自衛隊の違憲
自民党が政権党であった頃、防衛大臣をしたことのある石破氏が、自衛隊の違憲を認めた発言をしている。憲法のどこにも書いてないということである。石破氏の場合、憲法違反であるから憲法を守って、自衛隊を廃止すると言うのではもちろん無い。憲法を変えて、正式に軍隊を持つという主張である。安倍氏も憲法改定勢力で3分の2の議員数を確保し、自衛隊を国防軍と名称変更すると主張している。何故、愚かにアジア諸国を刺激しようと言うのか。そして、世論調査では自民と維新を併せて3分の2を確保しそうな勢いである。平和憲法を何よりも大切に考える日本人の一人としては、予想外のところで危機的状況が来た気がする。今回の総選挙では、多数の政党が乱立している。争点も見えにくく成っているかに言われるが。実は明確である。原発の廃止か否かが投票選択基準である。反原発未来党がまとまりそうである。原発を継続したいとする政党は、憲法も改定したいという政党である。当然のことで、自民や維新は核保有まで考えている節がある。原発もその意味でも廃止したくないのである。
原発廃止に関しては、実は自民、維新は曖昧に書いている。こういう状況で曖昧であるということは、原発推進である。必ず、選挙が終われば原発再稼働になる。放射能が消えてゆく速度で、国民の怒りや悲しみも薄らいでゆく。人間はそう言うものだから、今回の選挙が反原発の勝負なのだ。今回明確に、反原発を示す事が出来ないようでは、日本の政治というものを諦めなくてはならない。まだ敗北した訳ではないが、この国が原発事故という、取り返しのつかない惨事を引き起こし、にもかかわらず原発を廃止できないとすれば、この国は駄目だと言う事に成る。民主主義が一応成立しているとして、多数がそう判断するなら、それも判断である。原発輸出国に成り、原発を再稼働し、できもしない再処理にお金を注ぎ込み。憲法を改正し、国防軍を作る。原子力爆弾を保持する。私はそんな日本国を望まない。
日本という国がささやかな武力を保持したからと言って、何かが変わるだろうか。尖閣や竹島が日本の領土と確定できるとも思えない。核保有する中国に対抗するような軍事力を持たなければ意味をなさない。それだけの経済的負担にも日本は耐えられないだろう。軍事予算が今の数倍なければならない。消費税など30%とかに成るだろう。年金も、健康保険も、教育も、すべてに後退させなければ、軍隊は持てない。平和主義を主張して行くことの方が、安全かつ実効がある可能性も無い訳ではない。戦後の経済発展が軍隊を持たずに、来たからこそできたことを考えなければならない。明治政府の帝国主義が、いかに国民を疲弊に追い込んだか、そして太平洋戦争に到り、原爆を落とされ敗北したことを思い起こさなければならない。今度の選挙はその岐路の選挙である。次に起こることを理解した上で選択しなければならない。原発を廃止するということは、平和主義で行くと言う事だ。平和主義など役に立たないと考えるものが多数になれば、自民と維新が勝利するだろう。
この事の重大な意味を、日本人が本当に理解したうえで判断しようとしているのだろうか。日本という国が世界平和の希望であった。軍隊を持つという事は日本が普通のだめな国に成ると言う事だ。世界中が自国の利益の為に暴力で、しのぎ合っている。こういう事を抜けだそうという希望が日本国憲法である。日本の戦後の努力は、理想主義に希望を託したものだった。その日本の希望を世界中があたたく見守ってくれたから、戦後の日本の復興、そして経済発展はあった。日本の能力だけでないことを知らなくてはならない。今も世界中に軍隊を持たないで、平和の世界作りたいという理想の思いは存在する。もちろん現実に押し切られ、ほぼ風前のともしびである。危うい状況であるが、日本が苦しいなかでも耐え忍んで、平和主義で行くことを理解してくれる人たちは世界中に居ると信じられる。