菊池直子:人間の変貌

   

オウム事件逃亡犯が逮捕された。菊池直子容疑者の変貌には全く驚いた。最初の情報では、似た人がいるという、通報で逮捕になったということだったが、それが嘘だという事が良く分かる。どういう事情で警察が隠れ場所が分かったのかは不思議だ。未発表である。この人を見て、菊池直子だと想像できるはずがない。1000万円の賞金がかかっていたのではなかったか。誰か、身近なものからの通報と考えることが自然だが。しかし、高橋逃亡犯を逃がしたのは、神奈川警察の落ち度である。菊池逮捕を非公開にして置けば、簡単に捕まった。慌てて公表したために逃げられてしまった。前回の平田自首では、冗談だと判断したという事だった。警察の能力低下も気掛かりである。あのときも平田逃亡犯の人相の変貌には驚いた。整形して変わったのではなく、別人のように人相が変わったのだ。菊池直子の場合はすぐに人相が変わり、普通に勤めていて手配写真からは想像できなかったようだ。

同窓会に行って、何十年振りか似合う人の、余りの変貌ぶりに誰だかわからに人間もいる。人間は変わるものだ。環境が変わり、考え方が変わり、暮らしが変わり、人相も変わる。日々が連なっているために、変貌に気付かないだけなのだろう。自分の人相は自分の責任ということである。自分という物を自分が作っているということに気づくべきなのだろう。3日で人間がは変わっていると、刮目してみよ。君子は豹変するというのもある。過去を引きづるから、変わることが出来ないに過ぎない。オウムの信者の内面の変化は、強烈なものであったであろう。洗脳されていた状態から、引きづり出された。どんな逃亡生活だったのか、興味本位でウサギを飼っていたなどと言われる。多分その状況のすさまじさは、想像すらできない深刻で劇的な変化であったであろう。狂信的な信仰を放棄せざる得ない状況に置かれている。

高橋容疑者は、簡単には捕まらないと思った。逃亡のプロになっている。変装の用意はしていただろうし、いざという時に、救出に来てもらう手筈ぐらい用意していたのではないか。鞄を購入したなどと、盛んに情報を出しているが、単なるかく乱の可能性が高い。まして情報が出されたのなら、すぐ捨てるだろう。高橋容疑者もそうなのだが、周辺の人の評判が悪くない。トラブルを起こせば大変なことになるという意識もあっただろうし、用心をしながら暮らしていたのだろうか。いずれにしても、オオム逃亡犯は、捕まった後の人相の方がまともである。逃亡生活など、とんでもない暮らしであるが、オオム信者時代の、人間が存在しない仮面のような不気味な人相に比べれば、普通の人相に戻っている。オカルト教団の異常さである。

ついつい、追われる人間に気持ちが同調して行くのは、どこかに追われているという意識があるからだ。別段犯罪をしている訳ではないが、何故か殺人犯として追われる不安を持っている。だから冤罪事件にも、他人事ではなく特別の反応をしてしまう。この追われるという意識は、本当は競争しなければ、勝ち抜かなければいけないという、能力主義に洗脳された。というトラウマなのだと思う。そう言う時代に生きてきたし、多分今の時代もそうなのだろう。そのことによって努力をしたとは思うが、失った部分もあるだろう。私も、2年もしたら誰ですかと言われるぐらい、脱力した成長をしたいものである。まだまだ自分というものの本質に期待をしている。もっと捨て去ることが出来ればとおもう。深く見れるようになりたい。深く感じるようになりたい。もっと沢山の事を知りたい。

 - 身辺雑記