NOAFに関して体験したことを書いておく。

   

小田原有機の里づくり協議会の2018年度の活動に関して、NOAFとの活動を完全にお断りした。この経緯に関して、できる限りを書いておきたいと思うが、差しさわりがきっとあることだろうから、一部は書く訳にはいかないのだろう。それでもNOAFと言う組織のおかしなかかわりだけは記録しておいた方がいいので、書き留めておく。小田原有機の里づくり協議会は小田原にある有機農業にかかわる4つの団体が、立ち上げ活動をしてきた。国の有機農業推進法が出来て、全国に10か所有機農業のモデル事業を立ち上げるという話が出たので、笹村が個人的に動くことで始まったことだった。国の有機10年ほど前のことだ。今まで継続して活動しているのは、小田原ぐらいだという話だ。他はどうなったのだろうか。小田原の農業を盛んにしてゆくためには、全く交流のなかった4つの団体が連携が出来ることが重要と考え、笹村が他の3つの団体と交流があったので、呼びかけてひとまとまりの団体を作ることになったものだ。ところが立ち上がりにおいては、MOAが単独で進めるということになり、呼びかけた農の会が外されるということになった。ある市会議員の画策があってあの時もおかしなことになった。ここは我慢して、翌年から加わるということになった。この事業に申請することをきっかけに何か小田原の農業に新しい風が生まれることを期待したわけだ。

そして、10年間継続して活動を続けてきた。しかし、残念なことに小田原の有機農業がこのことで広がったという事でもなかった。有機農業の拡大という意味では行き詰まりが生じてきたことは事実だ。その原因の一つは4つの組織が、連携して取り組む活動という事がなく、各組織がそれぞれに事業をこなすという形しか取れなかったことに原因があると考えていいのだろう。そうした状況下数年前から、代表である小田原市長加藤憲一氏から有機農業の家庭菜園をやったらどうかという呼びかけがあった。そして、それに呼応する形であしがら農の会から協議会全体で取り組む活動として、有機農業の農業塾を提案した。たぶんこういう活動は農の会以外では立ち上げることが難しいと思われたからだ。農の会が担当になり、4団体が参加する形で、取り組みを開始すれば、協議会全体で新しい展望が開けるのではないかと考えた。そして、2018年度の活動として、会全体で取り組むという事までが決まった。予算書も有機農業の市民農園づくりという形で申請することまで決まった。

ところが、申請の1週間前になり、突然NOAFという団体が登場した。それまで全くかかわりもなかった組織である。オリンピックの有機農産物生産という事で、1年前に1度だけ訊ねて見えたことがあるとの話だった。そのNOAFが突然小田原有機の里づくり協議会が今年申請しようとしている書類では農水省に事業承認されないので、代わりに自分たちが作ってあげるという事になったというのだという。その話を聞いて何のことだか理解も出来なかったのだが、NOAFが小田原の協議会の一員になって、一緒に活動するというのであれば、受け入れてもいいという事を話した。小田原の協議会が申請するのであるから、それが当然のことだと理解した。時間のない間に、私は確認もできないまま、従来の案を取り下げてNOAFの1週間案の申請をしてしまった。そして、NOAFの申請が通過した。ところがNOAFは小田原の協議会には入らないという。それで何をするかと言えば、補助金を自分たちがもらって指導をして上げるのだというのだ。そもそも新規就農数年目の、実践的には大した活動をしてもいないTさんという人が指導してくれるという話だ。それではつまり、言いにくいが指導料搾取ではないか。小田原の事情も分からいまま経営指導など出来るわけもない。有機農業の技術で言えば、新規就農のTさんである。長年やってきた我々に何も教えるものなど持っているわけもない。そのTさんが小田原の協議会に入り一緒にやりたいというのであれば、歓迎する。その旨のメールを送ったが、返事もない。今からでも入りたいというのであれば、入ることは構わないと言ったが、最後まで指導をしてやると威張っていた。あきれた人だった。

結局の所NOAFという組織は補助金を自分たちの組織に落とすことが目的と思われた。だから、こちらで指導をお願いしたい先生を拒否して、自分たちが指導を担当しなければだめだというのだ。その指導をするというTさんが能力が高い人ならともかく、私から見ると駆け出しのさしたる能力のない人である。小田原の有機農業をかき回されることは私には全く許せないことであった。自分のやっている新規就農の農業経営は指導などしている余裕があるという事がおかしい。まずは、Tさん個人が小田原の有機の里づくり協議会に加わり、指導を受けるところから始めるべきだろう。どうも経営を指導するということらしいのだが、それならば当人がやっている農場がいくらかでもましなものでなければ始まらない。新規就農してまだ日も浅い。たいした農場ではない。立派な納税の申告書を見せてもらいたいぐらいだ。たいした農場の経営ができていないことは明らかである。

こうした紆余曲折があり、全く無礼ということで有機の里づくり協議会としては、NOAFを活動途中で断った。断れば、農水省から補助金もなくなるということであったが、この期に至れば、そんなことは構わない。斯うして活動が一度は白紙になった。小田原有機農業市民農園を、農の会が担当としてやるという原点に戻った。今度は有機農業を志す人たちの営農的な指導という事でやる。そうでなければ、NOAFの申請した書類に基づく活動にならないので、有機農業塾という事になるのかと思う。申請書が我々の出したものと違うから、有機農業塾は独自予算でやるしかなくなった。NOAFをお断りしたからには、もう来年度はないという覚悟である。NOAFの様ないわゆる農水の外郭団体が、補助金申請を代行して、進めようという事業はそもそも不自然なことであった。もう補助金とかそんなことは関係なく、小田原の農業の活性化の為に、有機農業にかかわるものとして、何ができるかを考えてゆくということだろう。そして2019年度NOAFから断られるだろうと言われた計画案とほぼ同様のものを覚悟を持って申請をした。果たして認められるのであろうか。それが認められたのだ。そんなものでは認められないと言い切ったNOAFの主張は何だったのだろうか。

 

 

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