北朝鮮問題の向き合い方
北朝鮮が問題だというのは、かなり前から想像できた。対応がおくれ遅れでここまで問題を大きくしたのだ。北朝鮮問題に関しては、政府ももちろん、北朝鮮問題の専門家も解決の方向を示していない。断固抗議すると繰り返す政府が、いかにも無力だ。何故、誰にも解決策を示せないかには理由がある。核大国による世界支配を世界が容認しているからである。核保有国の存在を揺るがないものとしてしまえば、解決策はない。だから北朝鮮の無謀な挑戦も、ゆがんではいるが一理はあるのだ。トランプと何ら変わらない、北朝鮮ファーストなら核保有を目指すのは当然という結論になるだろう。解決のための唯一の方策は、世界の核保有国の利己的な考えを正すことだ。核軍縮を進める以外にない。自分たちだけは正義の核保有で許されるなどと考えていることが間違いなのだ。日本は核保有していない。そして被爆国である。世界に対して、核廃絶を主張すべき立場なのだ。理解不能のトランプの配下になりたがる安倍政権は、誇りなき国家を目指しているのではないか。
中国を仮想敵国にするのは見当違いで、中国と共同でテロ国家北朝鮮問題に取り組まねばなかったのだ。北朝鮮は原爆や化学兵器そしてサイバー攻撃、１年経つごとにその危険度が増してきている。もう遅れてしまったのかもしれない。アベ政権は北朝鮮を貧困国家で、飢餓寸前の国だと思いたかったのである。大したことは出来ないと高をくくっていた。右翼系報道は面白おかしくそういう報道を流し、判断を遅らせた。北朝鮮の経済は意外に良いのではないかと考えてきた。全く、政府は希望的観測を続けていた結果、今になって慌てている。泡を食っても、ミサイル発射のたびに、同じ役者が厳重に抗議し、断固圧力を高めてゆく、と叫ぶだけである。親分のアメリカにお願いはしただろうが。何か具体的な平和的手段で努力をしているようにはまったく見えない。政府は日本国憲法違反である。国際問題を平和的手段で解決しなさいと憲法は政府に命じている。努力もしないで平和的手段などないと決めつけているに違いない。
平和的手段はある。アメリカ、中国、ロシア、を説得することは、日本のやらなくてはならないことだ。この努力は日本にしかできない重要な役割だ。北朝鮮と話し合いをしても効果がないのはアベ政権の主張する通りだ。それよりも、アメリカ、中国、ロシアに対して、北朝鮮に対する共同歩調をとらせる努力をすることだ。その３つの核大国に対して、核軍縮を含めた北朝鮮と交渉できる土台作りをするのが日本の平和外交だ。現状ままゆけば、北朝鮮の無謀な挑戦は危険度を高め、アメリカが先制攻撃をするか。北朝鮮が暴発するかまで行くと見て置かなければならない。どれほどの経済封鎖をしても、原爆を手放すとは思えない。日本の米軍基地にミサイルが飛んでくる可能性が一番に高い。その意味では北朝鮮が大陸間弾道ミサイルを完成させた方がましなくらいだ。アメリカまで飛ばせるならば日本は通過してくれるかもしれない。その前に、平和的手段で解決を目指すことだ。その努力を世界に見てもらえば、日本へのミサイル攻撃は避けるかもしれない。
金正男暗殺事件の際の北朝鮮とマレーシアの交渉経過を見ていると、東南アジア諸国もそれぞれに複雑なものだとわかった。一枚岩どころか、北朝鮮との関係を上手く利用しようとする国さえある。日本はあまりに単純である。アメリカの手下一辺倒で、自分の方向性がない。アメリカに言われて沖縄に自衛隊基地の建設を進めている。馬鹿げていないか。問題は北朝鮮なのだ。中国ではない。日本は中国と和解して、北朝鮮に対して一緒に問題解決をしなければならない状況である。アメリカのトランプの方がよほど、賢い。トランプ登場以来予測していたように、アメリカは中国との関係を変えようとしている。アメリカは中国を強敵だとは考えているが、中国と敵対しようとは考えていない。アメリカファーストで中国をどう利用するかを考えている巧みさがある。アベ政権をお調子に載せて、中国敵視させておくのが得策なのだ。そして都合が悪くなれば、アメリカは知らない、日本の勝手な行動だという事になる。
アベ政権がなぜ中国を敵視するのかの理由は、幼稚な明治帝国主義の後遺症である。脱亜入欧の尻尾が残っているのだ。恥ずべき黄色人種の劣等感。その裏返しの日本帝国主義の亡霊。日本は中国と協調して、アジアの時代を目指さなければならない。ミサイル基地を作るなら、沖縄でなく北朝鮮向けのはずだ。能登半島、対馬と主張するならまだわかるが、何故南西諸島を基地の島にするのか。これでは中国との関係が悪化するばかりだ。中国と仲違いして誰が得をするのかを考えなければならない。アメリカであろう。アベ政権はアメリカファーストに利用されているのだ。北朝鮮が暴発する前に、アメリカの譲歩を引き出す。そして、中国、ロシアに協力させる。これ以外に北朝鮮問題を解決はできない。それでもできないかもしれない。それでも、アメリカの尻馬に乗って騙されているよりは増しではないか。