亀田大毅選手(18)と中村聡志さん(23)と斉藤俊さん(17)
イラン南東部で麻薬密輸組織に誘拐された横浜国立大生の中村聡志さん(23)のことが、亀田一家の騒動で見えなくなっている。早く無事に戻れることを祈っている。中村氏は横浜国大を休学して、世界冒険旅行に出かけたようだ。何でそんな危ない所に居たのか、ちょっとビックリしたけれど。そんな所にまで出かけてゆく、日本の若者が居る事は、むしろ評価して良い事だと思う。私がその昔、フランスに出かけたときも、冒険心だけは同じだった。フランスでどうなるかなど、全く判らないままでかけた。先日無くなられた小田実氏の「何でも見てやろう」に刺激された世代だ。中学生の時にこの本を読んで、いつか出かけようと思っていた。中村氏は休学してと言う事だ。こんなやり方が今はあるのか。現代的な、今時のやり方なのか。など想像した。留保した形が、どういう意味か、ちょっと気に成った。
17歳、18歳のプロスポーツの少年が、たぶんそれぞれの夢をもって、耐えて、努力をして、そして一人は死んだ。殺された。もう一人は今、パッシングの最中。少年とも言える年齢の若者。本人が選択した道ではあろうが、周辺の考えはどう影響していたのだろうか。亀田一家の事はTBSに責任の大半がある。私は熱烈なボクシングファーンだが、亀田関係の試合は見ない。見たくない。今回の試合も偶然一ラウンドの最初の1分だけ、あるお店で見てしまった。ガードを固めて、べた足で。挑戦者がこれでは、どうしようもないな、と思っただけだった。以前なら世界タイトル戦を見ないなどと言う事は、絶対にない。プロスポーツの興行なのだから、どのように演出するかも結構だけれど。それに載せられてしまう。甘い、観衆が情けない。高い視聴率が取れたらしいから、それで良しなのだろう。
しかし、ここに素晴しい夢を持った少年が居る事は忘れてはならない。育ち盛りの年齢で、フライ級に体重を絞りながら、それは厳しい練習に明け暮れている事だけは、間違いがない。親元から離れ、メキシコでも行って、全てをやり直したら良い。相撲界も大変なことになっているが、ああしたしごきの世界である事を知らない人が居たのだろうか。事件化したと言う事で、急に相撲界の腐敗追求のように、報道は正義漢に変身している。NHKなどはあれだけ相撲を中継をしていて、相撲修行の実態に気が付いていなかったとしたら、余りに鈍い。ビール瓶とか金属バットとかが、問題にされているが、問題にすべきは、加減を見失った相撲部屋の要因ではないか。きっと逃げ出す少年は常の事だろう。それをどう鍛えるか。
中村氏はまだ解放されない。麻薬組織と言う事だ。早速、防衛大臣はテロ組織の一手段として麻薬取引を上げている。テロ組織などというと、大げさで見えなくなるが、オウム・サリン事件を、想像したほうが解る。何故松本教祖にあれほどの犯罪が出来たかだ。坂本堤弁護士一家が行方不明になった時に、警察に告発しても、対応が出来なかった。松本サリン事件でも河野義行さんが無理やり犯人に仕立て上げられた。警察力はオウムより圧倒的に強力だが、未然に防ぐ事は出来なかった。テロとの戦いは武力をもってして、解決できない。第2の松本が現れない為には、格差と差別がより顕著になる社会のあり方を、解決する以外道はない。世界中同じ事だ。それぞれの心の中の問題だ。中近東の遺跡には、行って見たいと思っている。中村さん開放を一日も早く、お願いしたい。