インフルエンザその4

   

木村盛世、医師/厚生労働医系技官が厚生省の水際防止対策を、全く無駄なことだと書いている。なるほどと言う事もある。「検疫で一人も国に入れない!」と狂気のさたで騒いでいる厚労省です。このスローガンは「日本に1人でもカゼの患者が出たら日本は玉砕する」と言っているくらい愚かなのです。「新型インフルエンザもインフルエンザ(流行性感冒)なのだから、日本に入ったら必ず広がる」ということと「日本に入るのは時間の問題」ということを理解することです。霞が関はもはや何かの宗教団体かあるいは新種のウイルスに脳を冒されたとしか考えられません。こう書いている。この書き方からしても、何となく人柄は推測できるが、現役の厚生省の役人がこう言う事を書くのだから、意味は深い。

しかし、水際での防止努力は、無駄だとは思わない。最大限ここで止めようとするのは当然の事だ。厚生省の対応は正しかった。当初は、メキシコでの多数の死者が誤報で出ていた。この数からすると、強毒化したウイルスの可能性もあった。もしこれが、強毒のウイルスであったら、既に1000人以上が死んでいることになる。この場合メキシコの封鎖と言う事すらありうる。問題は、その可能性が出てきていることだ。それは既に、インドネシアからヨーロッパまで、強毒化インフルエンザ・ウイルスが豚の20%に発見され始めたと言う事である。これは、人間への感染もそう遠くないという事になる。(この情報は、正確かどうかは不明。しかしあり得る事である。)もしワクチンの開発をするなら、こちらの方を優先しなければならない。今回のメキシコ風邪とでもよばれるウイルスは、今後人人感染の中で、強毒化するかどうかが焦点となる。このメカニズムも解明されていない。また、強毒、弱毒の意味する所は性格の違いにすぎない。

スペイン風邪のウイルスというのは、アラスカの墓地の死者から、確定されたと言う。現在、潜在的に存在するわけではない。このウイルスも蔓延はしたが、消えていった。では何故、香港風邪とか、ロシア型など淘汰されないウイルスがいるのだろうか。性格が違うのだろう。まだ分からない事がいくらでもある。今回のウイルスでは60歳以上の感染者がいない。これは、鳥インフルエンザの人感染でも、同じことが言える。これを、学者は免疫があるのではないかと推測しているが、人間の免疫システムの方がまだ解明されていないから、わかっている範囲で推測しているだけである。交差免疫、と言う考え方でも収まらない。例えば、風邪を引いて出来た免疫と、ワクチンでの免疫では、その効果の持続性が違う。もし、風邪を引いた免疫が続いていると言うなら、その免疫力は40年以上と言う事になる。ワクチンは毎年打たないと効果がない。自然免疫の優れた能力を見直す必要がある。私の提案する自然養鶏はその考えに基づいている。自然獲得免疫は、始めて遭遇するウイルスにも、有効な場合がある。

今回は次に来る強毒インフルエンザの予行演習である。木村氏の言われる、「風邪だから水際では止まらない。」つまり「潜伏期間に帰国して、発病が1週間後となる。その間にウイルスを蔓延させている可能性が高い。だから、もう国内に入っているとして、対応すべきだ。」としている。確かに、その可能性もある。しかし発病して帰国して来る患者の可能性がある。発病してからの二次感染と、潜伏期間での二次感染とではレベルが違う。水際でやると共に、追跡調査を徹底する。
しかし、豚や鶏の中で起きている事に目をやる、報道はない。畜産由来の病気は、このままであれば、繰り返し起きてくる。人間が肉食化して来たことに、問題があることに気付かなければならない。この根本に気付かなければ、人間は絶滅することになる。

 - Peace Cafe