タッズ湘南の様子
湘南タッズに伺った。様子が行くたびに刻々変わってきている。犬の数が相当に増えたこと。犬舎の整備もさらに進んでいた。前から来ている犬たちは、だいぶ落ち着いてきている。タッズさんご夫妻もおられた。全体で10名くらいの方々が、働いていた。犬は順番に散歩を楽しんでいた。これからのタッズさんの方針。「犬たちは、飼い主たちの命綱である。何としても再起しようという気持ちの支えに成る。だから今回の一時預かりは、大切に預かれる人でなければならない。」「大きな衝撃を受けた、犬達のリハビリを第一に行わなければならない。その点だいぶ落ち着いてきているので、もう少ししたら、出せるのではないか。出せばまた引き受けることが出来る。」このように言われていた。物資はほぼ足りてきているようだった。今一番必要なものは、お金だと思う。頻繁に東北を行き来して、引き取ってくることは費用が必要になっている。社団法人UKC JAPANタッズさんに寄付するというのは、不安な方もおられると思う。赤十字に支援金を送る、動物愛護協会に送る。そう言うことより、信頼出来るタッズさんの方が確実である。
宮城県気仙沼市本吉町の沖合約1・8キロの海上。1日午後4時ごろ、宮城県気仙沼市本吉町の沖合約1・8キロの海上で、漂流していた屋根の上に犬がいるのを、第3管区海上保安本部(横浜)所属の特殊救難隊が見つけ、約1時間後に救出した。この犬の名はバンといい、飼い主のもとに無事戻った。
こんなこともある。3週間海の上を漂流していたのだろう。良く助かったものだ。犬は1カ月飲まず食わずでも死なない場合もある。素晴らしい生命力だ。飢餓にとても強くできている。福島原発の20キロ圏では、ペットを自宅に置いてきた人が、戻って餌をやっていたが、いよいよ中に入ることが厳しく、行き詰まっているようだ。動物と暮らしているものとして、飼い主の方々の辛い気持ちが分かる気がする。どうにもならないつらさを抱えて、避難所におられる25日間どんなに辛いことだろうか。早く避難所に移動しろというなら、動物の対応もしてくれなくてはならない。避難所では基本的に動物は駄目。動物愛護協会はこの大震災で20家族分の避難所を用意しているにすぎない。30キロ圏内に何家族の人がペットを飼っていただろうか。大半のものが、自力で対応しているに違いない。川内村で鶏を飼って居た知り合いは、鶏の餌をやりに戻ったと言われていた。
あちこちで動物を受け入れて一時的に、預かってくれる場所が動き始めているようだ。情報が錯綜していて、正確なところは把握できないが、これらもあくまでペットが中心、家畜となるとさらに扱いが難しい。牛を15頭飼われている方の避難所でのインタビュー「家は30キロ圏内である。避難以来行っていない。牛は餓死しているだろう。この死体を何とかして欲しい。自主避難の場合の補償など不安でたまらない。」と言われていた。人間が大変な時に犠牲に成るのが、家畜である。牛肉から放射能が出たというデーターも、再検査では出ていないそうだ。これから農地の測定が始まるそうだ。15センチの土壌を採取して計測するというのが、農水省の方針である。作物の根が生育する位置ということらしいが、表土を計らないということで、これまた消費者の不信を起こしかねない。これから長い間放射能と付き合わねばならない。国内産は汚染ということにでもなれば、安心安全が唯一のよりどころだった、国内の農業は終わりに成りかねない。
20キロ圏内ではときどき、放し飼いにされた牛の一群が道を歩いているのに出くわす、らしい。畜産農家や酪農家が避難するとき、「小屋で死なせるよりはいい」と放したのだという。 それはやせ細っているという。畑の作物を食べていればいいと思うのだが、放し飼いをされたことがなくて、生活力に乏しいのだろうか。何とか生き抜いてもらいたいものだ。これから長丁場に成る。タッズの皆さんも被災地に居る皆さんと同じようになっている。緊張した空気、不思議な活気。皆さん積極的に働かれていて、お手伝いにいっても割り込めないぐらいである。大切に世話がされている。避難所で遠慮しながら飼われているのでは、気を使って参ってしまうので、一時的にタッズさんにお任せして、状況が整ったところで、引き取りに行くというのが良いと思う。近く、私の所でも引き受け可能になるが、大切に預かる。