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笹村 出-自給農業の記録-

100歳体操

   

 

 

100歳の動禅体操

この体操は、100歳まで農作業が出来て、絵を描くための体操である。だから、100歳で実現できていなければ、良くなかった体操と言うことになる。必ず100歳の実証主義のつもりである。自分の身体で最善を捜すために、試行錯誤を行い改善している体操。76歳段階でのものだ。

体操が始まったら、終わるまで目を閉じたまま行う。半眼が出来るようになれば、半眼で行うつもりだが、いつかできているのかどうか。丹田とか、気の流れとか、波動とか。曰くありげなものは一切持ち込まない。これをあるとすると、都合が上手すぎる。科学を軽視する東洋のお話である。純粋に身体を動かすことだけを考える。

効果がない体操ほど、非科学的な根拠のないものを持ち込みがちである。偉そうな先生が能書きをノタマウ体操は大嫌いだ。その人が100歳で元気で、実践している結果があるときにのみその体操の意味が評価される。それ以外の体操は、100歳とは関係のない体操だと思っている。

未だかつてない、自分に合う体操を考案するのが一番。人に良くても自分に良いとは限らない。薬でも、食べ物でも、身体に合うものは、それぞれである。何でも商業主義の演出が入る時代である。よさげなものほど危ういものの可能性がある。以下は私の100歳動禅体操の76歳段階の動きの確認である。100歳になった時に変わっているだろうか。

7つの形で行っている。その動きを書き留めておく。書こうとしたら、順番が分からないので驚いた。小脳化する忘れた段階なのだろう。どの動きも局部の強化の体操というようなものではない。一番近いものは、楊先生の太極拳である。動きの美しさが大切ではあるが、どちらかと言えば、泥臭い百姓体操である。

1,「ヤジロベイ」

脚を肩幅に開き立つ。膝を曲げ身体を下げた姿勢になる。空に腰掛けるように腰を落とす。調子が良ければ、深く落として行う。腕をヤジロベイのように両側にまっすぐに上げて、手のひらを前に向けて立てる。そのままへその裏あたりの筋肉を意識して、身体をゆっくりと180度まわす。反対に回して360度。

お腹を意識して、それ以外の力をできる限り使わない。これを100回。出来るようになったら200回やった方がいい。終わるとお腹が温かくなり、お腹の筋肉を使ったな、と感じられれば良い。腕の振りで体を回すことでは意味がない。スワイショウにならないように意識している。

ほかのすべての動きともに、心拍数が上がらないように行う。筋肉運動にはならないようにゆっくりと丁寧に行う。毎日行い、小脳的な運動にする。つまり、一度覚えて忘れる。歩くのと同じような動きになるまで繰り返す。

2,「背伸びしてしゃがんで」

腕を大きく頭の上に伸ばし、そのまま後ろ回しにする。大きく肩甲骨を痛くない程度に限界まで後ろを通るように、できるだけゆっくりと回す。そのままの流れで両手を空に大きく突き上げるように伸ばして行く。一番伸ばしたところで、手のひらは上に向けて、手首のあたりを上に突き出すように上げて5を数える。

次にそのまま頭上で、顔を挟むように手を合わせ5つを数える。そのまま両腕を大きく背中の方にぐるりと回す。再度手が上に上がったところでゆっくりとしゃがむ。できるだけ小さく身体を縮こめる。両手の甲を床に付ける。そのままゆっくりと立ち上がる。この動きを5回繰り返す。筋力を使うのだが、極力使わないようなつもりくらいがいい。

3,手をひら握っては開いて

左手を腰に当てて、右手を力を入れてゆっくりと前に突き出す。前にまっすぐと延ばした手を開いて、手首からぐるぐる右回しを10回、次に逆の左回しを10回おこなう。そのまま手のひらを上に向けて開く。指を親指から力を込めて、順番に指をしっかりと折りたたんで行く。

