自民党の役割
今こそ自民党に期待するものは大きい。民主党内部の金権体質をとことん叩き、正してもらいたい。それが2大政党制度に於ける野党の役割であろう。舛添氏によると自民党には人材がいないと言う事であるが、まさかそれほどでもないだろう。ここで力を見せてもらいたい。自民党の衰退の最大の原因は、人材の枯渇である。タイゾウ氏や、ゆかり議員や、選挙に行った事のない丸川議員。あるいは、亀井刺客として破れたホリエモン。に見られるように、露出度は高かいだけで、内容の混乱である。この人達に、日本の政治を委任していて大丈夫だとは、到底思えない人材の傾向である。優れた自民党議員の潜在的教育機関は、大企業であり、官僚社会であったはずだ。本来、他の目的で人材を育てている組織から、自民党に人材が送られてきた。そうした人材提供組織からの、人材の流出の必然性が薄れた。一方人材を出してきた組織事態の弱体化も生れてきた。そこで目立ってきたのが、松下政経塾のような、政治家養成機関である。ここを取り込んだことが、民主党の成功の要因の一つである。
神奈川17区はまさに典型で、自民党からは県会議員のお嬢さんで、民主党からは松下政経塾出身者。どちらの人も優秀であるには違いないのだが。自民党候補は政策を述べると言う事を、出来る限り避けていた様に見えた。民主党候補は例のマニュフェストの範囲を、繰り返し述べていた。結局、自民党の候補者が自分の考えを述べなかった。考える所がないのか。議員になりたいだけなのか良くわからなかったが、タレント候補的なイメージ作りを今でも継続している。無能なチルドレンブームのイメージと併せて、良くないイメージが定着した。他所から来た人が思想を表明しないのでは、判断が出来ない。丸川氏や佐藤ゆかり氏の路線をなぞったのだろう。自民党の長年の与党ボケで、選挙民の成熟度を見誤ったと思う。自民党の看板とイメージで選挙に勝てると思い込んできた。2大政党で、政権移行が行われる小選挙区制は間違って居る。日本に適合しない制度だと思う。が、しかし、当面この制度で選挙が行われる以上。自民党が優れた対立野党として存在する事が、この先4年間の日本の針路に大きく影響する。
農業政策で言えば、民主党の戸別補償の仕組みだけでは、農業の問題は到底解決できないだろう。今の所他に具体策が見えないのが、民主党の現状である。戸別補償では解決できないことは、直ぐに表面化する。自民党は石破前農林水大臣が示したように、減反政策に変わる政策を具体的に示す必要がある。減反政策の利権にしがみついていた議員が落選したいまこそ、石破氏の本領発揮できる場面だ。民主党以上に農業を学んで、野党として、日本の農業の再生を提案して欲しい。その基盤は自民党の中にこそ存在していると思われる。今まで、農業利権にこびりついた、農林議員はその利権構造からはじき出された。利権で釣るような政策から、農業の可能性を考える政策に変わる良い機会ではないか。国際競争力のあるりんごを作れば解決すると言うような、イメージ作戦はもう通用しない。将来にわたる基本的食糧の安全確実な確保。これこそ保守政党の主張すべき内容であろう。
自民党が強い姿勢で、民主党内部の巣食う、金権体質を追及できないのは、自分の腹黒さゆえだ。火の粉が我が身に降りかかる。こう考えているからだろう。と、見える。この見方を払拭できないと、自民党の再生はない。小沢氏の生きてきた道は、確かに金権腐敗の真っ只中である。その失敗経験が何故生かされないのかと言えば、俺ならもっと上手くやるとしか、学んでいないからだろう。田中角栄氏、金丸氏から学んだ事は、政治はお金だ。という事だったのだろう。お金でしか何も動きやしないと考えている。自民党に期待する。自らの体質改善のためにも、本気で正してもらいたい。それが野党の役割のはずだ。