水共生学石垣島ワークショップ

   

―――のぼたん農園の紹介―― のぼたん農園代表 笹村出



 のぼたん農園は石垣島崎枝半島の付け根赤崎にある。自給農業の体験農業である。面積は3,6ヘクタールのゆるい南傾斜地にある。上部に湧き水があり、年間通して水は少ないが、涸れることはない。水道程度の水が出ている。その水を利用して、小さな溜め池を5つと、12枚の小さな天水田のような棚田、果樹園、小麦畑、水牛放牧地を耕作している。

 その他熱帯果樹園と、小麦と大豆の畑がある。水牛の放牧地が2ヘクタール。農園の目的は自給農業の体験農場である。1つの単位が100坪で、一日1時間の労働で、100坪の面積で1家族の食糧が自給できると言うことを、学び体験してもらう農場を目指している。米、麦、大豆、常備野菜。を協働で自給する。この実践をあしがら農の会(会員200名、面積20㏊ほど)として、小田原で35年間行ってきた。それを改めて石垣島でもやろうと考えている。2カ所で出来れば、どこでも出来ることになる。

 水牛(現在3頭を飼育)を利用する伝統農業で行う。できる限り手作業で行う江戸時代のような農業である。こうした自給のための水田が石垣島の環境を支える時代が来ると考えている。稲作農業は農家としての経営が年々厳しくなり、減少している。日本全体が、大規模な稲作企業と小さな市民自給の田んぼが残ると考えている。

 水田による稲作は3000年の食糧自給の永続性がある。外から持ち込まず、その場所で何千年も繰返しお米を生産できる食料生産方法は稲作だけである。のぼたん農園では6つの方法の確立を目指している。
1,アカウキクサによる緑肥。石垣島の土壌は腐植がたりない。
2,光合成細菌の投入。少ない水の腐敗を防ぐ。
3,ひこばえ農法。2年で7回の収穫をするスマトラ島のサリブ農法の再現。
4,一年中水のある田んぼ。石垣の土壌には泥沼化しない適性がある。
5,バイオガス設備。水牛糞の有効利用。
6,毎月稲刈りを行い、新米を食べる。

 石垣島周囲162キロに3キロごとに50カ所の有機農業で行う水田が残ることで、石垣島の生物多様性を市民の水田が担うことになると考えている。5万人の市民の内1%の500人の市民が参加すれば可能になる。水田でなくとも、農薬が入らない水場が最低でも50カ所必要になる。

 そのためには、市民が行う田んぼが広がって行く必要がある。有機農業は自給農業であれば可能である。のぼたん農園の役割として、有機農業による農業技術の指導を行っていく。機械の共同利用。小さなライスセンター活動を進める。


 以下九大の岩谷先生から

「石垣島を巡る水共生学」

≪ワークショップ≫
日時:2月13日 13:00〜17:30 
目的:水共生学プロジェクトにおける琉球列島の「共通フィールド」の主要拠点候補であ
る石垣島について、13日のワークショップ(非公開)では石垣島をフィールドにしている
水共生学関係の研究者と地元のステークホルダー双方からの話題提供とその後のパネルデ
イスカッションを通じた交流によって、研究者側が何を提供できるか、地元が何を望んで
いるかのマッチングを図り、新たな研究シーズの発見にもつなげる。14日の巡検では様々
な取り組みの現場を視察する。
対面会場:大濱信泉記念館 〒907-0004 沖縄県石垣市登野城2-70
https://ohamanobumoto.net

