将棋名人戦の主催新聞社の移行

   

名人戦が毎日新聞主催から、朝日新聞に変わろうとしている。「信義」か「カネ」かで金を選んだ、日本将棋連盟といわれている。

ある委員は理事会にこう提言したという。「朝日と毎日では(経営)体力が違う。早く朝日に移管しないと将棋界の将来は危うい。このままだと沈没してしまうぞ」と毎日との決別を強く求めた。単年度赤字1億円といわれる将棋連盟の財政改善に、理事会は「恩義」を捨てた。東奥新聞から

日本将棋連盟は、米長邦雄氏が理事長になって変わった。この人は東京都の教育委員でもある。日本財団の仕事もしている。公の場で評価の高い人である。この人が有名になったのは、「日本中の学校にですね、国旗を挙げて、国歌を斉唱させるというのが、私の仕事でございます。」と天皇に対して発言した事である。褒めてもらえると思ったのだろう。ところが、「やはり、あの、あれですね、その、強制になるというようなことでないほうがね、望ましいと・・・」天皇さんに諌められる。

日本将棋連盟の理事長になって、一番の仕事が毎日新聞主催の、名人戦を毎日新聞から、一方的に朝日新聞に移すことだった。この背景には、朝日のほうが良い契約条件を出したからだ。良い金銭条件なら、長年の恩義を捨ててでも、移るべきか。これが棋士総会で投票になり、棋士は、恩義より、カネを選んだという事だ。

今プロボクシングでは亀田一家が騒がれている。これも、カネ、カネ、カネというえげつなさ、他人のことなどどうでもいいとする、醜さだ。堀江モンもそうだった。「金儲けは悪いことですか。」あの叫びがまだ耳に残る。日銀の総裁まで、その中立であるべき立場を忘れて、村上ファンドに投資していた。

実は、小泉首相が靖国神社参拝にこだわる理由も、同質に感じるのだ。何と、総裁選を控えて、安部晋三氏は靖国神社に参拝していた。靖国神社に参拝することが、総裁選に有利に働くと考えているのだ。なぜだろう。

国民の常識から言えば、ここは参拝を控えるのが常道と考えるだろう。ここでも、カネ、カネ、カネ、と考えて見るといい。靖国へ行く事で、アジアとの関係が悪くなる。そのことが金になるのは何か。3兆円といわれる。アメリカ軍極東基地の整備費は、日本政府が持つとしても、その仕事を請けるものは、防衛関連企業だろう。
 
北朝鮮との緊張を高め、先制攻撃論で、ミサイル基地が必要と認知されれば、誰の利益になるのか。その背景にある、黒い利益集団の存在だ。当然日本の財界とも重複しながら、自民党と連携をしている。だから、安倍晋三は、50そこそこで、親が祀られている訳でも無いのに、靖国参拝に熱心なのだ。自民党総裁の踏み絵なのだろう。

絵描きの間でも、売り絵の展覧会を平気で開催し、生活のためだから、余計なことは言うな、という空気ある。生活の為が、絶対条件のように思って暮している者に、本当の絵など描けるわけが無い。

問題は、カネが、恥じらいを捨てて、前面に出てきたことだ。大手を振って闊歩していることだ。カネの為なのだから、信義や理想や正義は、忘れたって仕方が無いじゃないか。こうした国になってしまった。

将棋指しは将棋を好きでやっているのだろう。それだけで、何故ダメなのだろう。何とか生きて行ければ、他の事など、どうでもいいはずではなかったのか。少々の贅沢をしたところで、生きるということの前では大した違いは無い。

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