日本の進路

   

中国や韓国との軋轢は、結局は経済的な位置関係の変化に由来している。問題を起こすきっかけが領土問題と言う事のようだ。日韓のたそがれた政治家2人による迷惑行為である。中国韓国が従来の日本との経済的な関係を変化させようとしている。軍事的な意味ではアメリカとの関係のようだ。アメリカの意図と言う事もある。アメリカの軍事力を背景として、中国や韓国の態度を正してもらおうという発想は、アメリカの本意を読み違えている。アメリカは想定内のことで、オスプレー配備と上手く適合する。竹島上陸もアメリカの依頼、あるいは合意はあるだろう。尖閣の購入も同様の可能性がある。日本政府にはアメリカに対する、盲信と言ってもいいような、依頼心が背景に感じられる。

もう少し領土問題の背景にある事を考えてみたい。中国人はとても幅が広い。日本人のように、日本人と言うレッテルで済むような民族ではない。日本に対して攻撃的に成っているような人も、本音においてはどうなの、と言うように複雑で戦略的な人もいる。しばらくすればまた違う顔も見せる。私が接した農家のおじさんたちは、信義に厚く、穏やかで、底抜けに心が広い人が沢山いた。こういう大人はもう日本には少なくなったなと感じた。中国や韓国の政府が、日本に対して行っているのは、経済成長による世界での位置の争いである。石油産出国が、石油を武器に外交交渉をする。同じことで中国の市場と言うものをちらつかせながら、日本の企業進出を促して来た。そして、もうそういう時代が終わりを告げているということだろう。日本が要らなくなったのである。要らないだけでなく、競争相手として邪魔に成ってきている。経済のことが軋轢の主要課題であり、歴史問題や、領土問題で、日本をいきり立たせることですでに半分目的を達している。日本人は簡単だと思っていることだろう。

2008年中国で生産された餃子に毒が入っていて、日本で食べた人が食中毒になった事件があった。日本側から見れば、明白な証拠から中国の工場か、あるいは輸出入の経路で起きた事件としか思えなかったが、中国政府は一切を認めようとはしなかった。日本で陰謀が行われているかのように報道された。確か、工場で回収した餃子を廃棄せず、横流ししたために中国国内でも食中毒事件が起きた。そして仕方が無いような形で、結局日本での報道の通りの犯人が逮捕され、単独犯と言う事になった。どうも解せないことも多く納得はいかない。しかし、犯人逮捕後の記者会見では、日本政府の判断を攻撃していた事に対する謝罪のようなものは全くなかった。中国政府のあり方が良く見えた事件である。日本政府もそのままで終わりにした。そうした日本政府の姿勢が甘くみられる原因である。どこの国であろうと、間違いは間違いとして謝罪はさせなければならない。曖昧にして置いた方が得になるかもしれないという、ずるい感じが日本政府の対応には感じられた。

日本は筋の通る身の丈に合った国に成ることである。アメリカの軍事力を頼りに、アジア諸国と張り合うなど、日本の未来を狭めるばかりである。中国も韓国も、外交的な手腕は歴史的に揉まれてきていて、実に巧みである。日本もアメリカの背景が無い状態で、どのような国に成ることが良いのか、本気で考えなければならない。日本のアメリカの軍事の傘が、アジアでの対立を生んでいる。日本の進路であった。日本の通貨は相変わらず、高い評価である。震災があり、人口の減少。国の財政も危機的な状況である。経済的な地位も徐々に後退している。それでも日本の評価は、まだまだ高い。日本人と言うものへの評価から、日本がやり直すだろうと見られている。当然やりなおせる。先日も、高校生の冷静なものの見方のコメントがあった。農の会でも、若い人が自給農業に向かっている。工業的経済の時代から、文化の時代への価値観の転換。円に対する高い評価は、経済を支えている人間への評価なのだろう。

 - Peace Cafe