農水省命令 緊急的な消毒
高病原性鳥インフルエンザについては、本年に入り4件の発生があったところですが、今後の発生予防に万全を期すための緊急の措置として、西日本を中心に、家畜伝染病予防法に基づき、鶏を飼養している農場における消毒の徹底を図るよう、下記のとおり通知しましたのでお知らせします。
1.実施の目的 高病原性鳥インフルエンザの発生の予防
2.実施の根拠 家畜伝染病予防法第9条に基づく、消毒方法等の実施に係る命令により実施
3.実施方法 以下省略
とんでもない事になった。笹村養鶏場にとって、鳥インフルエンザ以上に危険な事態が迫った。鳥インフルエンザだけでも、毎日不安な日が続いている。鶏の健康を考えて、毎日の作業もぐっと増えている。この上、農水省とやりあわなければならないとすると、ぞっとする。誰がこうした、間違った判断をしたのだろう。養鶏の事を、鶏のことをしっかりと理解した人が、こんな愚かな判断をするわけがない。今に、野鳥まで消毒しようと言う事になる。問題は感染の経路が見えないことにある。原因が分かれば、そこを断つことができる。分からない為に、全ての可能性を遮ろうと一斉消毒と言う暴挙に出た。しかしそんな事が、何の意味もないことは、専門家ならすぐにも分かる事だ。これは、農水省も何かしていると言う、官僚得意のパフォーマンスにすぎない。農水省の官僚は他省に対して、引け目があるから、こういうときに、愚かな爆発をしてしまう。
農水省は野鳥による感染が一番可能性が高いと、判断している。一次的な感染はほぼそこにあると考えていいと、私も考えている。であるなら、養鶏場をいくら消毒したところで、野鳥がウイルスを保菌している以上、殆ど無駄な事だ。完全な消毒を、し続けるなど、養鶏業者の人間の健康はどうしてくれる。無駄で済むなら良い。自然界はどれほど生物に危険に見えるウイルスも、大きなバランスの中で存在する。これを、ある側面が人間に不都合であるからと言って、壊滅すると言う事は、バランスを壊すと言う事になる。自然と闘うことは、愚かな行為だ。折り合いをつける事、自然に対し、身をかがめて、とけこませてもらう事が、あらゆる生き物にとにいい事なのだ。自然と消毒で対抗するなど、人間の身の程知らずの最たる行為だ。
今の段階では、1000羽以上の養鶏場を消毒する。必要があれば、どの養鶏場も消毒できるとなっている。これは法的な命令的手段だ。私のところでこれをやられたら、もう養鶏はやめるしかない。だから、バリケードを張っても阻止するしかない。それでも、消毒をされたら、養鶏を止める他ない。そんな権利が何故国にあるのだ。
自然養鶏は「床の醗酵、飼料の醗酵、緑餌の多給」が鶏の健康を作り出す3本柱だ。これを全て止めろと言うのが、今回の命令だ。とんでもない暴挙だ。床に消石灰を撒く事になるだろう。床のあらゆる微生物が死滅する事になる。これでは、自然養鶏は成り立たない。微生物が満ちた中に、鶏が生きることで鶏の健康は守られている。それを無菌室のような状態にしたのでは、何時鶏が病気に感染するか、危険は増大する。緑餌も与えられないと言う事だ。角を矯めて牛を殺す。
命令によって、消毒するなら、あらゆる手段で闘う決意だ。