はしかの流行
はしかの流行が世間を騒がせている。理由は、はしかのワクチン接種が1978年に始まって40年たったからだ。それまではワクチンなぞないから、自然に感染し、回復した人は2度と感染しない強力な自然免疫を獲得した。しかし、はしかに感染して重症化した人も存在したのかもしれないが。はしかは、一種の通過儀礼で、子供たちの間ではまだお前はかかっていないのかと言われるようなものだった。私もかかったようだが、さしたる症状すら出なかった。大人になってかかると重症化するとも言われていた。ところがはしかワクチンというものが登場した。自然免疫ではなく、人口免疫をつけようという事だ。この人口免疫はアメリカで出来たもののようだ。日本のはしかウイルスには自然免疫ほど強力でないという弱点があるのかもしれない。日本ではワクチンを接種しない人も多数存在するという事になった。こうなると、大人になってはしかにかかり、重症化するという人が現れる可能性が出てきた。さらに、妊婦が感染すると、胎児に影響が出るという昔はなかった問題が出てきた。
ワクチンで病気を解決する方法は、病気を克服したわけでないのだ。ワクチンはウイルスを弱毒化して、感染はするが発病はしないものに変えたものだ。ワクチンには完ぺきという事はない。100世代も繰り返し増殖させながら、弱毒化したウイルス株を探しあてるらしい。ある意味ワクチンは一時しのぎなのだ。ワクチンをしてはいたが、その免疫力を超えたはしかの感染が起こる可能性は常に残る。アメリカのようにはしかを克服した国に、また日本からのタイプの違うウイルスが持ち込まれるという事もある。日本のようにワクチンをしないでいる人たちが大量に存在すれば、大流行に繋がる。ワクチンを使うとすれば世界中が一斉に、徹底した接種が必要なのだ。一方にワクチン市場という経済が存在する。いまや医療は何兆円の産業である。国の経済にもつながってくる。消費を活発化するために、ワクチンの接種をあらゆる病気で行おうという、思惑もないとは言えない。
私は鳥インフルエンザでワクチン問題に直面した。鳥インフルエンザではワクチンを使ってはならないという事になっている。ところがメキシコや中国ではワクチンを使ってもよいことになっている。そもそも、鶏を工場の中のような閉鎖空間で飼うのに、ワクチンがいるはずもないのだが、この閉鎖空間は劣悪な環境で、常に病気とぎりぎりに戦っている。つまり消毒、薬剤、ワクチン、で何とか病気を抑えている。もし鳥インフルエンザが入ったら、何万羽が淘汰になる。違法であろうとワクチンで抑えようという人が現れたこともあった。その違法ワクチンでの中途半端な免疫を持った鶏が、感染を広げて行く結果になった。つまり、一切の野鳥を含めた鳥にワクチンを打てるなら別だが、それができない以上、ワクチンによる予防には限界がある。しかし、この鳥インフルエンザを、イメージ戦略で人間のインフルエンザのワクチンに製薬会社は連動させた。そして今や、人間のインフルエンザもワクチン予防が当たり前になった。
はしかワクチン接種をすることは、人道上の問題とまで言われている。妊婦への配慮である。しかし、人間への100%の接種などない。海外からの渡航者も多数存在する。ワクチンというものの限界を知ることだ。ワクチンは中途半端はダメだ。世界中でワクチン接種が行われるよう努力する必要がある。当面の対策としては、病気に対してそれぞれがどう対したらよいかを考えるべきだ。日本のように中途半端になってしまった現状を考えれば、若い人ははしかワクチンを打たざる得ないだろう。そして、自分の身体を健康にすることだ。運動をし、良い食事をとり、過食をしない。発酵食品を十分に取り入れ、腸内フローラを健全に保つことだ。免疫力を高めるという事はワクチンだけではない。鳥インフルエンザの茨城の流行地域でも、工場養鶏では感染が広がり、その真っただ中の自然養鶏の養鶏場には発病がなかったのだ。