カルト集団と日本人

   



 世の中が不安定化して、カルト集団が現れる。統一教会問題が今は騒がしいが、オウムのようなさらに過激な集団がいつ現れても不思議ではないような社会かもしれない。オウムも相変わらず存在がなくなったわけではない。

 今は知られていないカルト組織が、日本に存在する可能性が高い。今日は政治を諦めたと言いながら、あれこれ不満やるかたない気持ちを書く。もう、止した方がいいかと思いながら。

 何故カルト集団が登場するかと言えば、社会が方向性を失ったからだと思う。日本の社会はその意味で安定していたと言えるのは江戸時代まで200年もさかのぼらなくてはならない。鎖国して経済を停滞させて安定化した。江戸時代は現代の感覚からすれば、身分制度のある封建社会という不愉快極まりない社会であったわけだが、カルト集団が登場する余地は少なかった。

 社会が安定するためには地域社会において共通の基盤があり、誰もが受け入れている社会通念がある状態が必要だ。社会倫理が成立している社会かもしれない。正しい人間がいた社会と言えるかもしれない。親が子供にこんな人間になりなさいと言えるような次の時代を信じられる社会と言えるだろう。

 今の社会は地域というもの自体の成立が弱くなっている。個人に分散した社会。個人が孤立しても生きて行ける社会。人間が個人に分かれた時に、一人一人が安心立命して生きることは出来ない。そこに反社会的な、つまり社会に損害を与えるようなカルト集団が登場して、その孤立し未来を見失しなった人間を悪用しようとする。

 安倍氏が不愉快であった理由はこの所にある。つまりカルト集団の張りぼてだったからだ。統一教会はその暗闇の正体の一つに過ぎない。日本会議のような組織もいわばカルト組織と考えてもいいだろう。右翼革命を目指している集団である。そのほか、パソナグループや電通に象徴される企業だって、ある意味カルトと考えておいた方がいいのかもしれない。
 
 杉田水脈氏が政務官に就任したことにはさすがに驚いた。杉田氏は炎上議員である。わざわざ問題発言を繰り返し、自民党極右派アイドル議員の座を狙っている人だろう。政務官に就任したという事は、その意味では杉田氏の炎上作戦は功を奏して自民党の黒い組織に支持されたのだ。

 岸田氏に見る自民党の劣化は日本の劣化である。統一協会と関係を持った議員を今内閣に入れることは、統一教会問題に間違った方向を作ることになる。安倍氏の国葬も同じことだ。日本の政治の葬式になりかねない。おかしいことをしても、選挙に勝てばすべて許されるという話になりかねない。

 様々な組織が倫理を失い、反社会的な行為を行う。その象徴的な位置に安倍氏は置かれた。だから、自分で行動していたとは思えない。一番の長期政権と言うが、病気を理由にして総理大臣を2度も辞めさせられた。しかも、その後も自民党を裏で支配しようとして暗躍させられていて、テロで殺される結果になった。

 その安倍氏が国葬というのだから、日本は完全に倫理を失っている。安倍氏が日本のために行動したことなど全くなかったではないか。北方領土問題や、北朝鮮との拉致問題。中国仮想敵国。何も解決できなかったどころか。より悪化させたのが安倍氏ではないか。

 アベノミクスは企業優先の経済政策である。黒田氏が誘導している円安は確かに企業に利益が出て、庶民は生活が苦しくなる。税金とは違う形の、国民から絞り上げる方法である。日本では所得の増加が物価に追いつかない。企業は利益を出している。

 政府のコロナ患者の把握方法が迷走している。こんなことすら、判断できなくなっている。患者数の把握方法を変えるべきと言い出したのは全国知事会だったかと思う。保健所や医療機関の負担が大きすぎるから、負担の軽減を図るということだった。それなりに理解できることだ。

 ところが、軽症患者をコロナ感染者の登録から外すと、コロナ患者ではないのだから、コロナ対応の薬が使えなくなると言う。軽症だと思って自宅待機していたら、死んでしまったという人が後を絶たない。何しろ一日300人超えの死者がいる状況なのだ。

 政府は各自治体の判断に任すとしていた。4つの県が医療機関の負担を現ずる方法に変えたのだが、朝令暮改で政府が全国統一の方針を出すことになった。又戻すというのか、新たな軽減策が出てくるのか。はっきりしているのは政府にコロナ対応能力がないという事だろう。

 コロナ対応は自助でお願いしますというのが、日本政府はあらゆる場面で自助でお願いしますなのだ。政府と官僚に距離が生まれたのだろう。アベスガと人事で官僚支配をしていた。出世したいだけの佐川局長のような人は、ひたすらアベ忖度をして、報告書の改ざんまで支持していた。

 しかし、確かに官僚や検察はアベスガの言いなりに動いていた。日本の官僚は人事操作以外では政府の言うとおりには動かないという証明かも知れない。岸田内閣はコロナ対応でも、まともな方針すら見失った。もう政府がどれほど無能でも驚くこともなくなった。それを選ぶのは日本の有権者なのだ。

 官僚の扱いが出来ないのだろう。
コロナの総数把握の方針はそもそも政府が考えるようなことでは無い。コロナ対策の専門委員と医療系の官僚が考えるべきことだろう。たぶんその中で意見が分かれていても、まとめる能力のある人がいないために、良い方針が出せなくなっているのだろう。

 官僚と政府の関係の実際の所はまったく分からないが、岸田氏の原子力不拡散の外交も話にもならない。日本は被爆国として、非核保有国として、もっと核保有国に対して主張して良い。そうでないとすれば、北朝鮮の後を追うと言うことになる。それで世界は終わりになる。

 日本に平和外交があるとするなら、核不拡散で動くほかないはずだ。小さい、弱い、核を持たない国も、核保有国に脅かされて良いはずがない。ロシアのように、核保有国が核を持たないウクライナに核爆弾で脅しをかけるなど、世も末だろう。

 北朝鮮の選択が正しいと言うことになる。世界中が核保有を始めるだろう。当然日本もそういう選択をする。つまり、世界はおわりだ。どこかの狂気の独裁者が核のぼたんを押すことになる。想像もしたくないが、プーチンの行動を見ると、無いとは言えないことになる。

 書かなない方が良かったかもしれないことを書いた気分だ。社会が危ういところに来ている気がする。人間はこのまま悪い方に行ってしまいそうだ。
 

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