イセ食品グループ会長伊勢彦信

   

今朝は珍しく朝寝坊した。昨夜カンブリア宮殿というテレビを遅くまで見て、興奮した為だ。幾つか自分にかかわることがあった。それよりも番組冒頭、放し飼いの鶏の卵は、イセ食品の卵より良くない。こう仕掛けられて、つい怒りで乗せられてしまった。この会長なかなかのエンターテイナーだ。一箇所に200万羽鶏を飼うという、私の考えで行けば、鳥インフルエンザ発生の総元締めのような人間だ。現実、茨城の農場では、鳥インフルエンザワクチンの不法使用の疑いで、散々調査をされた人間だ。それを、まるで他人事のように、鳥インフルエンザはシベリアで何年かに1回活性化する病気だ、などと白々しく発言していた。何故強毒化したのかに言及しないでどうする。茨城の事件の結末を見てみれば、ウインドレス鶏舎ばかりで広がり、その飼われている鶏の不健康が目立った。にもかかわらず、ウインドレス鶏舎の衛生の安全性を強調していた。トンでもないことだ。

しかし、画面は嘘をつけない、会長が鶏舎に入って撮影の間中、鳥がバタついて、すごい。めったに入らない証拠。フンほこりがやたら舞い上がっていた。他所の養鶏を批判しない。これは大切なことだが、昨夜のテレビはちょっと見逃してはいけないぐらい、悪質なデマを平気で流していた。テレビ局というものが、コマーシャルをくれる資本に弱いかの典型的な番組だ。公共の電波を使ってこういう放送が問題だ。司会をしている、村上龍という人も、まるで自分の視点を示せず、金持ちの前ではすぐ平伏してしまう、弱い感じがよく出ていた。

小学生の時ラジオから、日本の鶏が世界記録を作った。1年365個の卵を産んだ。こう流れた。これが、鶏少年だった私を刺激し、鶏改良を生涯の目標にしようと決意した、第1歩だった。何とそれをやったのは伊勢氏の父親だそうだ。50年経って知った。伊勢氏はそんな父親の元で、やっていた種鶏場に見切りをつけて、採卵養鶏業に入った。アイデアが優れていたというより、アメリカ方式をいち早く取り入れた。経営手腕は確かにいいのだろう。補助金を貰ったことはないと自慢していた。私と同じだ。絵が好きだというのも同じだが、伊勢氏は絵のコレクターでは相当有名だ。私は描くほうが好きなのだから、この違いが結局養鶏場の性格の、大きな違いにつながるのだろう。イセ食品の作る卵が素晴しい、と力説しているが、たいした卵を生産している訳ではない。当然のことだ。200万羽と成れば、自ずとその限界がある。卵を1個売ると、1円20銭利益が出る。との事だ。日本にはほぼ人口だけ鶏が居るのだから、毎日1億円市場か。このうちの1割ぐらいはイセ食品が占めているのだろう。

ますます、食べ物は自己責任の意識を持たないといけない。伊勢氏にすれば、放し飼いの卵は危険な卵だそうだ。私はウインドレスの卵は気味が悪くて食べたくない。お互い様だろう。どちらも違法でなければいいが、政府は当然のようにイセ食品についていて、放し飼いを禁止しようとする。こうした、デマのようなテレビもそれに一役買う。アメリカ人が、卵を食べなくなった為に、元気がなくなった。と面白おかしく言っていたが、卵は日に1個で充分だ。本来それ以上食べるのは偏食だ。5個も毎日食べたら、伊勢氏のようになるのか。イセ食品のような、巨大企業は更に大きくなるには、国民の嗜好まで変えなくては成らない。それは、まるでアメリカが戦後日本の食糧不足を通して、日本人の嗜好を変えて言ったのと同じだ。卵が優秀な食品の一つとは考えるが、あくまで節度を持って食べたときの事だ。

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