マイコス菌苗の田植え
2025/04/24

マイコス菌の実証実験の田んぼで、3月24日田植えを行った。全国各地、海外からの人を含めて30人あまりの方が来てくれた。田んぼの活動を繰り返し行ってきたが、今回ほど真剣に取り組んでくれた田植え体験はかつてなかった。夕方6時までやったが、充実感に満たされた田んぼ体験だった。
多くの田植え体験が子供に田植えをさせたいという親の願いのことが多い。子供は遣らされ感がある。そしてそもそも親は田んぼをやりたいわけではない。回りから子供の撮影をしているなどと言うことが多い。こんな体験は無意味どころか悪い結果になる。
苗取りから始まった。私は8時過ぎに行き準備をして待っていたのだが、事前準備係の3人は10時になってから現われた。これはダメだ。苗の取り方も遅く、丁寧ではあったのだが、12時までにかなり残ってしまった。苗採りは田植え以上に時間のかかるものだ。
予定を変更して、30人の人たちにも苗採り体験をして貰うことにした。残して良かったと思えた。どんなところに苗が生えていたのか。全員に苗採り体験もして貰うことが出来た。こういう田植え体験は珍しいのではないか。折衷苗代というものをよく説明した。種まきからここまで7週間かかって、全く水のない時期が半分くらいあったと言うことなど。

線引き体験
今回、田んぼ体験を行ったのは樋口さんと一緒に水牛を使い準備を進めてきた、8番田んぼである。マイコス菌の実験田んぼである。この田んぼは乾いていることの方が多い。このところ雨が多かったので、苗作りの後半の2週間は水があった。
2月4日に種を蒔いた。7週間の育苗で5葉期である。かなりゆっくりの育苗であった。生育に時間がかかったのは、やはり水のない期間が長かった為と考えて良いのだろう。本来5週育苗、5,5葉期くらいが良いと考えている。7週育苗は少し小さかったが、苗は悪いというほどではない。苗の色は黄色ではなく、健全な緑色である。苗床はかなり肥料がいる。
苗代が真っ白に乾いている期間が何週間もあったので、マイコス菌をまぶしてない種籾ならば枯れているだろう。苗代が乾いて、コチコチの堅い土壌になった。歩いて足跡がかすかにつくくらいの硬い土壌である。乾くと石のようになるのが、石垣の腐植ない土壌の特徴である。

苗採り体験
マイコス菌は鳩胸状態まで浸種した「にじのきらめき」の種籾にまぶした。そして水のあるときに作った苗代に蒔いた。蒔いて覆土はしない。そのまま何もしていないで経過を見てきた。グリーンネットをネズミと鳥よけに架けただけである。どう言う微生物資材なのか、不思議に健全に成長した。
水がないところでも田んぼが出来るマイコス菌、微生物資材と言うことである。今回はともかく実証実験である。苗採りした苗はマイコス菌を溶かした水に根をつけておいた。ココデネニヨクマイコス菌を付着させる必要があると考えた。
8番田んぼは雨が多ければ水が来て、雨が少なければ水が来ない。この状態で稲が普通に育つのかである。田植えの後はしばらくは水を浅く張る予定である。畦際に溝を掘り水を回す。この田んぼにはジャンボタニシがかなりいるので、苗が大きくなるまでは水張りはしないで、ひたひた水の湿潤土壌状態で進める。
排水口は稲が大きくなるまで解放しておく。苗がそれで根付くのかどうかもみたい。かなり不安なことだが、農業はやってみなければわからない。現状ではぐちゃぐちゃぐらいの土壌の湿った状態である。
苗採り、線引き、代わる代わるやって貰い、いよいよ田植え。植え方を細かく聞いて貰ったが、よくよく理解した上でやりたいと言うことで、質問も多かった。しかもみんな立派に植えてくれた。田植えが終わると見事な田んぼが現われた。
そしてすぐに、防風ネットのためのくい打ち。長いものはユンボを使い、短いものはくい打ち機で行った。風が強いために、田植えが終われば、すぐにネットを張る。ネットがなければ根付いていない稲はたちまちに枯れてしまう。幸い、珍しく風のない一日だった。
くい打ちが終わり、今度は防風ネットの準備。干川さんがくれた大きなネットを3つにはさみで切って、3枚で一回りできた。上部をステンレス線で止めて、中段と下段にネット押さえの線を針で通した。さらに一番下に鉄パイプを並べた。これで風でばたつかなくなった。
今度は田んぼの上に黒い線を渡した。これがあると後で天井のように上部に鳥よけネットを張ることが出来る。そして出入り口を完成して、すべて終わった。すると使った道具などをどんどん洗ってくれた。苗代を覆っていたグリーンネットも水洗いしてくれた。
始めから終わりまで、気持ちの良い人たちとの活動だった。稲にもそのことがわかったはずだ。良い生育になるに違いない。この田んぼは2週間この後水は入れない。雨が降っても排水を続ける。ジャンボタニシがいるから、苗が大きくなるまで、水はまずい。
今日これから田んぼに行くのが少し怖い。ジャンボタニシがどれくらい現われているかである。早く言って駆除したい。もう少し大きな苗ならば良かったのだが、田植え体験の日程が、3月24日と決まってしまったので、それに合わせてやるほかないと言うことになった。
この田んぼには田いもが20本ほど植えてある。かろうじて枯れないぐらいに水が入れば良いと思っている。つまり、田いもがバロメーターである。マイコス菌がまぶされていない田いもがどうなるか。それと稲を比較しながら見て行くつもりだ。
8番田んぼは水が行かなくなる時期がある。もちろんできるだけ多くの水が行くようにするつもりだ。しかし、井戸水を入れると言うことまではしない。水がなくなったときに稲がどう言う変化を見せるのかをじっくり観察したい。
また、水がない田んぼでどの程度雑草が生えてくるかである。これもかなりの問題になるはずだ。多分ヒエがかなり出る。どの程度出るか、カヤツリグサはどうか。雑草対策に水のない場合どうしたら良いかが、一つの課題になるだろう。