2012年8月の天候
雨の降らない8月だった。それでも、久野川の水は2010年よりはまだ流れている。田んぼは8月中水があれば、この後水が足りなくなっても何とかなるので、ここまでくれば一安心である。欠ノ上は水がギリギリであったが、2010年も2012年も大丈夫であったので、水の足りない田んぼではないということである。いずれにしても、異常気象や温暖化が、際立ってきた2010年の気候によく似ていた。あまり嬉しくはないが、こんな気象がこれからの傾向と考えなければならないのだろう。今年の8月の降雨量は30ミリほどだろう。このてんでは、60ミリは降った2010年よりさらに少ない。平均気温、日照時間で言えば似たようなものである。雨については、明星岳での雨量が久野川の雨量である。気象庁の統計の観察地点は酒匂川の河口付近の足柄平野の海岸線なので、相当に開きがある。雨量で言えば、2,3倍も開いているから、傾向はある程度見れるが、川の水に関しては類推が必要になる。
毎朝久野川の水の流れは見ている。公民館脇の下河原橋から上流を見る。その状態を記憶している。それで2010年よりまだ水があるという見方である。もう一つの判断材料は湧水の量である。渇水が余りに続けば湧水は途絶える。今のところ湧水は湧き続けている。新しく作った田んぼも水が切れたことはない。2010年の9月は暑い日が続いた。そしてかつてないほどの豪雨の9月になった。今年もそのつもりでいた方がいいと考えている。田んぼの土壌は固めておく。九州、沖縄ではかつてない雨量が繰り返されている。関東では今までのところ影響が無かったが、9月になって台風や豪雨はあると考えておいた方がいいだろう。稲刈りの時期もできるだけ、天気が安定するまで先に延ばしたい。台風も大型化する傾向があるから、ハザ掛けも必ず飛ばされるから、予測は大切になるだろう。
久野川の水の減少が意外に少なかったのは、山の状態がこの2年良くなったという事ではないだろうか。何かをしたというのではなく、何も変なことが山に無かったという事ではないか。山の木を切らないで2年経てば、それなりに保水力が変わるのではないか。しばらく前までは、林道工事ばかりやっていた。林道作りが山を荒らしている状態が続いていた。公共事業が削減されて一段落した。少しの雨でも川の水は茶色く濁っていた。しばらく濁りが消えなかった。今も、酒匂川はそういう状態である。久野川は濁らなくなった。6月の記録的な豪雨で久野川河岸は4か所崩壊した。多分上流部でも土砂崩れがあったと思われる。檜が根こそぎ流れてきた。田んぼの水路にも、土砂の流れ込みは例年になく多い。しかし、全体で言えば濁りは少ない。6月後半の大量の雨がまだ山に貯まっていて、水の減少が8月の少雨にもかかわらず、しのいでいると思われる。それは湧水や井戸水にも表れている。
この先気候はさらに荒くなると考えなければならない。降れば豪雨で、降らなければ1カ月降らない。こういう気候が平年の気候だと考えて農業をしなければならない。風についても、竜巻ではないかと思われる強い突風が数年前から目立っている。6月吹いた風でも、みかんの根が浮き上がっている所が結構ある。浮き上がった後、雨が無いから枯れて来るような木が見受けられる。以前にはみられなかったような現象である。豪雨でも、突風でも狭い地域で起こる。久野川の事を考える上でも、和留沢あたりに正確な気象観測所が必要である。山の気象と平地の気象最低でも、両方のデーターが常に手に入れば、この違いから数時間後の変化が判断がしやすくなる。気象情報を行政が出すという事では、天候に対応しきれなくなっている。