綺麗に出来た。そのトンボで表土を運んだと言うことで、雑草がずいぶんと生えることになった。

もう少し水位を高くしておけば良かったかと思うが、水管理の都合もあり、どうしても水位が低くなっていた気がする。水が少ししか来ないのだから、もう少し低い苗代にして、水位を上げやすくしておけば良かったのだろう。堆肥は入れたので、苗の生長も悪くないし、色もちょうど良く成長している。

この4番田んぼの苗代で驚いたのは、玄米で播種したことだ。そして50%位の発芽があって、良い苗が出来た。「金のいぶき」である。玄米の播種は初めての体験でびっくりした。種玄米は一日水道水につけて、播種したそうだ。玄米でこれほど発芽が良いなら、種籾の入手は簡単である。

玄米も種籾も同じ日に蒔いたのだが、玄米の部分はドス赤いカビが一面に広がった。その中から玄米が発芽した。赤カビにやられてしまうのではないかと心配したが、問題はなかった。発芽した玄米は他の種籾と変わらず、普通に生育している。

玄米の「金のいぶき」を箱苗で試したものもあるが、そちらも良く発芽して成長している。1畝分くらいの苗が出来たと思う。金のいぶきが石垣島で栽培できるのかどうか。とても楽しみにしている。確か宮城野お米だから、ミルキーサマーと同じで美味しいけれど作りにくいはずだ。

最後の苗代はこれからだ。「あきまさり」が来てからの話だ。3月の播種になりそうだ。それはそれで試験栽培で栽培時期をずらしてみると言うことになる。また台風などの危険分散という意味で良いかもしれない。そう考えて焦らず待つしかない。

苗代はなかなか難しい。土壌の違いも大きく影響するようだ。肥料の量も適正量がなかなか見えなかった。大きな苗だと、風にやられる。しかし、小さな苗だとジャンボタニシに食べられる。やはり、5週育苗5.5葉期2分ゲツの苗が一番良いと思う。

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