12月の自給作業

   

12月の自給作業を書こうとしているが、これで月々書いてきた最後の記事にするつもりだ。暖かい冬が続いている。自給作業自体がこの12月で終わりという事になる。終わりと言っても、今植えてある作物は収穫まで行うが、新しいことはもう始めないつもりだ。やはり野菜に関しては石垣から来てというのでは無理だろう。今植えられているものは、大豆がいよいよ収穫になる。小麦、大麦は播種したばかり。タマネギも苗を植え付け中。カブ。大根。ニンジン。長ネギ。里芋。これらを順次収穫している。植えたものは収穫して、有難くいただきお腹に収めて終わりになる。始めたことには必ず終わりがあるから当然のことだ。寂しいというほどのこともない。その時その時でやれることはやり尽くした感がある。残念ながら野菜に関しては途中退場という事だ。野菜というものがそれぞれに、生育が違う。突き詰めることが難しかった。雑草のこと。土のこと。肥料のこと。連作のこと。種取りのこと。どれもこれも難しかった。

自給生活は39歳で始めた。開墾から始めて30年やったことになる。上手く行かない、いまだ分からないことばかりである。達成できなかった計画ばかりである。鶏と田んぼについてはやり尽くした感が強い。野菜に関しては納得いかないままである。では絵はどうだろう。いまのところ野菜よりも、さらにやり尽くした感がない。もう絵の方は60年やったことになるのに。これは困ったことだ。絵は野菜よりもさらに難しい。あと30年あるつもりだ。何とか絵も鶏と田んぼまでのやり尽くした感に進みたいものだ。そう自給のことだった。トマトなどとても興味があったが、よくわからないまま終わりになった。納得できないままである。残念ながら、能力不足として受け入れるしかない。自給農業というのは、飢え死にしないで生きてきたという事で良いのかもしれない。大根がだめでもカブが良ければそれでよい。白菜がだめなら、他の葉物で間に合わす。どうもこの辺の考え方が私には向いて居なかったようだ。

今年、諏訪の原圃場でみんなの自給畑を、有機農業塾として始めた。根守さんのいままでの栽培を公開してもらったという事になるのだろう。根守さんの計画はなかなか緻密なものであった。簡単そうで当たり前に見えるが、計画性がある。根守さんは連作を嫌うようだ。草もあまりあまり好まないようだ。実践からそうしたやり方になったのだろうか。根守さん計画を渡部さんが一番立派に実践した。ともかく高畝である。土寄せ農業と名付けてもいいほどの高畝栽培法である。農業も個性が強いものは面白い。高いところは40㎝もある。草取りも省けると言って、土を寄せている。今回初めて私の栽培で良くなったものがある。分げつする長ネギである。明らかに良い出来である。何かやったのかと根守さんに言われて考えてみた。わすれていたのだが、タマネギの種まきの時に作った土ぼかしが余ったので、3メートルの間に10キロほど土寄せの時に使ったのだ。これが効果を上げた。渡部さん直伝の土寄せ農法である。肥料恐るべし。

諏訪の原圃場では初めての畑で、ホウレンソウが出来た。野菜は結局のところ土が良ければできる。最後になって初めての経験である。みんなのホウレンソウはほとんど消えた。ところが私のホウレンソウだけ立派なものになった。あまりに立派なので(初めてのことなので)、まだ眺めて食べないでいる。寒くなってから食べようと思っている。ホウレンソウが出来た理由は叢生栽培である。草だらけ以外他に何もしていない。あれこれ叢生栽培で失敗してきたが、今回初めて、カブ、大根、ホウレンソウと成功した。不思議なことだ。こういう思いもよらない事ばかり現れるから、野菜作りは達成できなかった。ニンジンは草取りを徹底した。よくできている。野菜は様々だという事が今になって身に染みる。ヤイチ芋も作った。これは葉っぱの出来でを見ると悪そうだ。肥料不足なのではないかと見える。しかし、味は良いのではないかと期待している。まだ葉に緑が残っているので、食べないでいる。楽しみに正月食べるつもりだ。正月と言えば、田んぼのクワイが収穫が16日になる。 

 

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