小出先生の講演会
鶴川にある和光大学で京都大学の小出先生の「福島原発事故と放射能汚染の全体像」という講演会があった。直接表情を感じながら、話を聞いてみたかったので、出掛けた。想像どうりの信頼できる方であった。映像では分からないこともある。生に接してみたかった。原発事故に関する考え方は、ほとんどが小出氏から学んだことなので、当然のことなのだが、まるでわたしの考えていることと一緒であった。最後の話で、焼却炉の事なり、放射能はバブフィルターで排出の99,8%捕捉できると言っても、各々焼却炉で状態が違う。その焼却炉で実験を行い確認してから使う必要がある。と終わった。その後、市民と対話部門があるとのことだったが、夕方から他の用事があったので、小出氏の話を聞いて引き揚げた。会場は500人定員と聞いていたが、満杯で入れない人もいたらしい。小出氏の話を一言も聞きもらすまいと言う、こんな全員が集中した講演会は初めてであった。
放射能の安全基準は年間1ミリシーベルト以内のところで、人間は暮らすことになっていた。政府の発表では、福島から北関東に宮城に、20ミリに近い所が地域が大きく広がっている。1、子供を放射能から守ること。2、1次産業を守ること。この2つを強く繰り返し述べていた。一次産業と子供を守るということは、田んぼで採れるお米には、放射能が多く集積する、「入水口付近のお米」がある。これは60歳を越えた、わたしのような年寄りが食べる。放射能の影響はほとんどないことが分かっている。その田んぼで最も放射能が少ないだろうあたりのお米は子供に食べさせる。というようなことではないか。子供たちは責任もなく、放射能の被害者になりやすい存在。子供だけを高濃度汚染の福島から、逃げるのもあるが、家庭の崩壊も問題になる。国は汚染地域からの移住希望者を斡旋するべきだ。特に汚染地域農家には、全国に広がる、耕作放棄地に移住してもらえばいい。
今後の処理では、福島第2原発の場所に放射性廃棄物の最終処分場を作ることを提案していた。もう帰ることはできない。使うことなど考えられない。地元の自治体には、原発を推進した責任がある。最終処分場を引き受けるべきだ。原発周辺地域に暮らしていた人たちには申し訳ない事だが。戻れないし、戻るべきではない。今問題になっている、放射能焼却灰は東電に返却するということで、福島第2に運ぶ。今の政府では出来ないだろう。チェルノブイリが幸いしたのは、共産党独裁的に存在したことだ。ゆるんだ民主主義では、これを進めることはできない。神奈川県の受け入れも出来なかった。理由なき不安。迷惑処理はどこでも出来ない。しかし、あの気味が悪い、「頑張れニッポンとか、連帯とか、絆とか、」あれはどういう意味だろう。政府主導とも思えないが。どこかの宗教団体が仕掛けたのか。まさか右翼団体とも思えないが。
小田原の舟原では、普通の暮らしをしていれば、自給自足で暮らしていても、食べ物からを含めて、1ミリシーベルトを超えることは無い。何度もこの計算は書いた。東日本全域が海を含めて、汚染地域になったということも現実である。300キロ離れた小田原でも、子供には気をつけた無ければならないレベルの汚染である。一次産業を中心にした暮らしに戻る。これしか原発を止める方法は無い。エネルギー浪費社会に暮らし方をしていることが、原発を必要としている暮らしである。原発事故に対する、自己責任を感じなければならない。小出氏は東北大学の学生時代、原発反対の為に女川で暮らし、ビラ配りをして居たそうだ。女川は津波で何一つ無く成っていたが、必ずやまた人間が暮らす街が出来る。しかし、福島第一周辺はもう人間は住めない。この損失は日本が倒産しても返せないほどの、損害をもたらしてしまった。自己責任として誰もが受け止めなければならないと、必死に言われていた。