石垣島最低気温3月21日

   



 石垣のウエザーニュースの天気予報では17日、18日、19日、20日、21日の5日間、最低気温が12度まで、あるいは11度まで下がると予報されていた。3月中旬の石垣島ではかつてない低温予報だと思われる。でも、海開きの頃が一番寒いとはよく言われることだ。

 我が家の気温計では17日は14,6度だった。18日は15、4度である。19日は13度である。20日は14度、19日は13度だった。ウエザーニュースでは1,2度低かったが、気象台で確認したが私の家の気温計の方が正確だった。本当にしょうもない。今は3月24日3時40分だが、20.3度である。

 これが11月から3月までの間で一番寒い4日間だった。石垣島といえどもこれは異常気象だ。例年並みがない気象の条件が続いている。稲が心配だった。稲は穂ばらみ期である。一番冷害が起こる時期なのだ。穂ばらみ期の不稔の起こる気温を見てみる。

 適温  最高温度27.5 ~ 29.5  最低気温17.5 ~ 19.5 
やや適温 最高気温24.5 ~ 27.5  最低気温14.5 ~ 17.5 
やや不適 最高気温21.5 ~ 24.5  最低気温10.5 ~ 14.5 

 今回の低温は、やや不適に入ると言える。水温については割合高かったので、しのいでくれたかもしれない。かなりの不安条件である。このところ毎年が異常気象である。例年通りというようなことはもうない。今年良かったからと入って、来年どうなるかもわからない。

 石垣島に来て以来12度まで下がったことはない。また外れてほっとしたところである。こんなに下がるはずがないと楽観していた。ここでの2,3度の違いは、稲作にはかなり深刻な違いないのだ。17度以下では冷害と言われている気温になる。そこまでは下がらなかった。花粉が全部死んでしまうほどではない。

 以下農林水産省の資料。
 穂ばらみ期の低温による不稔 
(ア) 低温による影響を受けるのは で、 内の充実花粉の減少により不稔籾(不受精籾) が発生する。 
(イ) 花粉の発育は次の順序を辿る。出穂前15日から16日頃になると、穂上部に着生する穎 花の菊の中では、花粉のもとになる細胞(花粉母細胞)がつくられ、2度の分裂(減数 分裂期)を経て4個に分かれ (4分子期)、それぞれ独立した小細胞(小胞子期)にな り、小細胞内に澱粉が集積して生長し、花粉として完成される。
 (ウ) 花粉が形成される過程で最も低温に弱いのは小胞子初期(4分子期~小胞子前期) と され、出穂前11日前後にあたる。この時期に低温を受けると小胞子は退化して消滅する。 その後の、小胞子期の中・後期に低温を受けると中身が空になり、充実不良な花粉にな る。こうして充実花粉が減少すると、 の不裂開や受粉数の不足、柱頭上における花粉 の発芽不良などを起こし、開花しても受精しなくなる。
 (1) なお、90%以上の受精率を確保するために必要な限界花粉数は、 当たり640個と算定 されている(1983年 西山)。 穂ばらみ期(出穂前11~20日頃)に障害不稔が発生する温度条件は、平均気温20℃ (アメダス値では19.2℃)、最低気温17℃(アメダス値では16.8℃)以下で、これらの 気温が低下するほど、また、その継続期間が長いほど不稔籾の発生量が多く、減収程度 が大きくなる。
しかし、同じ低温条件であっても、品種や日照時間(日射量)の多少、 施肥条件などの前歴や、低温後の生育状況、栽培管理等の後歴により不稔発生率や減収 率は異なる。 - 194 —
 (オ) 障害不稔の発生による減収率は、不稔歩合50%までは稔実籾の登熟の高まりや千粒重 が重くなる等といった補償作用の働きにより、不稔歩合に比べ減収率は低くなるが、不 稔歩合50%以上では補償作用の効果が小さいため収率が高くなる傾向がみられる。 

 天気予報というものは外れても、反省をすることがない。一向に気にかけている様子はない。昔ゴールデンウイークの予報を外して、予報官を止めた気象庁の方がいたと記憶している。確か関東の中で神奈川県だけが雨予報を出したとか。そう覚えているのだが、探したが見当たらない。記憶違いか。

 そうした名人予報官の吟爾は時代遅れなのだろうか。テレビは昨日はずれましたなどとニヤニヤしている。いくらコンピュータの責任だとしても、あれでは情けない。昔の名人の的中率は80%だそうだ。しかし、その名人でも石垣島では50%ぐらいまで下がるだろう。小田原よりもかなり難しい。

 小田原の天気予報名人のつもりだった。野外で大勢が集まる企画をよく立てていたので、天気を真剣に予報するようになった。結局は天気予報よりもそのときの海や山や空を視て予測する。これが出来るようになると、久野地域の天気は読めるようになった。石垣の予報は全く出来ない。

 外れる前提で予報は出来ている。あと20年ほどしたら、外れない天気予報が出来ているのだろう。この程度の違いは、ウエザーニュースでは当たり前のことなのだろう。信頼性が低い、天気予報は当たり前ではない。外れるのは10日に1日ぐらいにして貰いたい。

 ついでに悪口を言わせて貰えば、あの今日は長袖が必要ですとか言うのは、全くの
蛇足でくだらない。そのぐらい自分で考えるようにならなければ、百姓にはなれない。天気予報で傘はいらない、半袖で良いと言われた。などというのでは農作業は出来ない。

 天気予報は衛星の精度の高い衛星写真が導入された。しかも予報のコンピュータを入れてから、どうも外れるようになった。これもまた不思議なことだが、コンピュター革命の初期のためだろう。職人的予報士がカンを加えて判断した方が正確という段階である。

 天気予報はいつも悪い方を予報しがちである。悪く予報して、良い方に外れたなら、罪が小さいと考えているようだ。台風などいつも石垣島を通過する予報になる。ほとんどがそれている。外れて良かったということで済まされている。科学的予報に、配慮が加わる。

 台風はおおよそ東京に向かうことになる。そう言っておけば、東京を直撃したときに批判されないからだろう。現実には東京直撃など滅多にない。それは大雪でも、大雨でも同じことだ。東京などわずかな雪で死ぬ人まで出るから、気象庁も雪がちらつくくらいでも大雪予報を出す。

 石垣島の稲作では、今年の3月半ば以降の低温は異常なことであった。しかし、稲の不燃障害がどの程度起こるのか、不安でならない。今年は調度この時期に一番冷害に問題が起こる、穂ばらみ期が当たった不運。しかし、これから異常気象はいつでも起こると覚悟しなければならない。

 その意味でも、年3回の収穫を目指す、ひこばえ3回収穫技術を完成させたい。そのうち2回収穫があれば、自給できる農業である。一回に多く採れることがあれば、保存して異常気象に備える。自給農業は主食の確保を確実に行えることだ。
 

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