EUとTPPの連携

   

今日は8月15日、日本の敗戦をかみしめて、謝罪と反省をする日である。

EUとTPP諸国との自由貿易協定の検討が提案されている。WTOがアメリカによって、機能不全になってしまった。自由貿易は戦争に世界が進まないための物だ。日本は貿易立国を戦後80年進めてきた。戦争に至った道を反省し、資源の不足した国の方角として、頑張ってきた。

ところが、その自由貿易推進の中心にいた、アメリカは自由と公正な貿易を止めて、閉鎖的国家を目指すことになった。少しずつだが良くなってゆくと思われた世界に、闇が降りようとしている。日本は同盟国として、自由貿易を世界の正義として推進するために、同じ方角を向いて進んできた。

ところが、トランプが登場したアメリカは、正義をかなぐり捨てて一国主義に突入した。世界は正義を失ったアメリカから離れて行くほかないということになる。そして覇権主義国家はアメリカと対立をすることになる。日本はアメリカ従属国から、敗戦して80年、初めて独立を目指すということになるはずだ。

アメリカは肝心の中国に関税対決で、敗北しようとしている。中国の動向次第で、アメリカと中国をのぞいた形で世界貿易が動いてゆく可能性は、かなり高いのではないだろうか。それでアメリカがすぐに衰退することはないかもしれないが、自由貿易を拒否して、一国主義の経済は孤立化して行く。そして、アメリカの経済が破綻すれば第3次世界大戦に突入するのかもしれない。

EUとTPPの連携を日本は、命運をかけて模索すべきだろう。新しい世界秩序の構築である。すでにEUにはその気持ちがあるのだから、連携の仕方は見つかるはずだ。すでに、イギリスと韓国はTPP加盟を希望している。日本は加盟国と連携し、TPPにおける自由貿易の拡大を目指すべきだろう。この連帯はあくまで、覇権主義を捨てた連帯で無ければならない。

アメリカに対して、公正な自由貿易が経済の繁栄をもたらすことを、示さなければならない。アメリカはこれから、中国との関係をこじらせて、様々なゆがみが生じてくるのではないだろうか。結局アメリカは、巨大国家中国には太刀打ちが出来ないと私は見ている。

なんとアメリカは、レア-アースの輸出と半導体の輸出を交換条件にした。アメリカは敗れつつある。日本はアメリカに対して、徐々に同盟関係を弱めてゆくことだ。それ以外に日本の安全保障は無い。日本の右翼はアメリカ従属だから、参政党すらアメリカに逆らえない。

アメリカに行きたい企業は勝手にゆくことだ。アメリカはそれを待っている。日本は小さくとも、自立した国を目指すことが望ましい。日本人はアメリカに従属している間に、若い人たちの腰が抜けてしまった。国家としての品格が失われた。バブルが崩壊して、30年の停滞である。極めて危険な状況にある。

若い人に、自分の力で生きて行く力が無い。参政党は有機農業の推進を主張しているが、一体参政党支持者に若い有機農業を実行してきた人が居るのだろうか。実践に裏付けられた主張では無く、エセ科学としての有機農業では無いのか。肥料は悪い物だというような、空想的有機農業である。

江戸時代鎖国しても日本人は見事に生活していたのだ。世界トップクラスの識字率を誇り、犯罪も少なく、武士といういわゆる公務員の数も極めて少なかった。封建制度という弊害もあったわけだが、自給自足国家を300年近くも、大きな争いも無く維持できた1億人も居る国は、世界で日本しかない。

この日本のかつて行った、鎖国国家の体験をもう一度生かすときが来ている。日本は国として、江戸時代の経済体制を思い起こすべきなのだ。完全循環社会。有機農業による100%の食糧自給。もちろん封建主義的問題点は多かったが、江戸時代を否定的媒介にして、日本の未来を構築することしか無い。これは、花田清輝の受け売りである。

庶民の文化レベルの高さは、浮世絵、盆栽、お祭り、花火、芸能、金魚、日本鶏、そして、稲作。どの分野も間違いなく洗練されたものであった。特にその循環型社会の知恵は、目を見張るものがある。日本とは何か。日本人の方角はどこかを、江戸時代にさかのぼり考えなければならない。