Zoom会議室
https://us06web.zoom.us/j/86258587992?pwd=MW1lWnVxeCtFdHpsdVV5YUUrS1plUT09
ミーティングID: 862 5858 7992  パスコード: 473725
12:30 開場
13:00〜14:00 第1部 ブリーフィング
    開会挨拶・「水共生学」概要説明 荒谷邦雄(九州大学)
    計画研究A01 概要と活動報告 渡部哲史(京都大学)
    計画研究B02 概要と活動報告 藤岡悠一郎(九州大学)
    計画研究B03 概要と活動報告 松本朋哉(小樽商科大学)
    計画研究C01 概要と活動報告 荒谷邦雄(九州大学)
14:10〜15:20 第2部 水共生学からの話題提供
「石垣島の農業利水」乃田啓吾(岐阜大学)
「サンゴ礁/海底地形」菅 浩伸(九州大学)
「琉球列島の水生昆虫の危機的状況とその保全」苅部治紀(神奈川県博)
「石垣島の集落コミュニティ」渡部哲史(京都大学)
「やんばる林道パトロールの結果から見えてきたこと」村岡吾朗(九州大学)
15:25〜16:15 第3部 地元側からの話題提供
「石垣島の環境行政」山本以智人(環境省石垣自然保護官事務所):
「沈砂池ビオトープ」冨坂峰人(日本工営株式会社沖縄支店):
「石垣島の歴史と考古遺跡」宮城公平(八重山博物館)
「水牛を使った有機農耕水田」笹村 出(のぼたん農園):
「サトウキビ畑の赤土流出防止策」干川 明(NPO法人石西礁湖サンゴ礁基金)
16:30〜17:25 第4部 総合討論
17:25〜17:30 閉会挨拶
18:00〜 ゆんたく(懇親会)
会場:居酒屋 はなんまや 〒907-0004 沖縄県石垣市登野城2-29
https://retty.me/area/PRE47/ARE275/SUB27501/100001207494/
≪巡検 14日(午前/午後)≫
集合9:00:アートホテル⽯垣島、ユーグレナ⽯垣港離島ターミナル前、ドラッグイレブン
⽯垣⼋島店駐⾞場
午前:フルスト遺跡(大浜)―沈砂池ビオトープ(大里)―イシガキニイニイ保護区域(
米原) 昼食(市街)
午後:赤土流出対策圃場試験(名蔵)―のぼたん農園(崎枝)―(空港①)
―オキナワウラジロガシ巨木林(屋良部岳)―(空港②)
空港①:16:30〜18:00出発便

空港②:19:00以降出発便
*午前、午後とも途中の集落探報を含む
≪特別巡検コース≫
12日 午後 野底マーペイ登山(空港出迎え)
13日(9:30〜11:00) 環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター見学
沖縄県石垣市八島町2-27
https://kyushu.env.go.jp/okinawa/coremoc/aboutsite.html
「石垣島を巡る水共生学」参加予定者リスト(敬称略) 

○:懇親会参加 巡:14日巡検参加

水共生学関係者
≪総括班評価者、招待講演者≫
・沖(東京大学) ○ 
・園部(アジア開発銀行研究所) ○ 巡
・乃田(岐阜大学) ○ 巡
≪計画研究A01≫
・渡部(京都大学) ○ 巡
・田尻(九州大学) 14日のみ参加 巡 
≪計画研究B02≫
・藤岡(九州大学) ○ 巡
・鬼丸(九州大学) ○ 巡
・大石(神戸大学) ○ 巡
・木村(近畿大学) 14日以降参加
≪計画研究B03≫
・江頭(小樽商科大学)○ 巡
・松本(小樽商科大学)○ 巡
≪計画研究B03≫
・荒谷(九州大学)○ 巡
・菅(九州大学) ○ 巡
・百村(九州大学)13日のみ
・舘(九州大学) ○ 巡
・苅部(神奈川県立博物館)○ 巡
・富永(琉球大学)○ 巡
・北野(東海大学)○ 巡
・杉本(与那国町立アヤミハビル館)14日のみ参加 巡
・鈴木(近畿大学)○ 巡
・細谷(日本大学)○ 巡
・村岡(九州大学共創学部学生)13日のみ
≪水共生学事務局≫
・松尾(九州大学) ○ 巡
石垣島関係者
≪環境省石垣自然保護官事務所≫
・山本 ○
・仲本 ○ 巡
・與那城 ○
≪日本工営株式会社沖縄支店≫
・冨坂 ○ 巡

≪八重山博物館≫
・宮城  巡
≪のぼたん農園≫
・笹村 ○ 巡
≪NPO法人石西礁湖サンゴ礁基金≫
・干川 ○ 巡
≪石垣市環境課≫
・上地 ○
・平良
・識名 ○
≪石垣市観光交流協会≫
・石垣 
≪竹富町自然観光課≫
・安生
・仲盛
≪参加予定団体≫
石垣市教育委員会、農政経済課(沈渣地担当)、沖縄県八重山土木事務所、のぼたん農園
、東海大学(学生)の皆様




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