大阪地検特捜部の前田恒彦・主任検事の逮捕
村木さんの事件は、いかにもおかしかった。やはりという検察特捜部の、でっち上げがフロッピーの日付改ざんというところから見えてきた。検察の闇が徐々にだが明らかにされてきた。まさかというより、やはりと感じる怖ろしい状況に、日本の検察はあったのだ。朝日新聞がこのことをスクープしたらしいが、何時も報道批判ばかりしていたが、見直した。検察がストーリーを書き、それに基づき証拠を捏造する。自白を都合よく作り上げ、無かった事件を作り出す。いかにもである。検察は村木さんの上告を慌てて、やめにした。なんという泥縄か。今まで決断できなかったぐらい、内部は腐っている。でっち上げ自体は、地検特捜部全体で行ったことに間違いがない。日付を改ざんしたフロッピーを証拠申請していないこと自体が、そのことを証明している。証拠として出せば、改ざんが明るみに出る。
改ざんしたことが地検で確認されたために、証拠として使えなくなっただけである。特捜部で書き換えがばれるかどうかの議論はしたはずだ。そしてばれると判断したから、証拠として提出しなかった。そうでなければこれほど村木さんを犯人に仕立てる重要証拠を、証拠提出しない訳が無い。ではでっち上げは特捜部だけの問題であったか。朝日の取材では、特捜部の幹部に前田氏から2月に報告があり、その報告を受けた幹部は、地検幹部に報告をしたということである。これからの捜査で、この点を何としても明らかにしてもらいたい。地検組織ぐるみで行った犯罪を、どうしても明らかにする必要がある。しかし、泥棒が泥棒を調べるようなことだから、到底明らかになるとも思えない。このままでは結局、検察の腐りきった実態は見えてこない気がする。政府は第3者による調査委員会を緊急に立ち上げ、検察の腐敗の構造を解明しなければならない。
では村木氏の事件は誰が、何んの目的ででっち上げたのか。特捜部には誰の指示があったのか。どう考えても、自民党が噛んでいる。一つは自民党は可視化反対である。2つ目は時期的にも民主党への政権交代の選挙前の仕掛けである。なりふり構わず、民主党にダメージを与えようと仕組んだ事件。こうなると、小沢氏の疑惑にも大きな影響が出てくる。鈴木宗男氏の事件も、冤罪ではなかったのかという疑問は広がる。政治がらみの事件はすべて、不信が広がる。どう権力と司法が繋がっているのかが、大きな問題となる。この点は恐怖すら感じる。管政権のようすでは、今のところ新しい権力癒着を模索している怪しさがある。どうやって3権分立を確保するか。これは国民が監視するほかない。きちっと本当のところを見抜く目を持つ以外ない。それには、まず情報公開である。おかしいと思った時、すべての情報を見れる状態が必要。
検察取り調べの可視化も情報公開と同じことである。権力は闇を作ってはいけない。三つの権力は権力である自覚が必要である。その上で、権力というものが関わるすべてを公開して行く努力が常に必要である。権力は腐敗する。権力は闇化する。権力には自浄作用はない。権力を見えるようにするのは、権力を行使される側の国民の絶え間ない努力である。その第一の役割は、報道機関である。今回は素晴らしい仕事をしてくれた。御蔭で一つの闇が開かれた。強い正義のための報道を作るのも国民が支えるかにかかっている。政治権力を変えて行くのも国民の意識。これからおかしなことをしでかしそうな、管民主党政権に対し、十分な監視を怠らないようにしなければならない。まずは世論調査うんぬんばかりしている報道を止めて、自分の意思を明確にした報道である。