米韓自由貿易協定(FTA)

   

米韓では二国間貿易協定を進めてきた。いよいよ協定が動き出すらしい。何故、韓国は日本とのFTAは進めないで、アメリカとは進めているのか。いくら輸出立国と言え、韓国はどのような国を目指そうとしているのだろうか。アメリカと生活水準が同じになるなら、アメリカの一つの州のようなものでもいいと考えているのだろうか。誇り高い韓国人がそのような選択をする訳が無い。北朝鮮との国防上、やむおえずアメリカの言いなりになっているように見える。韓国がどうなるかを見極めてから、日本のTPP加盟は考えればいい。遅れたら乗り遅れるなどと言うのは脅しに過ぎない。もしこの協定が、ユーロ圏のような、まともな理念に基づくものであるなら、どの段階でも加盟できなければおかしい。早くこの輪に入らなければ、のけ者にするというような理念であるなら、そもそも加盟すべき様な条約ではない。国際条約では、様子見が一番の場合が多い。韓国の成り行きを良く見ること。

韓国ではソウル市長選挙で野党が勝利している。李政権が維持できるのかどうかも注目点である。30日の批准議決らしい。この協定は2007年に締結したものだ。時間が経過しているが、いまだ協定の早期発効を目指すという位時間がかかっている。10月12日にアメリカが批准し、韓国の議会はまだ批准していない。確か韓国が批准して5年後に自動車の関税が無くなるということだから、今は様子見状態である。何を野田政権は乗り遅れまいと焦らせているのだろうか。10年もすればアメリカの経済は激変している。アメリカの言うこと自体が違っている。判断は延ばすほどいい。それが政治であろう。韓国が批准できるかどうか今瀬戸際である。野党は反対で審議もできない状態である。果たして李政権は批准を強行できるだろうか。TPP加盟は今韓国がおかれているような、国の未来を文化まで決定ずける重要なことだ。日本の政権交代は、政治家を選挙だけの人にしたようだ。

米韓FTA交渉の間、アメリカは韓国からの軍事力の引き上げを言い続けた。最近になって少し言い方が変化してきたが、国防を韓国民への脅しとして、経済協定を結ぼうとしてきた。これは両国の合意もあるのだろう。沖縄から韓国へ、米軍の移動はありうる。これについても慌てない方がいい。一年前、北朝鮮が韓国の延坪島を砲撃した。あの事件に合わせるように、韓国政府は締結を決めた。日本に対しても、常に軍事同盟と、経済交渉はリンクしている。ただし、日本の場合は、米軍の駐留には世論の反発が強いから、引き上げを脅しに出来ない。日本政府は軍事力の不足を感じていて、アメリカに対して弱腰になっている。鳩山政権が東アジアの日本を主張した時の、アメリカの強硬な、牙をむき出した態度を思い出せばわかる。慌てて弁明をし土下座外交に変貌した鳩山政権だった。軍事力に依存することでは、不安が増すばかりで、北朝鮮問題を見て分かるように、安心は得られない。

米韓自由貿易協定はそれでもTPPよりはいい。お米は除外されている。米作だけは守ろうと言う姿勢が打ち出されている。TPPに置いては、除外品目はないと言われている。野田政権は稲作農家を30ヘクタールにすれば、競争力が生まれるから、農業は守れるという。明らかな嘘を公言している。「TPPに入るということは、日本の農業は止める。」と言うことである。農業を止めていいのかどうかを論議すべきだ。アメリカがTPPに加わり、日本を引きこもうとしているのは、FTAで日米交渉をすれば、魂胆の腹黒さが明らかになるからだ。アメリカは経済崩壊が迫っている。その脱出口を日本にも求めている。農家の独善でTPPを反対するのではない。今の事態は、日本人が日本人で無くなるということなのだ。まあ、それも一つの選択ではある。だからそうした議論をしたうえで、進めなければならない。

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