ハイチ緊急援助
日本政府は18日、ハイチ大地震の支援のため自衛官による国際緊急援助隊を派遣することを決めた。70~80人規模となる見通しで、医療活動や感染症対策などに従事する。すでに国際緊急援助隊医療チーム25人が17日午後(日本時間18日午前)に首都ポルトープランスの西約40キロのレオガンに入り、活動を始めている。地震が起きたのは日本時間1月13日午前6時53分。緊急援助としてはあまりにも遅い。医療チーム24人が16日夜、成田空港からチャーター機で出発した。また、後続の日赤医療チーム8人は17日に出発する。国際緊急援助隊医療チームは外務省職員、医師、看護師ら。米マイアミまで飛び、訓練で米国に派遣されている航空自衛隊のC130輸送機に乗り換えて17日にもハイチ入りする。
緊急援助隊団長は外務省の二石氏現地について、報道関係者から日本の緊急支援は遅すぎないかの質問に答えて、「適切な時期に到着した。」こう答えていた。外務省の考える、緊急支援の在り方、考え方が、伺える。四川地震の際の緊急援助隊の派遣地域のたらい回し状態の反省から、落ち着いてからでないと、日本の支援は出来ないと考えたようだ。72時間以内の救出の協力は始めから諦めた訳だ。現地の飛行場の管制塔の被害、ハイチ政府の機能停止状態などがあり、日本の緊急援助は始めから医療支援に絞ったらしい。実際に岡田外務大臣が派遣を決めたのは、丸一日たった14日に入ってからである。関東大震災の被害死者不明数が10万5千人。それに匹敵するような大地震に対し、地震国日本の緊急援助が、このようなものであってはならない。お金について言えば、EUの支援、約550億円。日本は4億5千万円。中国の半分。台湾の4分の1。その後変化はしているようではある。
アメリカは近いし、4,5000人が居住していた。支援の中心を担って1万人規模の軍隊が展開している。中南米の反アメリカの流れを、阻止するためにも全力を尽くそうという姿が見える。テロとの戦いとは、こう言う事ではないか。災害支援は外交である。日本のような、軍隊を持たない平和主義の国家は、ここに全力を尽くす必要がある。国際紛争を平和的手段で解決するという憲法の精神は、自国で手に負えない、大規模自然災害時に、手を貸せる国家になる事だ。ミャンマーの時も、日本政府は手をこまねいていただけである。四川地震でも、インド洋大津波でも、適切な手を打つことが出来ないでいる。外務省は平然として、現地の状況を充分把握して、現地政府の支持、希望に従い。その範囲で行動するとしている。これが、「物から人への」友愛精神の鳩山氏の思想の範囲であるのだろうか。
日本の平和主義が試されている。政府は今回はハイチ地震では、失敗したという自覚が必要である。今回の緊急援助が適切であるという、外務省の判断を先ず撤回すること。今後、今回の教訓を生かし、世界のどの国より、頼りにされる国になる為に、緊急援助隊の体制を見直すべきである。災害対応は起きる前の想定が重要である。起きてから、考えて決めるようでは、緊急時には間にあわない。アフリカのどこで、どのレベルの災害が起きた場合は、どのように対応するか。世界中での災害を想定し、救援方法を日頃から、訓練しておく必要がある。そのために、自衛隊を改変し、その活動範囲を広げ、国際災害支援隊とする。アメリカですら、核廃絶を言わざるえない国際情勢である。北朝鮮やイランが核爆弾を持つと言う事は、そう言う事である。新しい発想の、平和的手段を具体的に模索しなければならない。