江戸時代には確かに冷害による大きな飢餓は生じたが、現実の庶民の暮らしとしては明治期の東北地方の疲弊に比べれば、はるかにましだった。明治帝国政府が自らの失態を隠ぺいするために、江戸時代を必要以上に、悪い時代であると洗脳教育を行ってきた。それは今に続いている。日本の教科書の歴史はほぼ権力者の歴史である。

そして、外に活路を求めて、帝国主義戦争の時代に進んだ。それが植民地政策であり、満州国の傀儡国家である。この失敗を2度と繰り返してはならない。江戸時代のように、日本は文化豊かな、平和国家をめざす。その基盤には稲作を中心とした、食糧自給の国を作り上げなければならない。

日本は企業の経済力に依存する国になっている。中国は習近平が「共同富裕」を主張し、企業を国家の指導下に置こうとしている。日本の企業は日本の繁栄よりも、企業の繁栄を優先する。それが自由経済であり、株主の利益を最優先しなければならない。この資本主義の限界を、日本もいわば企業の独善を抑え、社会主義的経済で乗り越えなければならない。

世界貿易の状況を考えれば、日本の企業はアメリカに移転し、アメリカの企業になる方が有利であるという状況が生まれかねない。アメリカはそれを望んでいる。アメリカは関税を使い、アメリカへの企業進出を誘導しているのだ。現状では企業は日本の企業のつもりではあるが、いつどうなるかは危ういものである。

これからの世界を考えてみると、企業と日本国の関係は再考する必要がある。国が企業に依存している形は、安全保障上かなりの不安定要因となるだろう。トランプのUSスティール買収対応を見ていると、日本製鉄がアメリカの企業になるかのようだった。

トヨタ自動車が関税問題でアメリカの企業と言えるような状態になった時に、日本の経済はどうなるのかと思う。トヨタの社長は白鳳おしだそうだ。今度はアメリカ押しになるのか。企業経営者の見識に期待するというようなことでは、到底日本の安全保障は不安定化することだろう。トヨタは日本国よりも、企業を優先せざる得ないのかもしれない。

今日は80年前に戦争に負けた日である。何故戦争に進んでしまったのか。一人一人の日本人が考える日だ。それは、日本帝国が大東亜共栄圏の思想を作り、悪い白人の帝国主義を追い払い。アジアの民を救うという建前で、実は日本の覇権主義で近隣諸国を植民地化したのだ。

その一番の原因は経済的に追い込まれたためだ。欧米の帝国主義は日本のこれ以上の拡張を許せなかったのだ。あらゆる角度から経済封鎖を行った。それは今のロシアに対する今の経済生産と同じことだ。追い込まれた日本は覇権主義を止めれば良いものを、武力によって、満州を手に入れ、日本経済の脱出の方向にしようとした。

今アメリカによって、世界はまた経済的に追い込まれようとしている。第2次世界大戦前夜の世界の経済の動きに似ている。覇権主義国アメリカの強い経済が、世界を従わせようとしている。強い物が弱い物を搾取しようとしている。ともに豊かになる道では無く、弱い物を食い物にする道を選んでいる。

世界は現状では仕方が無くアメリカに従っているが、徐々にアメリカに従ってばかりでは居られなくなる。弱い物連合が模索されることだろう。日本はそれをEUとTPPの連携にしなければならない役割がある。アメリカに対抗できる経済連携を作らなければ、さらなる負担をアメリカは要求してくるはずだ。

一番恐ろしいことが、仮想敵国中国に対する、日本の防人の国扱いである。日本と中国が戦争状態に入ることが、アメリカの狙いであるはずだ。だから、アメリカにおべっかを使う日本の右翼は、盛んに仮想敵国中国を叫んでいるのだ。お先棒を担がされて、捨て駒にされることが分からないのだ。

中国を覇権主義国家と盛んに主張するが、これは日本にいるアメリカの従属グループの、洗脳されたうわごとである。石垣の元市長中山氏など、石垣市民の命をアメリカに売り渡しているような物だ。中国も確かに国家主義ではあるが、アメリカよりはかなり増しである。尖閣問題から目を覚まさなければならない。

いずれにしても、戦争になって得をするのはアメリカなのだ。戦争では何も解決は出来ない。戦争は国際紛争の解決の手段には成らない。日本はアメリカに利用されないためにも、アメリカから距離をとらなければならない。次は軍事費の増大を求められるはずだ。毅然として断らなければならない。そのためにも中国との関係を深める必要がある。

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