「有機農業推進基本方針」案

   

日本有機農業研究会の理事の久保田さんから現在進められている「有機農業推進基本方針」案に対しパブリックコメントが求められているから出すようにと言う連絡があった。15日までだから、もう迫っている。「有機農業推進法」と言うものが昨年暮れに国会で全会一致で成立した。全会一致になるくらいだから、極めて観念的で、何でこんな物を今更法律にするのか、私にはよく理解できなかった。地元真鶴のツルネンさんなどが熱心らしいけれど、ツルネンさんの暮らしとどう繋がるのかがわからなかった。お題目のような物で、成果のように言われても、私の有機農業とは何の関係も無い法律だと思っていた。この法律に基づいて、具体的な方針を立てようと言うものが、今検討されているのだと思う。有機農研からも委員が出ているのではなかったか、と思う。

この法律が、具体性が無く観念論に終わって、基本方針では少しは具体性が出てくるのかと思いきや、何の具体性も相変わらず無い。これで有機農業が推進できると、誰が考えているのだろう。おかしな話だが、畜産の話が全く出てこない。わずかでてくるのが、畜産堆肥の共同処理施設の事だけだ。基本方針というのはこういう方向で行くと言う事だろう。お役所でやる事だから、まだらっこしいのは仕方が無いにしても、畜産はそれでどうするんだ。と言う観点が無い。有機畜産を行う場合、その放牧をどうするのか、鶏は鶏舎に閉じ込めろと、自然と一切触れさせるな、こういう方針が出ている中、有機養鶏はどうすれば、推進できると言う考えなのだろう。農水の有機養鶏は放し飼い義務が明記されている。鳥インフルエンザに対して、ウインドレス養鶏での対応と、消毒液による消毒以外、方針も示さず、何が有機畜産だろう。是非とも、農水の考えを盛り込んで欲しい。

種の保存の問題にも全く触れていない。有機農業には適合する品種が存在する。鶏で言えば、生産性は低くても、群れ飼いが出来て、放牧向きの品種が不可欠になる。そうした努力を国の方針として行う事なしに、有機養鶏の推進などありえない。種の改良の方針を消費者の嗜好矢、生産性の高さに併せてるだけでなく、病害虫に強い、有機農業に適合する品種の作出を考えて欲しい。特に、その時に重要になる、在来品種の保存、など方針に盛り込む必要がある。また、有機農業では自家採種によって、その地に適合する品種が生まれる。これが、遺伝子組み換え作物の、登場により阻害されない為の方針も持たなくては成らない。畜産飼料の有機農業による生産、これをどんな方向で考えてゆくのか。これも全く見えない。例えば、減反田や遊休農地における飼料生産や放牧を可能にする、研究、助成、を検討する必要がある。

集団防除、空中散布に対する、有機農業の推進との整合性に関して、基本方針を盛り込む必要があるだろう。日本のような農地が狭い地域で混在するところでは、隣接農地の利用形態が、有機農業の普及の障害になっている。これをどう解消するか、これも基本方針に盛り込む必要があるだろう。住宅隣接農地に於ける農薬被害これはイメージ的なものも含めてだが、地域居住者に対する農業不信につながっている。住居地区から一定の距離では、有機農業が奨励される事も必要だろう。余り否定したくはないのだが、これが出来て有機養鶏が推進される要素が、わずかでもあるとは思えません。

 - あしがら農の会