パーマカルチャー安曇野
松本に行くに際して、宿を「シャンティクティ」というところにした。意味もわからないし、舌が回らない。覚えられない。ここがなかなか面白いところであった。朝1時間、案内をしていただけた。土のかまど。もみ殻ボイラー。もみ殻携帯かまど。非電化冷蔵庫。おがくずトイレ。藁壁。廃畳断熱利用。雨水の循環利用。思いもよらない、と言っても聞いてはいたのだが、あれこれ良い勉強になった。もちろんここを運営されている、「おやじさん」という感じの人間が、さらに興味深かった。朝食はおいしかった。これを作っていただいたのは、あのおやじさんの奥さんなのかというようにしっかりされた、立派な威厳のある方であった。早朝、前庭でハーブを摘まれている姿が、タダものでない感じがした。あのおやじさんだけでこれほどの施設運営が、出来る訳がない。詳細はホームページを良く見ていただくのが一番である。ここは是非リンクしたので、窓を開いてみてください。
全体には、ホームページほど整然とはしていない。草ぼうぼうである。草を敵としないとはいえ、3年ではまだまだ土に安定がない。この混乱の経過こそ、興味深いところである。個人でやっていれば、だいたいにここで挫折するだろう。普通の人間なら、前途を悲観する場面だ。一人でこれをコントロールするなど、人間業ではない。パーマカルチャーなどということに関しては、あまり興味はない。安手の輸入品のにおいがする。各国各国にパーマカルチャーは存在して、それを掘り起こしもせず、すぐ外来語の方に惹かれる気分が好みでない。大体にこういうところではハーブが植えてある。もちろん考え方がいけないというのではない。里山の手入れの思想。日本の自然環境で、永続性のある循環の中に、自分の暮らしを溶け込ませること。想像以上に暮らしを成り立たせることは、困難に満ちている。毎日の暮らしが冒険そのものだ。
この大冒険に船出するには、日和見が必要となる。正直海外の情報は、日本での実践には役立たない。アマゾン探検隊が、サハラ砂漠の装備で、南極に行くようなことになる。日本には、斥候隊の福岡探検隊のわずかな情報。川口博ではなく由一十字軍的探検隊の話。岡田茂吉隊からの移行方法の情報。こういうものをかき集めて、ソロソロ出港している訳だ。外来語を使っているようでは、スパイによる民生撹乱作戦の恐れがある。パーマカルチャーという、農法があるのかと思っていた。これはないそうだ。そうか、ないはずである。よその国の自然農法はあまり役立たない。あくまでパーマネント・カルチャー永続的文化の考え方のこと。この点では国粋主義者にならざる得ない。もみ殻は稲作あればこそ。江戸時代は人類にとって唯一、国を挙げて2500万人が永続性を模索した。この経験が一番参考になるのは当然のことである。
もみ殻利用の研究。ペール缶のもの。3升のお米が、7升のモミガラで炊ける。これはすぐれもの。2時間で製作できるという。是非ワークショップをやりたい。その上、もみ殻薫炭が出来るというのだ。とすれば、一回り大きいドラム缶タイプのかまどはできないものだろうか。その方が実用性があるかもしれない。この辺はやってみたい。非電化冷蔵庫も味噌の貯蔵庫には必要だろう。15度くらいで維持できるらしい。ペットボトルの水がたくさん入れていあった。あれは非常用の貯水になるな、など思ったが本来、黒い水にするのではなかったか。この施設は非電化工房の関係があるな。以前小田原にも来ていただいた。藤村さん。藤村さんと言えば、手動式脱穀機。注文したのだがその後連絡がない。ともかく、こちらでも作ってもう一度行ってみる事にする。