農作業着
暑い夏だ。朝出荷で集まるとみんなすでに汗まみれであった。Mさんが汗まみれになる位なら、タンクトップで作業したいぐらいだと言われたのが、意外だった。そう云えば、Nさんも半袖ある。一番若いSさんは長袖である。女性陣も長袖。私も長袖である。農作業は長袖という頭があったので聞いてみると、Sさんは日に焼けると、ほてって暑いから長袖の方がいいと言っていた。そう云えば、この暑い中建設関係の人は、平気で日中作業だけど、何故可能なのだろう。そういう話題になった。案外慣れれば大丈夫という意見もあった。農業は自分で作業時間が決められるから、有難いというところに話は落ち着いた。この暑さの中でも農作業はある。多分このまま行くと、熱帯化の初年度ということになりそうなくらいだ。6月は第2位、7月第1位と記録的な暑さで、そのまま8月も高温が続いている。
農作業はできるだけ涼しい時間にやるようにしている。それでも、暑い中鶏の世話など、やらなければならないこともままある。どんな服を着て作業をするのがいいか。長袖、長ズボンだけは厳守している。長時間陽に当たるとやはり疲労する。できるだけ陽に当たらないほうがいい。もう一つは虫にしょっちゅう刺される。体質的なことなのか、刺されたからと言って、腫れたりかゆかったりしないのだが、それでもどんな虫がいるかもわからないので、長そで長ズボン、手袋。ときにはゴム手となる。石綿スタイルをまねているのだ。出来るだけ農家の人に溶け込んで、目立たないスタイルがいいという気分もある。それなら、白い長そでのTシャツ姿だと言われた。確かに、下着の長袖という農家のおじさんが多い。何故あれがいいのだろう。なんとなく目立ちそうで、似たようなスタイルでも地味な色付きである。
もう一つは、いつでも農作業に入れるということも大切にする。田んぼの水を見に行くときは、当然田んぼに入って泥の中で動ける格好で行く。それが難しい時は、ケイトラには載せておく。靴は田靴である。これは着脱がおっくうだがやむえない。長靴で出来ればいいが、長靴では田んぼで転ぶ。田んぼで草を見つけていつでも抜かなければならない。ドロドロの格好で、どこにでも行かざる得なくなる。着替えたり、洗ったりしてからやるというのでは時間の都合がつかない。大体に複数進行になる。田んぼに行ってから、市役所に回わり、帰り途中で気がついて、スーパーによる。ということがいつでも可能なような格好をする。だから、少しおかしな服装になる。正直にいえば、何がおかしいかはよく分かっていない。大体服装のTPOとかはわかっていない。
何でもその時にやる。後回しにしない。これは自給農にはとても大切になる。そのためにはいつでも、長そで長ズボン、出来ればゴム手袋スタイルとなる。しかも、そのまま集まりなどに出てしまうので、下着姿とはいかない。その上、何時絵を描くかもわからない、胡瓜もぎやら、田んぼの水回りに出掛けたくなる。家に帰らずそのままどこかに向かうことになることもままある。どんな虫にやられるかもしれないからだ。泥の中にはわけのわからない虫がいる。当然畑にも無数にいる。虫がいるのは当たり前で、皮膚を出来る限りださないというのは、虫対策の大前提。だから暑い。農作業なのだから当然のことである。先日暑いさなかの草取りに、先日首に巻く冷却素材を使った。2時間までなら確かに良かった。しかし、どんどん覚悟が据わらなくなる。暑いときはこの2度とない暑さを味わう。田んぼをやっていると暑いのがありがたいのだ。