ラーメンのうまい店

   

ラーメン屋さんには年に何回かは入る。ちょうど出歩いていて、お昼になっておなかが減ってくる。さてどうしようと言う時、蕎麦にするか。うどんにするか。ラーメンにするか。スパゲッティーも麺類に入れるならそれもある。もちろん、カツどんが良いか、カレーが良いか。と言うような時もある。選択に迷う時もあるし、どこそこの、スパゲッティーが食べたい。名指しで食べたくなる時もたまにはある。たいていは何を食べたいのでしょう。と、お腹と相談している。理屈は抜きで、カロリーとか、腹持ちとか、健康とか、そう言う事は大体は考えない。ただ、お腹が何が食べたいかと決めかねるときもある。一番多いのが蕎麦となる。蕎麦が特に好きな訳ではない。うどんが好きなのに、上手いうどん屋がこの地域にはない。そこで蕎麦屋に入れば、うどんか蕎麦の選択は、蕎麦にならざる得ない。

蕎麦屋さんだから、蕎麦は当然の事で、蕎麦屋でラーメンのメニューがあると、ちょっと考えてしまう。考えてしまうのは、ラーメンにしようかではなくて、ここの蕎麦はまずいだろうな。と言う事である。案外にそうでもないらしいが。おそれをなす気分がある。うどんも置いてない蕎麦屋と成ると、これもちょっと敷居が高い感じになるのだから、勝手な客の心理だ。スパゲッティーが食べたいと言うのは、どこそこのという名ざしがつく。これは、わたしのなかでまだ一般食ではないのだろう。たまたま、その店のそばであると言うので、入る事になる。南足柄の松田線の、松田から来てトンネルの前にある店、マジェール・スパゲッティーは時に食べたくなった。先日久し振りに入ったら、全く味が変わっていたので驚いた。味付けが変わったというより、違うものになっていた。どうしてくれるのよ。と言う感じ。

ラーメンが食べたくなる。季節に一度くらいであろうか。疲れて居る時だと思う。エーイ、ラーメンでも食べるぞ。と言うような思い切った、よほどのお腹の気分だ。何でも好きだから、ラーメンも大好物だが、あの白いとんこつスープのこってり感が、素晴しくいいのだけど、たまらないときもある。255号線の大井町にあった。小田原から行って、第一生命に曲がる辺りの右側にあった店は、その線で一番の味であった。店には、激辛タイプを完食した人が張り出されていた。先日前を通ったら、あの店もなくなっていた。あしがらで一番好きだった店は、246号線沿いの松田・山北間にあった、「見晴らし亭」とか言う店。とうになくなった。しょっぱいのには困ったが、それでも食べたくなる日本一の上手さだった。なくなった店ばかり書いても、しょうがない。最近発見した店がある。

最近流行っているらしい、魚系のダシ。店構えは全くラーメン屋には見えない。完全に、いわゆる飲み屋である。何やらラーメンと言う旗が立てられているのには、気付いていた。飲み屋なのに、昼間はラーメンを食べさすのだな。と言う風に思っうのが、普通の感覚だろう。だから、極めて入りにくい。中に入ると外観以上に驚くばかりである。幸せの出会いを求める掲示板がある。そして、ローリングストーンズのコレクション展示には仰天。ミックジャガーのギターのコピーなのかな。鎮座している。さらに、さらに驚くのは、若い家族が仲良く働いているのだ。中学2年生ぐらいの女の子が、ラーメンを運んでくれる。奥さんとおぼしき人物が、真剣に、実に真剣にラーメンを盛り付ける。それがお花を生けるような調子で、少し離れては山盛りに盛った刻みネギの形を調整する。親父さんだけは、いかにもラーメン屋をやりそうな人物だ。本気の味で、一級品。場所のヒントとしては、小田原にある唯一の本物のギャラリーから、そう離れていない。

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