ホルベインの水彩絵の具

   


 ホルベインの絵の具が送られてきた。十分に使える。たしかに昔よりは良くなっている。あるいはニュートンが昔より悪くなっているかもしれない。徐々に色によってはシュミンケに変えたのだが、今度は円安の機会にホルベインに変えてみた。

 確かに色によって違いはあるのだが、基本的には大丈夫なようだ。ホットした。水彩絵の具で重要なことは色の明るさだ。彩度の高さと言えば良いのだろうか。濁らす方はいくらでも混色で何とかなるわけだが、さらに鮮やかに描きたいと言うときに、そういう絵の具がないと言うことが起こる。

 この対応の出来る絵の具が欲しい。特に、黄色で言えばカドニュームイエローレモンとコバルトバイオレットである。この2つの色が私には問題で、昔のニュートンの物が使いやすかったのだが、特にコバルトバイオレットが変化してしまい。その影響で絵まで変化した気がしている。

 絵の色が濃くなってきた一番の原因の一つの要素である。水彩画の場合紙の白が一番彩度が高く、一番に強い。その紙の明るさを上手く利用しながら描くのが一番水彩画の良さだ。その薄めた色が、紙の白さを透過させる幅が重要になる。

 水で薄めれば薄めるほど、絵の具の微妙さが大きく現われてくる。その時に平均的に色が薄めても強いのがシュミンケの絵の具である。ところがシュミンケの絵の具は無機的な感じがする。硬質な色で使いにくい場合が多々ある。私にはその点10年前ぐらいまでのニュートンが好きだった。

 しかしニュートンがだめになり、無機的な色味のシュミンケにせざる得なくなったのだが、シュミンケにはコバルトバイオレットがない。それで結局気に入った色が一つ失われてしまった。このことはさすがに絵に影響した。変わるべき色がないので、今でも困っている。

 

 実はパレットも変えた。これも変えたくなかったのだが、蓋がわれてしまい使えなくなった。長年愛用していた物が使えなくなったのだ。写真の左側にあるものが蓋のわれたパレットで、残った絵の具をまだ使っているが、そろそろ廃棄に近づいた。

 この20年も、まさに愛用したパレットは学童用のものだったのだが、使い勝手が最高の物だった。色が見やすいことが一番のよさだった。それで似たような者を4つも買ったのだが、どれも色が見にくいもので使えずわれた蓋を補修して使っていたが、ついに変えた。

 
 持ち出し用にはホルベインのアルミパレット。山梨に描きに行くときにはどうしても必要なのだ。そして車の中では陶器性の物に変えた。5色2つで10色である。それと前から使っていた、ニュートンの陶器性の大きなパン絵の具が5色。この15色で描いている。
 
 15色を改めて書いておけば、右からビリジャン、コバルトグリーン、コバルトターコーズ、コバルトバイオレット、ガンボージュ、コバルトイエローレモン、コバルトイエロー、ローシェンナ、バーミリオン、ローズマダー、上の大きなパンがチャイニーズホワイト、コバルトブルー、セルレアンブルー、ウルトラマリンブルー、バーントシェンナとインジゴブルーの混ぜたクロ。となっている。

 水彩の絵の具はたぶん全色持ってはいるが、安心のために持ってはいるが、滅多に使うことはない。写真の画台の下に引き出しがあり、そこが絵の具箱である。堅くなってしまった物も捨てないで残してある。春日部先生に頂いた、ラウニーのものも一揃い在る。

 今のところ試したホルベインの色で大丈夫なのは、色として強く塗る色だ。例えばセルレアンブルーが昔より薄めても大丈夫になっている。空とか水とかに使うから、薄めることがままある絵の具だ。それが大丈夫というのは心強い。昔は薄めると濁りが出てきてだめだった。

 やはり、だめなのはコバルトバイオレットとカドイエローレモン。仕方がないか。それでも使える範囲ではあるので、何とかなると思う。ホルベインの絵の具が大丈夫だと分かったことと、色によっては60ML大きなチューブがあると言うことも分かった。

 碍子に使われていたような、真っ白の陶器製の皿は使いやすい。パレットに具合の良い物はなかなかなくて、絵の具ざらというような物を使っていたこともあるが、今回中国製と思われる物で使いやすいパレットが見つかったので変えた。

 5色だけは大きな物にしているのは刷毛を使う色だ。よく広く塗るときには毛で使う色は別にしてある。今回パレットは固定用のものと携帯用とに変えたので、ほぼ陶器製の方は死ぬまで使えるだろう。陶器製のパレットには蓋を作ってある。使い終われば木の蓋がしてある。

 白の絵の具は今回初めてホルベインのチャイニーズホワイトを使ったが、割合使い勝手が良い。白は会社によって様々だが、白を混色することはしない。白を色の上に薄く重ねることが多い。この加減が上手く出来る白が使えるのだが、ホルベインの白で大丈夫なようだ。

 紙の白を残したいことはある。それくらい明るい白にしたいときだ。紙の明るさを消さないよう加減して白を塗る。紙かなと思う程度だが、よく見ると白が塗ってあるというぐらいに使う。紙のままだと紙部分の方が黒ずんでゆくからだ。

 紙にもよるし、保存状態にもよるのだろうが、絵のバランスが崩れるから、描いた後の変色は気になる。最近の絵の具は混色しても変色をしないようになってきたらしい。変色する顔料は使われなくなっていると言うことなので、その点は気にせず使っている。

 40年ぐらい前の絵もあるが、この間に変色したという感じはしない。水彩絵の具は案外に安定している。保存が大事になるのだろうが、黴びてきているものはある。かなり気にはしているのだが、描いているときの環境が影響している気がする。今描いている物は大丈夫と思っている。

 結局絵の具よりも紙の方に問題があるのだろう。良い紙を使えばその点安定している。耐光性のない紙がある。直射日光に1ヶ月当てて見れば分かる。使う前に確認している。ホルベインの絵の具は信用して大丈夫だと、言われたので使うことにした。

Related Images:

おすすめ記事

 - 水彩画