次に子指からしっかりと開いて行く。開き終わったならば、小指からの指閉じをしっかりと繰り返す。そして親指から指開きを繰り返す。次に左手も同じことを繰り返す。すべての動きはゆっくり行うが、この指体操は力は入れて行う。

4,「大の字呼吸」

床に大の字に寝転ぶ。そのまま深い呼吸を10回繰り返す。「ふー」と口をとがらせて音を出しながら、ゆっくりと息を十二分に吐ききる。息を吐ききれば自然と息をゆっくりと吸うことになる。呼吸に合わせて大きくお腹で呼吸をするつもりで、そんなことはあり得ないのだが、そのつもりでやると内臓体操になる。膨らんだ理膨らんだり、ヘコんだり大きく動かす。

5,「背伸び禅」

ゆっくりと立ち上がり、脚は肩幅のままにたち、背伸びをしてつま先立ちになる。30をゆっくり数える。ふらふらするが脚をできる限り動かさないように身体の安定を図る。ふらふらするのを何とかしようと努力する、回復力を刺激するつもりで。まっすぐ動かずに立とうという反応を大切にする。

30数えたら両手をゆっくりと上に上げて、3を数えたら、かかとをストンと落とす。最初はかかとを痛めるので注意深く行う。慣れれば強く落とす。このゆっくりとした30を、3回繰り返す。30が出来るようになったら、次は40にする。

背伸び禅と呼ぶのは、身の程知らずに禅を試みるということ。座禅は身体には良くないし、背伸び禅は倒れそうになることを、何とかまっすぐにしていようということに、体も意識も集中できるので、いつの間にかそれだけになっている。時には、限界まで背伸びすることもある。

6,「身体ふにゃふにゃ」

脚を肩幅に広げて立つ。身体をできる限り柔らかく、フニャフナヤにする。ぶらぶら手を振り、腰を振る。膝を振り、首を振る。そうして全身が柔らかくなるまで、ぶらんぶらんに揺れる。体から力を抜くと言うことが目的なので、力が抜けてフニャフニャになるまで行う。ゆる体操から取り入れた。

7,「仏像に礼拝」

最後に脚を揃え合掌をする。手を合わせ閉じた目の前に仏様の像が見えるまで静かに手を合わせて待つ。仏様でなくとも、マリヤ像でも良いが、好きな仏像が私にはいい。百済観音が好きなので、像を浮かべる。

合掌して自分が考える最も正しく、美しい姿勢で立つ。合掌姿勢で美しく立ちながら、自分の身体を感じる。足先から頭の上まで異常がないか内観で確認。仏様が浮かんできたら、深く礼拝をして、身体を90度に頭を深く下げる。下げたまま5を数えたら、また元の姿勢に戻る。これですげての体操が終わる。

7つの体操が終わって心拍数が上がるようなことはない。静かなすがすがしい気持ちで終わる。一通りやって、15分でできる。十分にやるなら、30分になる。ただ、30分をたまにやるよりも、15分を毎朝やる方が良い。よほど調子が良さそうなときに、30分体操にする。

15分体操で、腰痛も解消。タイピングフィンガーも解消。100歳まで出来て、どこも痛いところがないのであれば、人様にも役立つことだろう。体操はそれぞれだと思っている。人に教わるのも良いが、能書きは聞かない方が良い。人はついついもっともらしくなる。良いものであれば、能書きなど言う必要がない。

この体操はどこでも狭いところでも、独房に入れられても可能である。独房生活でもこの体操さえ繰り返していれば、大丈夫だと思っている。つまり生きている生身の自分というものを確認できる。健康な精神の維持が可能になる。農作業が続けられるからだが維持できる。

重要なことは、不健康な絵を描く作業にも耐えられる身体になる。何しろ、5,6時間座ったあままである。多くの絵を描く人が腰を悪くする。絵を描くというのはずいぶんと不健康なものだ。だから絵は立って書く方がいいという人もいる。アトリエカーなのでその余裕がない。

 

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