のぼたん農園のイネの発芽

   



 のぼたん農園では1月9日稲の種籾を海水に浸種した。一週間の浸種である。16日種籾を播種した。17日の朝は21度である。石垣の今年のここまでの気温は14度台が1回。15度台が1回。この時期でも17度ぐらいまでが普通である。

 昼間は20度を超えて、25度を超える日も何日かある。小田原で言えば、5月頃で遅霜がなくなったという頃ではないだろうか。小田原では4月には種である。この気温を見る限り石垣島では、いつの季節でもイネの播種は可能である。太陽の日照時間を考えれば、だんだん日が長くなる今頃が一番適当な時期ではないだろうか。

 といっても、石垣島は日照時間が短くなると言っても、小田原に競べてそもそも短日期でも日照は1時間も長いのだ。1月は雨が多いから、苗作りには良い時期になるかもしれない。種まき前後に雨が降り続いている。日本列島が西高東低の気圧配置になり、日本海側は雨か雪太平洋側は乾燥した晴天となると、石垣島は梅雨時のような雨模様。

 早い人はすでに田植えをしてしまっている。年を越して苗を育てているのだ。英太郎さんの早い田植えが、東京でも放映されたと言うことだ。いつか日本に最後に残った水牛コロバシャの伝統農業で、テレビ報道がされる日が来るかもしれない。

 伝統農業が販売戦略にならないものだろうか。日本一の早場米を販売戦略にしていると言うこともある。台風を避けたい事もある。収穫が6月後半になると台風が来てしまう。台風襲来が結実の時期になると、イネがやられてしまう。これはお天気任せで仕方がないが、来年は元日の浸種にして、水神さんに初詣も悪くない。

 1月9日に種籾を溜め池の中に種籾を浸した。水温は継続して測定していたが、23度だったから一週間ぐらいが適当かと考えた。雨の日は少し下がったが、暑い日でも24度だった。この水温だから、イネの種籾は一週間ではと胸状態になると考えていたが、鳩胸一歩手前である。許容範囲ではあるが。

 来年の浸種は一日延ばして、土曜日に漬けて日曜日までの8日間にした方が良いかも。もう少し芽が出ていても良いかと思う。種籾の休眠期間が短すぎるのかもしれない。来年はオオバーフローの水の下にバケツを置いて、種籾を置こうかと思う。種籾が寒い冬を越えると言うことが無い。冷蔵庫で保存して冬を体験させていた種籾ではあるのだが。

 五週間の苗床での管理のつもりだ。5.5葉期二分ゲツの苗が目標である。15度より下がらない気温だから、穴あきビニールトンネルは止めて、ネットのトンネルだけにした。寒い日がとつぜん来ないかと気がかりだが、徒長していない健全な苗を目指して外気温で行く。夏の育苗では徒長して失敗した。

 肥料分の足りない苗床なので一㎡に80グラム播種にした。これも大苗を作りたいからである。400グラムの種籾を5分割しておき、5mに蒔いた。種籾は前日溜め池から引き上げて、一晩新聞に広げて陰干しした。今年は3人が担当をして一種ずつ蒔いた。3品種が混ざることを避けるためである。

 苗床の播種以外に、苗床田んぼには直まきにするので、薄いビニール製の平たい梱包紐を張ってある。その一本をまたいで、一人3本蒔いて貰った。田んぼがベトベトだから、注意して歩かないと、線が乱れてしまう。19本ぐらいだったから、一回で播種できた。人によってスジ蒔きが、帯蒔きになっていた。

 梱包紐は播種が終わったならば、そのまま張っておく。鳥よけに成るはずだ。崎枝ののぼたん農園には雀が居ないのでまず大丈夫だと思う。カモ等の水鳥も苗床には水がないのだから来ない。播種して3日間鳥は来ていない。鳥というものは慣れれば平気になる。慣れない間に二週間経過して貰いたい。もし鳥を見たらその時にタカの凧を飛ばすつもりだ。

 問題はネズミかもしれないが、今のところ足跡はない。野良猫が歩いているから、大丈夫かもしれない。ある程度の被害は覚悟している。スジ蒔きにして、余分になる苗を不足した部分の苗にしたいと考えている。余れば取り去ってしまうつもりだ。

 苗床の土壌がまだ未熟である。田んぼになって一ヶ月もしない土壌である。pHだけは測ったのだが、6.5と言うことだった。よみがえり堆肥を10袋入れた。たぶん不足するだろうから、追肥を考えている。先ずは油かすの液肥を作ったので、苗の色が浅いようであれば、与えるつもりだ。

 遅ればせながら、還元的になる土壌を考えて、光合成細菌の準備をしている。ネットで注文しているところだ。田んぼにうまく増殖できるのかは分からないが、やってみる価値はあるだろう。泡盛かすのエサで増やせないか挑戦する。

 新しい場所での初めての育苗である。何があるか分からない。上手くゆかなければ大変なことになる。もう一回やり直しの出来る種籾は準備してある。播種のやり直しで2,3週遅れても、田植えを延ばせば良いだけのことである。種籾は2期作をやるとしたら次回に使えないことはない。

 学校田をやるとなったなら、2期作目になるのではないか。二期作目はやらないつもりだったが、学校田をやれるならべつである。その時は餅米が良いと言われていた。1月に餅つきをして食べるらしい。そのお米が学校田で採れたものであればいい。種まきから収穫まで、見学だけでもして貰いたい。崎枝小中校からすぐの場所だ。

 今後の肥料の基本は通年通水して田んぼの水を保ち、田んぼで水草による緑肥を育てたいと考えている。候補はアカウキクサとミズオオバコが今挙がっているが、もう少し研究してみなければならない。稲刈りが終わり、すぐに水を戻して、7月から1月まで緑肥となる水草を育てる計画である。

 田んぼは一年中水を溜めておくことが基本だが、その場合土壌の状態がどうなるかが少し心配である。硬盤がないので緩んでこないかである。今のところ石垣の土壌はそれほど緩みそうな感じはしない。しかしやってみなければ分からないことなので、今後の研究課題になる。

 苗作りでのもう一つの問題は強風であった。田んぼの土が風で寄せられてしまい、稲が埋没したのだ。今年は回りを高くして防御はしたが、まだ防風林は出来ていない。早く防風林を育てたいものだ。先ずは月桃の移植である。防風林で日陰になるかというと、太陽は真上にあって南の木が案外に日陰を作らないのだ。

 強風問題と言えば、1本苗では倒されると言うことも分かった。倒されないように、2本植えにする。その分苗が倍量必要になるが、仕方がないところだ。ぜんぶの田んぼが出来上がったとしても、2反1畝だから、苗床田んぼで苗が作れない量ではない。

 そうだ、昨日の話では崎枝にはイノシシが多いそうだ。これは6月までに電柵を作る準備が必要と言うことになる。田んぼ部分だけ柵で囲うというのも、水牛が田んぼに入らないという意味では良いかもしれない。

Related Images:

 - 楽観農園