マレットを作る

   

ギャラリーの下に、楽器やマレットを置いてある。

木鼓を作っていると、それを敲くばちが必要になる。手で敲くことが演奏としては面白いと思っている。ただ良い音を鳴らすだけのためには、良いばちがある方が良い。タングドラムのばちをマレットというらしい。材質は、木の玉の物。ゴム製の玉の物。毛糸の玉の物とある。どれも比較的簡単に作ることが出来る。木の場合は丸い球を作り、持ち手の棒と繋げばいい。木の場合は音が硬く出る。甲高くともいえる。特に黒檀の玉で作ると金属で敲いているような音になる。私はあまり好きではない。ゴム製の音が一番柔らかい。音のニュアンスも出やすく、手で敲く音に近い。マレットで敲く場合一番使いやすいと思う。ゴム製のボールはスーパーボールを使っている。あの良く弾むゴム玉である。32ミリか38ミリくらいのものが使いやすいようだ。出来た楽器の音の響きの確認はゴム製のマレットでしている。小さい10ミリくらいの物で作ると雨音のような面白い音になる。

小さい方が32ミリ、大きい方が50ミリ。持ちては竹で菜箸。

38ミリのスーパーボール。持ち手はドラムのステック。

一番音の良いのは毛糸である。毛糸を硬く巻き付けて玉を作れば硬めのマレットになる。毛糸の巻き方で音の違いが出る。売られているものは立て巻きになっていて独特である。芯にゴムがありその上を毛糸で蒔いてあるらしい。私はただ棒の先にぐるぐる巻くだけである。丁度良い感じに巻くことは案外に難しい。木に近い硬質な音になる。野球の硬球の芯が毛糸を巻いてあるという事がよく分かる。全力で巻けば金属に近い感触である。緩くソフトに巻くのも面白い深みのある音が出る。自分の好みの巻き型にする方が良いので自作すべきものだろう。これが案外に巻き方が難しい。売られている物は複雑な巻き型をしてあるが、自分でやる場合は最初に接着剤をつけておいて、ぐるぐる単純に巻く。ほどけやすいものだが、ダメになったらやり直すことにしている。毛糸の太さも案外に影響するようだが、中太ぐらいなら軽く巻くのが良いようだ。極太や太を思いっきり強く巻くというのもいい。自分の好みの音を探すという事になる。

ステックに毛糸を巻いたもの。

握りは木の棒と書いたが、実は竹で作る。竹藪から竹を切り出すのでなく、100円ショップで、竹製の菜箸を買ってきて利用する。一番太い長いものがちょうどよい。今度ドラムのステックを使ってみようかと思って、ネットで1本100円くらいのものをまとめて購入した。ヒッコリーが良いもののようである。なぜこんなに安いのか不思議だ。ステックの先にある木の玉が毛糸を巻く際に役立つ気がするのだ。もちろん敲く際の手触りや握りの太さも良いかもしれない。木の玉は轆轤で作るのだろうが、高校生の時にステックを自作したことを思い出した。やはり子供の頃から太鼓を敲くのは好きだったようだ。出来れば紡錘形というか、ラクビ―ボール型が良い。わざわざ木で作る場合は堅木の方が木の特徴が出る。柔らかな木ではシャキットした音にならないような気がする。以前、インドネシアの木琴を購入したら、先は栗のようなとがったマレットだった。ハンマー型のたたき棒も作ってみたが、これなどは音の試験には、便利なものだ。

堅木を栗のような形に削り出した、インドネシアのマレット。金属的な面白い音が出る。

ゴムの場合はスーパーボールを使うと音が良い。ゴムの反発力が強いことがが音の良さに表れている。竹の太さに合わせて穴をあけるのだが、結構割れてしまう。制作するときの穴の大きさとばち棒の太さのバランスが重要。穴はドリルで簡単に開くのだが、接着が難しい。38ミリ以上の玉であれば割合とれない。100円ショップの菜箸を使う場合は8,5ミリ穴くらいが良いようだ。それでも接着部分が取れやすい。ボールの大きさと音の感じは連動していて、何ミリの玉にするかで音がかなり違ってくる。最近やっとマレットで敲くニュアンスがあるという事が分かった。今度、みんなで敲いた時にいろいろ持って行って意見を聞いてみようと思う。鳥のさえずりのような演奏をするには小さな球で軽く敲くとおもしろい。大きな45ミリ玉消を使うとかなり重厚な音になり、深い音を出すことができる。いずれにしても消耗品と思って作るしかない。

 

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