なにがあろうとTPP参加
日本と言う国の岐路である。野田総理は、消費税を上げることを国際公約にするということで、国内議論をないがしろにした上で、G20首脳会議の場で発言をして、既成事実化しようとしている。同じやり方で、エイペックの会議の席でTPP参加を表明するらしい。このやり方は、国民への説明や、国会での議論を全く無視したやり方である。政治の仕組みを愚弄する、ずるがしこいやり方だ。日本人のすぐ諦めてしまう性格を利用する気だ。TPPに加盟すると、日本がどうなるのか。どうなるどころかTPPとは何かすら、まだ説明がない。農業強化策など、どうやって国際競争力をつけるのか、誰か理解できただろうか。TPPにどうしても参加しろと言うのは、アメリカと経団連である。世界の潮流に日本が乗り遅れるらしいが、何がどうなるのかの実態は一向に出てこない。
タイの水害であらためて分かったように、タイに多くの日本企業が存在する。タイにある日本企業と言うのはおかしくて、国籍など関係ない。それでいいのだと思う。自らの意思で海外に出て行く。海外だって違う事情はある。どこでだってその企業がいいと思うところで、人間のために尽くせばいい。利益を出すということは、突き詰めれば、人間の為と言うことのはずだ。そうでないなら、企業倫理がおかしいのである。経済の考え方自体を変えると言うことになる。国家と言うものを人間が越えるのは、人間が個人として生きるのであれば、当然の帰結である。しかし、このことは地域で生きると言うことと矛盾しない。タイに生きるのであれば、タイのその地域に根差すべきだ。都合良く世界を渡り歩くような、資本や、企業が信頼できる訳がない。通貨の投機をみれば、利益の為なら、国家などどうでも構わないという資本の動きがよくみえる。
企業の倫理と言うものを、明確にすべきだ。日本の不利益より、企業の利益を目指す理念であるなら、それで構わないが、そのことをごまかしなく表明すべきだ。都合のよい時だけ、国益を発言するのでは困る。TPPは日本の文化を崩壊させ、日本人が居なくなる道だと、少ない情報の中で考えている。舟原で日本人として暮らしているつもりである。そのことを有難いと思っている。この地域が少しでも良くなるようにと思っている。この地域での人の暮らしが成り立つようにと思っている。その一つの手法として、自給農業を提唱し研究している。この地域が良くならない限り、自分も良く成れないという大原則がある。自分さえよければなどという、逃げ込むシェルターは世界中にない。煩わしく、面倒くさく、手に負えないのだが、ここを良くする以外、自分も良く成れない。地域の固有性を尊重し、食糧自給を保証する。そうしたTPPなら良いのだが。
地域の暮らしの再生を大切なことと考えている。もちろん地域の人も、地域の企業や、様々な仕事に勤務されている。その勤務先がTPPに加盟しなければ危ういという気持ちの人もあるだろう。そう言うことが宣伝されているので、そうかもしれないと思いこまされかかっている。農業がどうなるかを考えてみる。みんなが止める日がぐっと近づくだろうとしか思えない。民主党政権は自給率50%を主張している。これを撤回し、農業が無くなっても良いから、TPPをやるべきだと正直に発言すべきだ。戸別補償など、自己矛盾しているだろう。今の経済は確かに、地域が世界と切り離されている訳ではない。TPPがあれば解決できるような、先進国の経済危機ではない。日本の貿易における有利さは終わっている。当たり前のところに落ち着くしかない。今まで、巡り合わせもあったのだろうが、戦後の日本は幸運でここまで来たのだ。