移民法が成立
衆議院では移民法が成立した。あるいは外国人労働者差別法が成立した。日本の労働者人口が危機的に減少しているから、緊急対策として外国人労働者の導入を始めなければならないという理由だ。建前としては、外国人研修生と名付けている。この間衆議院の委員会や、議会では、議論らしい議論は行われていない。何でも賛成の公明党がいるから、議論など必要はないというのが実態。議論など無駄なことだというままに、移民法が成立してしまった。この法律をおかしいと思いながらも、背に腹は代えられないと賛成の人も多いとは思う。それくらい肉体労働を伴う職種は人手不足である。コンビニも、ファミレスも、正月は休むと言っている。正月から店を開くようにするには外国人労働者を入れるしかないのだ。正月から開業し、一日でも多く営業すれば、利益が増える。企業というものは利益を追っているのだから、正月から店を開くなどという、日本文化を破壊するようなことを始めたのだ。とんでもないことが、平然と進んでゆく。
国会ではどうせ話し合っても無駄。国民に議論を見せるのも無駄。話し合ってみたところで、議論がかみ合わないだけだ。という事なのだろう。公明党と維新の会だったか、金魚の糞のようにくっ付いているだけの党が、賛成に回る格好つけで、法案の修正をした。何という形式主義か。この移民法案は中身が全くない。外国人労働者の受入が、どのようにでも可能になるざる法である。要するに運用次第で、どうとでもなるというアベ政権お得意の形になっている。立憲民主党の山尾議員が単純労働者とはいったいどういう職を言うのかと質問していたが、安倍デクノボウ総理大臣は何か答えただろうか。「私の口からそのことを明確に述べることは、望ましいこととは思えませんので、この場でのお答えを控えさせていただきます。」という事であった。総理大臣が口にできないような差別が起こるのだ。応えることがはばかれるような差別につながる法案なのだ。もちろんすべては運用次第という事になる。玉虫色と言えばきれいごとで、実は日本人の一番悪ところが、掘り起こされる法案になる。
韓国の最高裁判所で相次いで、徴用工に対する補償を日本企業に命ずる判決が出た。これを安倍晋三氏は国際司法裁判所に提訴すると言った。是非ともやるべきだ。そして明確にすべきだ。日本が勝訴するとは思えない。世界の常識は、日本帝国が朝鮮半島を植民地支配していた。戦時中には当然、朝鮮地域の人も軍事産業に徴用し、強制労働させていた。こういう共通認識である。この強制労働させられた人々に対して、補償をしていないという事は許されないという判決になる可能性がある。もちろん、ロシアに抑留され、強制労働させられた日本人もロシアから補償をされるべきだ。日本が韓国に対して賠償責任を果たしたから、企業には徴用した労働者への補償の責任がないとまで、言えないのではないか。少なくとも韓国政府が日本からの賠償金を個別の労働者への支払いに回したのでなければならない。だから、韓国政府に対してそうした取り決めがない以上。個人は無視されたことになる。
外国人労働者が今のまま増加して行けば、日本社会に日本人の下に位置する、新しい階層が生まれることになる。今まで行われてきた外国人研修生が本当に研修の為に来ていると考える人は居ないだろう。こうしたマヤカシの下に成立する社会が健全な訳がない。大多数が労働力不足の穴埋めである。国連では人権上問題があるという指摘までされている。世界で分断が始まっている。国家間の競争が激化し、苦しい国はより苦しくなってゆく状況だ。貧困による難民が大量にあふれだしている。このことと、外国人研修生問題は絡み合っている。ご都合よく、安い労働力を導入できるとは到底思えない。相当に危うい綱渡りになる。「じゃあ、このまま国際競争に負ければいいというのか」というのがアベ政権の本音であろう。たぶん、日本全体がそいう怯えの中にいる。あのドイツさえ、メルケル首相が移民受け入れを制御したが、ついに退陣である。やるべきことは日本がどういう国になるかという国会議論だ。議論を信じるから議会があるはずだ。何も議論がないという事が、ひどすぎる。