福島避難の犬ねこ

   

寒川の湘南タッズ(UKCアニマルレスキュー)では福島原発事故で、避難している犬ねこの世話を続けている。実はここのことは、書きたいことがあってもあまり書けないで来た。警察の指導である。先日来、ここの代表者のタッズ父こと細さんが入院していた。手伝いに行った、カヨ子さんによると無事退院できたということである。ほっとも出来ない状況であるが、ともかく先ずは良かった。細さんからは原発事故直後。「すぐに駆けつけて、仲間の犬を救出するので」という緊急要請があった。私たち夫婦も出来る限りの支援をしたいと、協力させてもらってきた。小田原でも呼びかけを行った。問題は犬猫レスキューの世界が、やっかみと足の引っ張り合いの世界で、犬の散歩の会の人が聞いた話として、その活動問題点をつづったメールが広くばらまいた。良く事情も知らない人間が、動物愛護協会に任せておけばいいとか。政府がやっているから素人が勝手なことはしない方がいいとか。獣医師会も動き出しているとか。人のやることの足を引っ張る。

想像通り、これらの公式的活動は何の役にも立たないどころか、震災支援金を上手くかすめ取ったとしか思えないもので終わった。動物の目線からしたら、とんでもない活動結果だと思っている。公的活動があるから、細さんのような民間の動きに同調してはいけないというような、馬鹿げた中傷が小田原だけでなく駆け巡った。私は、細さんと10年前お会いした時に、この人は信頼できる人間と確信した。信頼した人だからの依頼である。ここのレスキュー全体で何か事が起これば、個人として責任を取る覚悟で動いた。もちろん大したことは出来なかったのだが。小田原からも犬舎の建設にも一緒に行ってくれた。今はその犬舎もさらに建て替えられ、随分良い環境になった。しかし不当な中傷が続く中、この事は詳しくは書けないことなのだが、犬が何頭も殺される事件が起きた。原因がネットのやり取りであるという事で、タッズのUKCジャパンという組織の活動をネットではあまり書かないということになった。しかし、この間、細さんのすごいのは、一切の中傷を我慢し切ったことである。

辛かったと思う。プロレスラーのような体形だった細さんが、多分20キロ以上痩せた。それでついに入院になった。震災ボランティアも多分各地で、地味に本気で継続されている。しかし、地元寒川で地道にただただ、犬の世話を続ける活動は、よほどの思いが無ければ継続できない。今ある寒川の場所も、いつまで続けられるのか問題がある。それでも細さんと、その奥さんのタッズ母がいるから、ここまで継続されて来たのは、事実だ。もちろん多くの方の支援も地道に続いている。ボランティアの人が、毎日10名前後、継続して活動している。私は、手伝いに出掛けることが出来ないので恥ずかしい限りである。せめてと思い、ケージでは無理なセントバーナードを今は預かっている。猫の2匹はもう親猫になった。預かった鶏は今では我が家の鶏と一緒になった。カヨ子さんはその鶏を良く彫刻にする。その頃から、作るものが彫刻の作品に見えてきた。

細さんは、緊張の1年4カ月だったと思う。さすがに疲れが出た。私のように、小田原に暮らしているいるものでも、様々な動きが起こり、つい言わないでもいい言葉を発したりしている。こらえ性が無くなってきた。体調も落ち気味だ。何でも悪い方に感じるようだ。政府を思えば、原子力規制委員会に原子力推進派の人を、選んでいる。怖ろしい総理大臣の鈍感力。細さんのレスキューは果てしなく続く。無理も果てしなく続く。もっとも迷惑なのは、やりもしないで口だけ偉そうな注意をしてくれる人。放射能のうんちくを語る人。UKCアニマルレスキューでは、今日も福島に帰れない犬たちの世話を続けている。そしてそれを取り巻く支援の輪も、粘り強く続いている。そういう人たちがいると思えば、もうひと頑張りできる。

昨日の自給作業:田んぼの草取り2時間 累計時間:5時間

 - Peace Cafe