ダンボールコンポストの配布

   

小田原市ではダンボールコンポストの1000の配布をほぼ終わった。8回の説明会を行い。各回100名ほどのグループで、1時間ほどの説明をしながら配布を行なった。募集は公報と、FM小田原、地域のミニコミ誌と、かながわ新聞と、自治会の回覧板である。案外に市の環境部に申し込みが自然と集まった。最初色々危惧したが、市民の積極的な参加に驚いたと言うのが、正直な感想である。この説明会でも、いわゆる環境系というか、いつものメンバーが100人の内、1,2名にすぎない。顔見知りが結構いるだろうと予測していたもので、意外というか、期待が持てる点である。年齢的にも幅広く、若者からお年寄りまでと言う事だ。ともかく、小田原市民の参加者意識は特別だと見ている。様々な市民運動に関わってきたが、これこそ小田原の無尽蔵資産である。生ごみを家庭で処理してくださいと言う、一方的な行政からのお願いなのだから、すごい事である。

生ごみの処理費は各家庭単位で、年間1万円と試算される。1000軒が自家処理をしてくれれば、本当は1000万円の節約である。計算は色々の角度から出来るが、焼却炉が1トン小さく成ると言う事は、何億円の節約に成ると言う事も出来る。7500世帯が目標である。こう言うちょっと手間がかかる事でも、やってくれる人は10%までである。しかも、この後の6500軒を増やすためには、何らかのメリットがなければ無理だと思う。まだ、この点での合意は無いのが残念な所だ。地域の商店の活性化の事業と併せてという事も考えて、商品券がいいのではないかと構想している。その次段階が、スーパーや地域に生ごみの集荷施設を作り、回収を始めるのも可能性がある。韮崎のスーパーヤマト方式である。先走るが、農家自体が生ごみの回収役を担うシステムも可能である。いずれ、生ごみの処理費の大きい部分は回収である。生ごみを別回収でやるシステムは、費用的に成立は困難である。

家で各自が処理することの重要さは、ごみ処理の問題だけではない。食べ物の循環を考えるきっかけになる。生ごみが堆肥になり、その堆肥で作物が実る。この循環を知ってもらう事は、単なる消費者でなくなることだと思う。それがたった一つのトマトであったとしても、食べ物の意味が変る。説明会で反応が良かったのは、堆肥が作れると言う事であったのもうなづける。もう一つの反応は、ペットの糞の処理である。ダンボールコンポスト一つで、半年入れ続けているが、ペットの糞は消化されてゆく。生ごみより、糞の方が分解が早い。臭いも出ない。防災グッズとしてもダンボールコンポストがあれば、いざと言う時のトイレになる。いよいよダンボールコンポストの改良型の研究が必要になる。自動回転方式である。現在ぬかださんが研究してくれているが、出来れば特許を取って、小田原の地場産業にしたい。

ダンボールコンポストが難しいのは、継続である。この事業での継続を可能にするのは、サポーターの補助である。他に手がないので、これで頑張るしかない。コツを掴むまでが難しい。コツを掴んでしまえば、大した苦労はいらない。それでも止める人が結構いる。あきてしまうらしい。ダンボールコンポストを続ける、社会的な意味が見えなくなる。これを継続させるのは、今の所サポーターが頑張るしかない。将来的にはやれば相応の見返りを作る必要があるが、当面は精神論で行くしかない。生ごみサロンは6月23日が第一回である。マロニエで開催される。毎月開催しながら、仲間を増やしてゆくことが大切である。まずは、サポーターの集まりを楽しいものにしなければならない。

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