日韓会談
2025/09/06
韓国の李大統領が来日されて、石破総理大臣と首脳会談を行った。良かったと思う。日本にとって最も重要な隣国は韓国である。あまりに関係が深く、重要が故に、関係が繰り返し悪化してきた。アメリカが一国主義を打ち出している中、日韓が連携する必要性はさらに増してきている。
トランプはゆすり屋だと書かれた記事があった。的確な表現だと思った。弱みを握って、とことん脅す。日本は国防や食料やエネルギーそのほか、海外に頼らざる得ない国である。大きくアメリカに依存して、国の安全保障を確立してきた。これが間違いだった。安全保障を握られて、とことんゆすられている日本の姿が浮かび上がる。
簡単にアメリカとの関係を終わりにしろ。と繰り返し書いてきたが、戦後80年の日本の基本姿勢を変えることは大変なことなのは理解している。右翼の勇ましい連中は、一応国粋主義のはずだが、アメリカ依存が強い。だからゆすられ続ける。右翼政党の参政党や保守党が、反アメリカを主張できない情けなさ。核武装まで匂わせながら、アメリカとの同盟重視なのだ。
脱亜入欧のような、黄色人種コンプレックスが根底にあるような、いやな感じがする。このコンプレックスが、アジア蔑視につながったのだと思う。醜い日本人である。この間違った思い込みは今も続いている。大反省をして、アジアの一員として、東アジア連携に方角を変えるべきだ。
国防という弱みがあるからゆすられる。だからと言って、日本の国力では到底中国にもアメリカにも軍事的に対抗できる力がない。そこで考えなければならないのは、弱い者同士の連携である。そして、中国との接近である。一国で対抗できないとしても、連携することができれば、ゆすり屋にゆすられることもなくなる。
中国とインドが連携を模索している。アメリカとの対抗である。インドはロシアから石油を堂々と輸入している。ロシアがいつまでもウクライナ進行をやめないのは、インドの石油輸入が一つの抜け道になっているからだ。50%の関税をかけるとゆすっても石油輸入をやめようとはしない。そして、したたかに中国と友好関係を追求している。
ゆすられている同志中国と仲直りを始めた。中国は揺すられても堂々と対抗している。インドと中国は軍隊の衝突が起こるほど激しい国境紛争を繰り返している関係の国なのだ。にもかかわらず、アメリカに対抗するためには、連携を見せてやれるならやってみろと主張している。日本は尖閣諸島の棚上げを学ばなければならない。
トランプは日本が中国から攻撃されたとしても、見て見ぬふりをするに違いない。ゆすり屋は得のないことで動くはずがない。いくら出すなら考えてもいいというくらいだろう。ウクライナはレアーアースの利権をくれるなら守ってやると言うことだった。アメリカは見返りなしには助けてくれないという話になるので、今や外交のタブーだ。
それならば、日本としてはアメリカに「中国は仮想敵国だ。覇権主義国だ。」などといつまでも言わされているのは、ばかげているだろう。明日にも中国は台湾進攻をするなどという国会議員は、ゆすり屋の手先にしか見えない。もし本当に中国が攻めてくると考えているとしたら、世界情勢を理解できないのだから、国会議員失格である。
何度も書いたことだが、中国は商人の国だ。打算で動く。台湾が自ら中国との関係を回復することを、まず経済で目指すはずだ。経済関係が深まれば、軍事的に動くリスクはとらない。中国も必ず、変わる。高度成長で国にゆがみが生じているが、落ち着けば、また変わってくるはずだ。
アメリカは仮想敵国ではなく。現実の日本の経済の敵になっている。なぜ、自動車関税を25%にしなければならないのか、理由はない。要するにゆすれる材料というだけのことだ。日本がゆすりに対抗するものを準備せずに来たことは、アメリカに依存して、騙されていたということになる。
韓国との関係強化である。これはアメリカも文句は言わないだろう。ただ日本の右翼には靖国神社参拝をするような、おろかな弱みがある。だから仲良くなりにくい。靖国神社は軍国神社である。日本の侵略戦争を美化する神社である。靖国神社を否定して、日本の侵略戦争を心から謝罪する以外に、韓国との関係改善はない。この現実を石破総理大臣も理解していない。
日本の戦争の記憶は、被害に偏りすぎている。被害者として死んだ軍人よりも、加害者として殺してしまった軍人のほうがはるかに多いのだ。この加害の記憶を語り継ぐ語り部は過去にもいなかった。確かに日本人としては思い出すこともつらすぎる歴史である。靖国の英霊も、加害の英霊なのだ。
被害の記憶を語り継ぐことは、日本でもたくさん行われている。記念館も何十館もある。それは韓国でも同じことだ。韓国で日本から受けた被害の記憶が語り継がれることは、日本人としてつらい。しかし、それぞれに直視しなければならない戦争の加害の記憶なのだ。
加害の歴史を記憶することはつらい。しかし、忘れて済むような問題ではない。人を殺せば、その罪を償わなくてはならない。今ロシアやイスラエルが行っている殺戮は、他人事ではない。かつての日本は似たようなことをやってしまったのだ。この戦争犯罪に対する深い反省なくして、韓国との連携は生まれない。
韓国や中国では、日本が行ったとされる戦争犯罪を、反日の教育にしている。反日映画が作られて、共感を得ている。その表現が、大げさであったり、過大であったりもすることがあるだろう。日本人としてはつらすぎることであるが、受け止めなければならないことだ。日本が行ってしまった責任がある。
その前提での、東アジアの連携の模索以外にない。トランプの出現でアメリカの本音が露骨にあらわされた。世界中がトランプにゆすられている今が、日本がアメリカから距離を取る良い機会だ。中国インドは、アメリカとの関係の悪化を避けようとしていない。学ばなければならない。
ヨーロッパも中国インドとの関係を復活しようとしている。世界中がゆすり屋アメリカから距離を取ろうとしている。アメリカの力は圧倒的だから、一定関係を維持せざる得ないとしても、その背景で脱アメリカを模索している。日本が世界で一番アメリカ依存が強い国だ。このままでは世界の動きの変化に乗り遅れる。
日韓会談はとても良い機会だった。互いに関係を回復しなければならない、置かれた苦しい立場を認識しているからだ。韓国も、日本も、共同して中国との関係の改善を図る必要がある。韓国もトランプに揺すられている。特に国防について脅されている。日本と連携して中国との関係が改善できれば、国防予算を増額しないでもすむ。
中国仮想敵国政策ほど、馬鹿げたことでアメリカの差し金なのだ。日本の右翼はどういうわけか、この尻馬に乗って騒いでいる。中国に届くミサイルを配備すると憲法違反を、進めている。石垣の中山市長もその先頭に立って進めている。なぜ、市民の命をアメリカに売り渡すのか、全く理解に苦しむ。
この背景にある、日本の右翼とアメリカの軍との暗い関係が想像される。ある種の洗脳が行われているのだろうと思う。お金も動いていると考えた方が良い。弱みも抑えられているのではないか。その結果、中国が日本を攻撃すると思い込んでいる節がある。そんなことは間違ってもない。中国をよく理解すれば、そんな妄想に巻き込まれるはずがない。