厚労省元局長村木さんの冤罪事件

   

この事件は冤罪事件の中でも、とても闇の深そうな事件である。何らかの理由で村木氏は意図的に仕立て上げられた。同時に民主党の石井一氏が口利きと言う事で、名前が出されている。反民主党の意図で起こされた事件と考えていいようだ。この事件は障碍者の郵便優遇制度の悪用事件である。この制度の悪用は半ば公然と行なわれていたらしい。頻繁にあることも問題ではあるのだが、係長は行なった虚偽有印公文書作成事件を、大阪地検と「誰か」が筋書きを作り上げ、村木氏と石井一を意図的に巻き込んだ、悪意に満ちた冤罪事件である。局長の村木氏は大阪地検のでっち上げによって、5ヶ月間拘留された。現在も休職中である。何ら身に覚えが無いことであっても、地検と言う権力によれば、悪意に満ちた偏見によって、冤罪は誰にでも起こりえるという、恐怖を覚える事件である。村木氏はさすがにしっかりした人であったが故に、一貫して無罪を訴え、やっと裁判で無罪が勝ち取れる状況になった。多分、大抵の人ならくじけて、認めてしまっただろう。

「凛(りん)の会」に偽の証明書を発行したとして、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元係長・上村勉被告(40)の初公判が9日、大阪地裁であった。上村被告は、同省元局長・村木厚子被告(54)(公判中)の指示で証明書を作成したとされる点について、「私が単独でやったことで、事実と異なる」と述べ、村木被告の関与を改めて否定した。一方の石井一衆議院員は、幸いアリバイが証明され、無関係である事がわかった。どうも、この事件はさらに裏がありそうだが、郵政民営化と関係していると言う説もある。検察側の主張では、塩田元部長は2004年2月、懇意にしていた議員から、「凛(りん) の会」への証明書発行を求める電話を受け、担当課長だった村木元局長に発行の便宜を図るよう指示。塩田氏の証言によって、逮捕されたにもかかわらず、塩田氏は公判ではすべては虚構と証言を覆している。

塩田元部長が、自民党の国会議員から金を受け取った可能性が高い。ちょうど日歯連の問題がクローズアップされていた時期。取り調べ検事は、「贈収賄の可能性もある」として取り調べを行ったと証言している。その塩田元部長は小豆島町長選挙に立候補し、現在町長になる。少なくとも、塩田氏の虚構で、部下だった村木氏は逮捕され、5ヶ月も拘留されている。そう自ら証言した、そのことをどう考えて町長になったんだろう。正直な所、真実はわからない。なにか自民党の中に巣食っていた厚生族の利権が背景にあって、民主党政権に移行する過程でのもがきの様に見える。何か松本清張の世界のように感じられてきた。この一連の事件の動きで感じられる、大阪地検の偏見と言うか、能力不足というか、意図的というか。小沢事件で東京地検の怪しい動き。

三権分立と言いながら、地検というものが政治的に動いている。しかも、どう考えても関係していない、村木局長を冤罪に引きづりこんでしまった。正常に、中立を保った地検とはとても言えない状況にある。この事件での報道の姿勢も不思議である。最初は正義のような顔をいて、村木さんを極悪の官僚という構図で、矢面に立たせて批判的に報道を続けた。そして、部長の塩田氏については、虚偽の証言をして部下を陥れたにもかかわらず、明確な報道の反応は無いようだ。現在の村木さんの裁判に関する報道も、きわめて消極的である。秋には判決があるらしいが、その時報道はどういう反省を示すのだろうか。報道の役割は権力批判である。司法は権力である。最近の地検の偏向した動きをどう見ているのか。司法に対して、自らの調査力と見識がなければ報道機関とは言えない。

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