蓮舫議員の二重国籍

   

蓮舫議員が民進党の新しい代表に選ばれた。総理大臣を目指すとしている。高く評価していた議員である。以前から何度か、蓮舫氏の国会質問の優れていることを書いた。他の議員にも蓮舫氏の論理的な追及の仕方を学んでもらたいと思っている。今回民進党代表選挙に出るにあたり、2重国籍ではないかという疑念が出てきた。まさかと思っていたが、何と本当のことであった。これは国会議員として問題があることだ。法律違反である。人に厳しいものはまず自分に厳しくなければならない。特に国会議員は国民の代表であり、権力を有するものである。2重国籍であることをうっかり忘れていたでは済まないことである。日本人であるという事は日本国籍を有するものである。同時に台湾人であるという事は、台湾の国籍を有する人のことである。二重国籍であるという事は、いつでもどちらかの国の人間となりうる都合のよい立場である。それは日本国にとっては、不安定なところに位置する人間である。そのような立場の人が国会議員になるのはおかしなことだ。

蓮舫氏が日本の国会議員になろうと考えた時に、確認し、台湾の国籍を破棄しなければならなかった。国家と移民の問題には関心がある。特に、日本から中南米への移民。そして満州への移民。日本の明治政府の帝国主義と疲弊した農村の状態。その結果起きた棄民政策とも取れる移民の奨励。移民した日本人のその後の暮らしのことを一言では語り切れないものがある。日本の国家主義の本質を考えるうえで、重要な問題だと考えている。帝国主義国家が国というものを重視しながら、国民というものをないがしろにする現実が移民政策には現れている。中国人は世界中に出て働いている。国を出て、商売をして、故郷の一族に貢献する。特に台湾、韓国、には最近植民地であったという歴史もあり、日本への帰化問題はそう簡単に考えない方が良い。また、当人が簡単に考えていたはずもない。もし、本当に国籍問題を忘れていたとするならば、そのような自分の出自に意識が働かないようであればそれはそれで問題だと思う。

私は左翼的国家主義者なのではないかと自己認識している。国というものが一つの暮らしの単位として、市町村が重視されなければならないと考えている。その統括としての国家とは、国民主権の国家のことである。立憲主義の国家のことである。国会議員とはその民主主義国家を、国民の代表として運営を担うものだ。日本という国の方角を誰より考えなければならない。そうあってほしいと思う。日本国という単位を真剣に考えてもらいたいのだ。その意味では安倍一族は考えは違うが評価できる。企業が国を超えて活動している。日本国の国益と、企業の利益が必ずしも一致しない。企業と国家の関係は今後の世界にとって重要な要素になるだろう。私は、日本の企業は日本国の為に活動する企業のことだと考えている。企業の利益の為であれば、タックスヘブンを利用するような企業は、日本の企業とは思わない。国の枠が企業によって壊されようとしている。

蓮舫氏が二重国籍者であった以上一度国会議員を止めるべきだ。そして、日本国籍になってからもう一度国会議員になるほかない。このままでは民進党は終わる。日本がどこへ行くかを考えるときに国家とは何か、国の枠とは何かを真剣に考える必要がある。アベ政権は外国人労働者を受け入れようと考えている。企業の要望である。また経済優先の発想である。日本の社会をどんな社会にすべきなのかを議論しないうちに、労働力を海外から安易に導入することはあってはならない。日本が日本であることを探り続けることこそ、日本が世界に貢献できることである。江戸時代日本が構築した循環型社会は、世界の唯一存続可能な形である。鎖国という形で閉じた中で探り当てたものである。いま日本が閉じろという事ではないが、日本というものの本質に向おうとしなければ、日本の存在価値も失われると感じている。それは国というだけでなく、自分個人が生きる中で感じていることだ。

 

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