アメリカから見た日本
日本人は日本が世界の中心だと思っているし、それでいい。やはりアメリカ人の多くはアメリカが世界の中心で、唯一大切と思っている。それもいい。日本は政治的に、経済的に、失速気味で方向を失い、路頭を彷徨っている感がある。アメリカは最近日本に対し、武器輸出禁止の3原則すら、取り除くことを要求し、成功した。今の日本政府では、何を言っても判断力が無いのだから、そのまま通ってしまうようだ。自民党政権時代は、いいなりに見せてはいるが、それなりに交換の経済的利益だけは、確保するようなしぶとさが感じられた。今はそれも無い。アメリカの世界戦略の中で、日本はどう見えているか、どんな位置づけなのかを、冷静に判断する必要がある。アメリカにとってはいまや中国が、大きな課題。日本はその対抗として位置づけがある。対抗というか、捨て駒としての意味である。互いに衝突してくれれば火の粉がアメリカにまで届かない。
という訳で日本と中国は仲が悪い方がアメリカは都合がいい。困るのは、一致団結して、アメリカに対抗することだ。鳩山前総理の発言、その意味で虎の尾を踏んだ。アメリカの痛いところを理解しないで、アジア共同体発言だった。「仲良きことは美しきかな。」ぐらいで、日中同盟の模索のようなことを発言した。本来なら、普天間から出て行かなければ、中国との同盟を模索するというようなことがあるのかと、一瞬頭をよぎった。これにはアメリカはしびれかけた、オバマ大統領の渋い顔に、あわてた混乱が見えた。その後のアメリカの普天間でのかたくなさはその顛末である。私は交渉の裏で、鳩山さんの「辺野古の海を埋め立てるなど、自然の冒涜だ。」というような圧力発言かと思っていた。所が何の交渉も無く、中国との話し合いもせず。外交の何たるかを、だれか執事でもいて、やってくれるごとくの態度に終始した。これには呆れた。しかも引退のはずが、今や黒幕勢力になろうと画策している。だから、善意というようなものは信頼できないのだ。
アメリカの安全保障は、世界全てが自滅してくれればいいという論理が背景にある。ヨーロッパとロシアが戦うことは歓迎なのだ。アジアの中で自滅の戦争でもしてくれればありがたいという、怖ろしく利己的な考え方が根にある。大東亜共栄圏の完成を避けたいのが、アメリカの本音の意図である。アメリカは最近はアジア諸国の外交会議に、偉そうに出てきて取り仕切っている。本音としては、アジア諸国が一致団結しないように進めている。日本国内にも、こうしたアメリカの意図に乗ってか乗せられてか、中国を日本の仮想敵国として、国粋主義のつもりの人間が多数存在する。北朝鮮の独裁国家をネタに、アジア諸国の亀裂を深める事が、日本の利益でもあるかのように、アメリカの意図に乗せられている報道が普通である。北朝鮮の元スパイを国賓扱いで、呼び寄せるほどの愚かしさである。こんなパフォーマンスに騙される日本人。甘く見られたものだ。
中国の核武装は、刻々と進んでいる。アメリカは阻止する手立てがない。もし、日本が核の傘の雨宿り先を変えたらどうなる。これはアメリカには恐怖であろう。外交の材料はここにある。韓国との合同演習をアメリカは強化した。今後も繰り返し10回ぐらいやるようだ。韓国からの撤退宣言はどうなった。韓国の哨戒艇爆発事件も結局事実は見えないが、少なくともアメリカのこの事件の利用の仕方はよくわかる。中国は怖いそ、北朝鮮は何をするかわからないぞ、帰るぞ帰るぞと脅かしながら、アメリカの防衛を考えている。これを機に、韓国への復帰を狙う。韓国の中国接近外交を抑止する。南北が仲良くなることは困る。日本に対しても同じことで、中国の核武装が問題なのだ。日本にミサイル防衛を売り込んでいるが。ばかばかしい限りである。こんな無意味な、防衛方法に多額のお金をつぎ込む、余裕は日本にはない。あの北朝鮮のテポドン騒ぎを思い起こしてほしい。日本を軍事化する背景は、中国とぶつかって、互いに自滅することを願っているアメリカがいる。次のアメリカの要求は日本の核武装である。