玄米卵放射能不検出
笹村農鶏園の卵は放射能汚染されていなかった。やっと速報値の結果が出た。大丈夫だと思ってはいたが、結果が出るまでそれなりの不安があった。小田原の野菜は、ホウレンソウ、タマネギと不検出である。生梅も極めて低い値である。当初、小田原で放射能汚染が広がるなど、横須賀のデーターや、水道水の測定からまさかあるまいと考えていた。それが、お茶の測定で高い値が次々に出て、消費者の不安は広がった。早速行政に対して土壌を含めて広く測定を行うよう要請はしたが、行わない。結局は自分で測定する以外ない。そこでいろいろの測定機関に当たったが、満杯ということで、全く進まなくなってしまった。そこで再度県行政に対し要請した。もう不検出が繰り返されている茅ヶ崎の分をひとまず休止して、問題が起きた地域の野菜、特に土壌をするべきだろうと申し上げた。
小田原関係では、梅とホウレンソウタマネギが行われ、不検出か極めて低い値であった。それでも、これが曽我山方面ではないかという消費者の不安がある。箱根東斜面でも行わざる得なくなっていた。測定機関が見つかりできることになった。「有害化学物質削減ネットワーク」という組織である。仕組みとしては、ここで一時的に測定を行い、問題があれば京都の小出先生の再検査をお願いするという流れである。ここで、23日測定がおこなわれ、卵については不検出という結果であった。当然のことであるし、そうでなければ困るのだが、ひとまずは良かった。今与えている餌が昨年収穫されたものが中心であること。行政のデーターでは、水の汚染はない。問題があるとすれば、緑餌である。相当に迷ったところである。野菜で検出されていないのだから、緑餌の汚染レベルは低いと考えた。緑餌はこの間も与えていた。与えなくては、鶏の健康に良くない。
ジレンマはあったが、緑餌を与える選択をした。その選択は間違っていなかったということでホッとしている。良い卵を作るという事に努力している。緑餌をたくさん与えるということは、鶏の健康を守るためには、必須条件だと考えている。1日1羽に100グラム。せめて50グラム以上。それほどに草を食べる鶏を育てなければならない。緑餌が病気を克服して行く手段なのだ。ところが、これが汚染されている可能性がある。私はこのレベルなら、食べさせていいという選択をした。今までの経験から熟慮した結果であった。それでも、小田原のお茶から出た時には、少し不安はよぎった。しかし、卵は違う。まだそう確信があったので販売は続けた。そして、今回の不検出の結果である。これは、これから生涯にわたって放射能に付き合ってゆく上で、科学的知識と、冷静な判断が必要ということに成る。
どうやって汚染を避けて行くか。汚染を逃れる作物は何か。どうやって子供たちの健康を維持すれば良いのか。これから様々な情報が出て来るだろうが、正しく学ぶ必要がある。例えば国の土壌調査では、表土5センチを除いて、その下15センチを取り出し測定している。ところが、表土5センチに90%の放射能がとどまっていることが分かっている。つまり、国は値を低く見せかけようとごまかしを行っているとしか考えられない。国の出す値を鵜呑みにしてはならない。今回小田原の土壌のお茶では高い値が検出された畑の、表土を測定してみている。この数値は独り歩きしては危険なので公表はしない。今後、広い範囲の畑を線量計で測定をして、問題のある個所があれば、土壌調査をするという流れにしたい。どんな畑が汚染が低いのか。どうすれば低くなるのか。取り組んでゆかなければならない。