北朝鮮ロケットの失敗の原因

   

北朝鮮のロケットが失敗した。成功するだろうと考えていた。国の威信をかけて宣伝しておいて、まさか失敗するようなレベルだとは思わなかった。失敗の理由を考えてみる事がとても日本にとって役立つ。外国からわざわざ人を呼び、ジョンウン氏の後継セレモニーと連動させた。つまり、北朝鮮政府に成功神話が存在したということである。いい話だけが、上層部に伝わる。下のものはリスクについては、幹部に伝えることが出来なくなっている。政治体制としては、相当に危うい状態と見た方がいい。若いジョンウン氏の個人的資質の問題というより、その周辺の人間に深刻な問題が存在している可能性が高い。本来、ロケット打ち上げには失敗が付きものである。日本でもロケットの父と言われた糸川博士は、失敗続きのロケット打ち上げを成功していると、虚偽の報告を繰り返していたという話があった。アメリカの人を載せたロケットさえ打ち上げに失敗した。

要するに、ロケットは失敗が付きものである。それが失敗しないものと、思い込んでいる所が怖い所である。日本では原発がそうだ。壊れることの絶対にない機械として、原発を位置付けた。そうした思い込みがなぜ起こるかである。事故を起こしてまだ、原因すら特定できない状態で、又神話としての原発が壊れることなどないという思い込みが、根拠なく主張される。機械というものはどれほど、完全に作ったとしても、間違いなく壊れる可能性はある。だから壊れる前提で、壊れた場合どうするか考えて置くというのが、大前提である。自動車のリコールなど、いくらでもある。堤防であれば、決壊しても逃げ方で対応しておけばいい。しかし、原発の事故は取り返しのつかないものであり、対応方法がないという事が身にしみた。それでもやるということは、むしろ冒険主義的に一か八かの賭けに出ているということだろう。経済が失速するより、このリスクにかけようという選択。

北朝鮮政府も思い込みで動いている。今度は核実験と言われている。手に負えなくなりつつある。日本の朝鮮総連の人たちですら、このジョンウン体制を熱烈に支持している。つまり、情報などいくらあるとしても、違う根拠で権力構造の中が動き出している。こんな調子でさらにエスカレートする以外この、おかしなエネルギーは止まらないだろう。ソビエトが、そして中国が長年この国をもてあそび、利用してきた付けがこのゆがみの根源である。家には血気盛んな、暴走しがちな国があるとの主張。これを外交材料にしてきた。むしろ、その暴発は中国に向かってゆく可能性が高い。日本や韓国より、中国の方が火種を抱えた。それは、ソビエトのアフガン戦争のようなもので、衛星国家などいつまでも続くものではない。中国だって、隣国の原発を歓迎する訳がない。そうなった時に経済協力を止めざる得ないかどうか。その結果暴発が起こるのか。

これから、イランを含め、核拡散は続くとせざる得ない。人類的危機が迫っている。そうした時こそ、持とうとしない日本という国の価値がある。日本の平和主義の真価が問われるときだ。武力の拡大エスカレートに、世界は危機感を深める。イスラエルが、イランにミサイルを打ち込むような、怖ろしい事態が起こりうる。こうした悲劇を避けるためには、世界が足並みをそろえて、軍縮に向かう以外にない。不可能に見えるような事だが他に選択の余地がない。北朝鮮はロケットの失敗を、核実験で取り戻そうとする。悪循環に陥っている可能性が高い。北朝鮮の孤立がさらに深まる。関係5カ国が本気で話し合いをすべきだ。北朝鮮が核実験をする前に、日本政府は、早急に呼びかけを行う。国連決議をして、追い込んでも状況悪化だけだ。日本はそれ以外に北朝鮮の危険状態に対応するすべがない。

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